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【file38】最低限の荷物で毎日軽やかに。工夫上手なアパレル店員の場合

#私たちのしごとバッグ

ミクニシオリ

いつも輝くあの人は、仕事でどんなバッグを使っているんだろう? バッグとその中身は、仕事への姿勢や価値観を映す鏡。企業で働くマイナビウーマン世代の女性をインタビューし、彼女たちの仕事バッグをのぞく連載です。

取材・文:ミクニシオリ
撮影:三浦晃一
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部

キャリアに子育て、おしゃれ。色々なことを両立している人って、時間の工夫が上手な人だったりする。

そんなことをしみじみ考えさせてくれたのは、ユナイテッドアローズ新宿店で働く、アパレル勤務20年目の仲希望さん

仲さんは2003年にユナイテッドアローズに入社し、3人の子供を育てながらも、新卒時に入社した同社で働き続けている。出産してからは、時短勤務を10年以上続けているそうだ。

だけど、仕事に注ぐ時間が減っても「少しでも会社に貢献をしたい」という気持ちから、自社オンラインサイトでのコーデ投稿をスタート。投稿数もPV数も、常に全国TOPをキープしている。

そんな彼女の仕事バッグを覗いてみると、彼女が何年経っても輝いて働き続けられる理由とも言える、あるコツが見えてきた。

仲 希望さん

1983年、三重県生まれ。文化服装学院を卒業後、2003年にユナイテッドアローズへ入社。大阪の店舗で販売員のキャリアをスタート。神奈川、千葉、東京各所の店舗配属を経て、09年からユナイテッドアローズ 新宿店勤務。
27歳で第1児を出産し、現在は3児の母。趣味は美術館巡り、ランニング、美容。
Instagram @nozomi_naka__by

仲さんがキャリアの軸で大切にしているのは、健康であり続けること。夕方は、家でお子さんたちを迎えて家事をこなす必要がある。時短勤務をしている彼女だけど、終わりの時間は操作できないからこそ、人よりも早い時間に行動しているという。

「このバッグは『BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS』『ポップコーン ワンハンドル ショルダーバッグ』で、バッグ自体が軽いのがこだわりですね。見た目以上に収納力はあるのですが、邪魔にならないサイズ感もお気に入りです。朝はかなり早くから出勤するので、電車の中で寝ながら来ることがほとんど。そういう時にもかさばらなくて気に入っています」

6時台の電車で出勤し、他スタッフより1時間以上早く店舗にたどり着くことも多いのだそう。出勤したら、人のいない店内でコーデ写真を撮り貯めするのだとか。

●バッグの中身

1 Dieffe Kinlochのメイクポーチ
2 エコバッグ
3 ビオレUV アクアリッチ アクアプロテクトミスト
4 BEAUTY & YOUTH UV プロテクション アンブレラ
5 BLANC のサングラス
6 のど飴用ポーチ
7 JIL SANDERのお財布
8 FEILER FRESH KIWI ハンカチ

日傘は毎年、自店のものを購入しています。使い方にもよるのですが、日傘のUVカット効果は1〜2年で切れてしまうことがほとんどなので、私は割り切って毎年買い替えています。私が使っているのは『UV プロテクション アンブレラ』という定番商品です。コンパクトながらも紫外線遮蔽率100%で、さらに晴雨兼用と使い勝手がいいんです。畳むと四角くなり、どんなバッグでも収納しやすいですよ」

美容にもこだわっている仲さんは、毎年紫外線対策を徹底している。ちなみに、朝はプチプラの日焼け止めをたっぷり塗る派なのだそう。

アパレル店員は、どのスタッフさんもおしゃれで、メイクもバッチリしている人が多い印象がある。だけど、仲さんのメイクポーチは意外とすっきりしていた。

「バッグの軽量化のためにも、メイクは朝しっかりして、お直しは軽めにしたい派です。ポーチも自店舗で購入したもので、柄がおしゃれなところと、ポーチ自体が軽くてバッグの中でかさばらないのがお気に入りのポイント」

ポーチの中には、仲さんの「お守り」的な存在でもある、のど飴も。

「子育てと仕事を両立し始めてからは、仕事で『やり切った感』を持つことが難しくなりました。時短で働かせてもらっている中で、せめて休まず毎日出勤して、自分ができることをしっかりこなしたいんです。

のど飴はビタミンを摂取したい時や、喉の乾燥を感じる時に舐めるようにしています。お陰様で、4年ほど風邪を引いていないんですよ」

仲さんは笑顔で話してくれるけれど、3人のお子さんを育てながら働く忙しい日々の中で、体調管理を徹底するのはきっと大変なこと。しかも「お店の顔」でもある仲さんは、紫外線対策だけでなく、体型管理にも力を入れているという。

「休日は、焼けるのが嫌なので日が昇る前に起きて近所を走っています。夕方以降はどうしても子どもの挙動に左右されてしまうので、自分のしたいことは朝にこなすことが多いですね

出産を機に時短勤務を始めた時「やりきれないストレス」も感じていたという仲さん。時短勤務でも自分のできることを模索し続けた末、オンラインストア内のコーデ投稿に力を入れるようになったのだとか。

「産休・育休を終えて現場復帰してみると、仕事の仕方が変わっている時もあって、戸惑うこともありました。けれど、時短勤務の私が多めに使えるのは朝の時間だけ。お客さまのいない朝帯に何ができるかを考えた結果、コーデ投稿を始めることにしました。

自分自身が店舗で働くのは夕方までになってしまいますが、オンラインサイトなら何時でも、商品を見ていただける可能性があります。コーデ投稿はオンラインストアの『今日の投稿』や、各アイテムページにも紐づくので、自身の好みに寄せすぎずに色々なスタイリングを投稿しています」

撮影をする日は、1度に5〜10コーデほど撮り貯めをしているのだそう。オンラインショップの仲さんのページを覗いてみると、真似しやすいおしゃれなコーデがたくさん。

仲さんのコーディネート写真(提供写真)

「オンラインストアを見てくださるお客さまは、店舗に足を運びづらい方、お忙しい方も多いと思います。自店で接客するお客さまのご意見なども参考にしつつ、試着をしなくてもイメージが湧きやすいコーデや、着回しやすいアイテムを選ぶようにしています

子育てで自分の働き方が変わっても、仕事に対しモチベーションを高く持ち続ける姿勢がすてきな仲さん。20年働き続けているからこその商品知識や接客経験は、コーデ投稿にも活きているのだとか。

「自社のブランドが好きだけど、私自身も年齢とともに、昔好きだったテイストの服が似合わなくなって困った時期もありました。同じ悩みを持つお客さまもいらっしゃると思いますし、一つのブランドをずっと好きでいてもらい続けるためには、新しい着方の提案が大切だと思います。自分のコーデ写真のPVが伸びて、商品の売れ行きも上がると、やっていて良かったなと思います」

自社ブランドへの愛が深い仲さん。どうしてそこまで、仕事にのめり込むことができるのかも聞いてみた。

「産休・育休から復帰するたびに、もう無理かもと思いかけました。だけど、こうして何十年も同じ会社で働き続けることができているのは、スタッフたちの人の良さも大きいですね。年齢差のあるスタッフもいますが、休み時間はいつも学生時代のお昼休みのような感覚で、毎日一緒に働けることが楽しみなので、仕事を苦と感じることはありません。

体力的に店舗に立つことが難しくなったら、自社の倉庫関係で働くのもいいかなと思っています。お洋服も会社も好きですし、この仕事から離れることはないんじゃないかなと思います」

仕事と子育て、どちらもがんばる仲さんの強さの根源は「好きな人と一緒に、好きなものを売って働く」ことの楽しさと、忙しいお母さんならではの「朝活モチベ」にあった。

※この記事は2023年07月31日に公開されたものです

ミクニシオリ

1992年生まれ。2017年にライター・編集として独立。芸能人やインフルエンサー、起業家など、主に女性に対するインタビューを多数執筆。恋バナと恋愛考察も得意ジャンル。ハッピーとラッキーがみんなに届きますように。

Twitter:https://twitter.com/oohrin

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