「ほんの気持ちですが」の使い方は? 例文と言い換え表現を紹介
「ほんの気持ちですが」を使う時の注意点
続いて、「ほんの気持ちですが」を使う時の注意点を紹介します。
(1)大きな金額や豪華なプレゼントに対しては使わない
「ほんの気持ちですが」には「ささやかな品ですが」という謙遜のニュアンスがあるため、明らかに豪華なプレゼントや大金を渡す際にはあまり適さないといえます。
相手からすると、「ほんの気持ちですが」と言われたにもかかわらずそれに見合わない豪華な物を受け取ってしまうと、かえって恐縮するからです。
かといって高価だったことを強調する必要はありませんが、ささやかとはいえないプレゼントを渡す際は、あえてへりくだりすぎず「お祝いの品です。どうぞお受け取りください」などと表現しても良いでしょう。
(2)相手の贈り物に対しては使わない
「ほんの気持ちですが」は、自分が相手に謙遜して使う言葉なので、相手から受け取った物に対しては使いません。
例えば、お菓子を受け取った時に「ほんの気持ちですが、ありがたくいただきます」などと言うのは誤りです。
相手から受け取った品に対して「ほんの気持ち」と言うと、暗に「大したものではない」と言っていることになります。
それは失礼にあたるので、相手からもらった物には「ほんの気持ちですが」を使わないようにしましょう。
「ほんの気持ちですが」の言い換え表現
「ほんの気持ちですが」は、他の言葉にも言い換えができます。
(1)「心ばかりですが」
「心ばかり」には、「わずかに心の一部を表したものであること(出典:『デジタル大辞泉』小学館)」という意味があり、謙遜の意が込められています。
ニュアンスとしては、「ほんの気持ちですが」とほぼ同義といえるでしょう。
「心ばかりですが」も、プレゼントや手土産、金銭を渡す際に使える言葉です。
(2)「お口に合うか分かりませんが」
食べ物を贈る際に謙遜の意を表すには、「お口に合うか分かりませんが」も使えます。
「お口に合うか分かりませんが」を使う際は、よく「よろしければお召し上がりください」や「ご笑味ください」もセットで用いられるので、併せて覚えておきましょう。
(3)「つまらないものですが」
取引先や上司など目上の人に物を贈る際には、「つまらないものですが」も使えます。
本当につまらないものを贈るわけではなく、相手に負担を感じさせないための配慮として使われる表現です。
しかし、最近では「そこまで謙遜する必要はない」という価値観が広まってきており、「つまらないものですが」は時代にそぐわないという見方も。使う相手や場面には注意しましょう。
「ほんの気持ちですが」は贈り物を渡す時に使える言葉
「ほんの気持ちですが」は、贈り物や金銭を渡す際に使われる言葉です。
「ささやかな品ですが」というニュアンスがあり、「どうぞ遠慮せずに受け取ってください」という相手への配慮を伝えられます。
「ほんの気持ちですが」は社内でお土産を配る際や取引先にお礼の品を渡す際など、ビジネスシーンでも活用する機会が多いフレーズ。この機会に、ぜひ正しい使い方を理解しておきましょう。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年07月20日に公開されたものです