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「お邪魔させていただきます」は正しい敬語? 言い換え表現も紹介

にほんご倶楽部

「お邪魔させていただきます」はビジネスでよく使われる敬語表現の1つ。だからこそ、使い方に迷ったことがある人は少なくないでしょう。本記事では、「お邪魔させていただきます」の使い方や例文、言い換え表現などを解説します。

「お邪魔させていただきます」は、取引先の会社を訪問する時などに使えます。よく使う表現ですが、正しい敬語なのでしょうか。

本記事では、「お邪魔させていただきます」が敬語として正しいのか解説。また、使い方や言い換え表現を紹介します。

「お邪魔させていただきます」の意味

まずは「お邪魔させていただきます」の意味を確認しましょう。「邪魔」を辞書で引くと、以下のように記載されています。

じゃ‐ま【邪魔】
[名・形動](スル)
1 妨げること。また、妨げとなるものや、そのさま。「—な物をかたづける」「勉強を—する」
2 (「お邪魔する」の形で)訪問すること。「今晩お—してよろしいでしょうか」
3 仏語。仏道修行の妨げをする悪魔。

(『デジタル大辞泉』小学館)

辞書にある通り、「邪魔」は「お邪魔する」の形で訪問することを意味します。「お邪魔させてもらう」なら「訪問させてもらう」となります。

その「お邪魔させてもらう」を丁寧に表現したのが「お邪魔させていただきます」なのです。

「お邪魔させていただきます」は敬語として正しい?

「お邪魔させていただきます」が正しい敬語表現なのか気になったことがある人はいるでしょう。ここでは、2つの観点から「お邪魔させていただきます」が正しい敬語なのか検証します。

(1)「お邪魔させていただきます」は二重敬語?

まず気になるのは、「お邪魔させていただきます」が二重敬語かどうかでしょう。

二重敬語とは、「謙譲語+謙譲語」「尊敬語+尊敬語」のように同じ種類の敬語を重ねて使った表現で、文法的には誤りとされます。

では、「お邪魔させていただきます」はどうでしょうか。品詞分解すると以下のようになります。

謙譲の意を表す接頭語「お」+動詞「邪魔」+「させてもらう」の謙譲語「させていただく」+丁寧語「ます」

謙譲語が2つ含まれているので、二重敬語なのではと思った人はいるかもしれません。しかし、ここで気をつけたいのは謙譲語に以下の2種類があるということです。

謙譲語Ⅰ
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。

謙譲語Ⅱ
自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

この定義に当てはめると、「お邪魔させていただきます」の「お」は謙譲語Ⅰ、「させていただく」は謙譲語Ⅱとなり、それぞれ異なる敬語です。そのため、「お邪魔させていただきます」は二重敬語となりません。

(2)「させていただきます」を使うのは適切?

「させていただく」は「相手に許しを請うことによって、ある動作を遠慮しながら行う意を表す(出典:『デジタル大辞泉』小学館)」という意味。

相手の許可が要らないことにまで「させていただく」を使うのはへりくだりすぎて不適切とみなされる場合があります。

では、「お邪魔させていただきます」の「させていただきます」はどうでしょうか。

相手の家や会社を訪問する場合、通常は許可が必要です。そのため、「お邪魔させていただきます」と「させていただきます」を使って表現するのは適切と考えられます。

▶次のページでは、「お邪魔させていただきます」の使い方を例文つきで紹介します。

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