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「おみそれしました」の意味と使い方とは? 例文・言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

「おみそれしました」という言葉には2つの意味があると知っていましたか? 今回は「おみそれしました」の使い方や注意点、言い換え表現について例文を交えながら解説します。

「おみそれしました」とは、相手が意外な能力を持っていたことに気付いたとき、あるいは相手が誰だか分からなかったときに使う言葉です。

しかし「上司など目上の人に使っても良いのか」と不安になる人も多いのではないでしょうか。

この記事では「おみそれしました」の意味や使い方、言い換え表現などを解説します。ぜひビジネスシーンで使う時の参考にしてみてください。

「おみそれしました」とはどういう意味?

「おみそれしました」は、漢字では「お見逸れしました」や「御見逸れしました」と書きます。

では「おみそれしました」とはどういう意味なのでしょうか。

おみそれ【御見逸れ】
1.会っても気づかなかったり、だれであるか思い出せなかったりした時に言う語。
2.相手の能力・技量などをみそこなっていたことをわびる気持ちを表していう語。
(三省堂『大辞林 第四版』)

「おみそれ」には、「自分が知っているはず人と会っても気づかなかったり思い出せなかったりしたとき」や、「相手を低く見る、誤った評価をしていたことをわびるとき」に使う言葉です。いずれも相手に対して「気付かずに申し訳ない」というおわびの気持ちが込められています。

ビジネスシーンなどでは主に「相手の能力・技量などをみそこなっていたことをわびる気持ち」という意味のほうで用いられることが多いでしょう。

「おみそれしました」は上司や目上の人に対しても使える表現?

「おみそれしました」は、謙遜のニュアンスがこもった敬語表現なので、上司や取引先など目上の人にも使えます。

「相手に気づかなかった」「相手の能力を低く見ていた」という意味があることから、目上の人に使ってもいいのか不安になる人もいるでしょう。

しかし「おみそれしました」は、見逸れていたことに対して申し訳ないというおわびの気持ちを伝える言葉なので、目上の人に使っても問題はないでしょう。

ただ、相手との関係性やその場の雰囲気などで、こちらの意図に反して相手から悪く捉えられるかもしれない、という懸念がある場合には、他の言葉で表現する方が無難でしょう。

「おみそれしました」の使い方と例文

「おみそれしました」は、相手の存在に気付けなかった時や相手が誰だか分らなかった時、相手の能力に気付いていなかった時におわびの気持ちを込めて使用します。

では、実際にどのようなシーンで使用するのでしょうか。ここでは「おみそれしました」の使い方と例文について紹介します。

相手に気付かなかったときに使う場合

人と同じ場所にいても気付かなかった場合や、誰だか思い出せかった時に、「気付かずに申し訳なかった」という気持ちを込めて使います。

ストレートに「誰だが覚えていませんでした」と伝えてしまうと、相手の気分を害してしまう可能性があります。そんなときには「おみそれしました」の表現がおすすめです。

例文

・先日のセミナーにお越しいただいていたのですね。バタバタしており、ついおみそれいたしました。

・数年ぶりにお会いしたら雰囲気が変わっているので、すっかりおみそれいたしました。

相手の能力を過小評価していたことをわびるときに使う場合

自分が思っていた以上に相手の能力が高いことが分かったときに謝罪の気持ちを込めて「おみそれしました」を使います。

例文

・今月の売上達成率150%はすばらしい。おみそれしたよ。

・プレゼンテーションでの堂々としたお姿にはおみそれいたしました。

「おみそれしました」を使う際の注意点

「おみそれしました」はおわびの気持ちを込めた表現ですが、前述の通り、「誰だか気づかなかった」と「相手を過小評価していたことをわびる」という2つの意味があります。

そのため、相手に意味が伝わりにくいことがあるので、必要に応じて言葉を補足したり、言い換えたりするようにしましょう。

また、謙遜の気持ちが含まれる言葉なので基本的には目上の人にも使えますが、「私を過小評価していたのか」と悪い方向に受け止められてしまう可能性もあるので、状況に応じて他のフレーズで表現するなど、臨機応変に言葉を使い分けましょう。

「おみそれしました」と言われた時の返答はどうする?

ここまでは「おみそれしました」と使い方などについて説明してきました。では、自分が言われた時はどのように返せばよいのでしょうか?

褒め言葉への返答は「ありがとうございます」

能力や才能を評価されて「おみそれしました」と言われた場合は、素直に「ありがとうございます」と返しましょう。

上司から褒められた場合には「ありがとうございます」の後に「そうおっしゃっていただけると励みになります」や「そのようなお言葉をいただいて、恐縮です」などと付け加えると、より丁寧な表現になるので覚えておきましょう。

謝罪の言葉への返答は相手に配慮する

「おみそれしました」は、誰だか思い出せかった場合などに謝罪の言葉として使用されます。

そのため、謝罪の気持ちで言われた場合には「お気になさらないでください」と返答すると良いでしょう。相手の謝罪の意を汲み取り「気にしなくて良いですよ」という配慮をしたほうが、その場の雰囲気が悪くならずにすみます。

「おみそれしました」の言い換え表現

「おみそれしました」は2つの意味を持っているため、相手に意図が伝わりにくかったり、相手に過小評価していると思われたりして不愉快にさせる可能性があります。

相手に不愉快な思いをさせないためには、言い換え表現を覚えて、その場に適した表現をすることが大切です。

「感服しました」

相手の能力を認め褒めるときに「感服しました」と言い換えることができます。

「感服」とは「深く感じて敬服あるいは服従する」という意味です。相手の能力を高く認めた場合には「自分は到底かないません」というニュアンスが伝わる表現なので、目上の人に対しても使うことができます。

「侮っていました」

相手の能力や才能を低く評価していた場合の言い換え表現として「侮って(あなどって)いました」を使用することができます。

ただし「侮る」の意味は、「相手のことを軽く見てばかにする」という意味があるので、上司や取引先などには使わないようにしましょう。

「みくびっていました」

「みくびる」とは、「相手のことを、たいしたことがないと見下げる」という意味です。

相手の能力を低く評価していた場合に言い換えることができます。ただし「侮っていました」と同様に、上司や取引先には使用しない方が良いでしょう。使用する場合は、同僚や部下に対してだけにしましょう。

その他にはライバル会社の評価をするときの社内での会話などでも使用できます。

「おみそれしました」は2つの意味を持つ言葉

「おみそれしました」は、上司や取引先など目上の人に対しても使える表現です。

ただし「相手に気付かなかった」や「相手の能力や才能を過小評価していた」という2つの意味があるので注意が必要です。相手に「過小評価」していたと思われると、その後の関係にも支障をきたす可能性があるので、目上の人や関係の浅い人には使うときには他の言葉で表現したほうが無難かもしれません。

「おみそれしました」の意味を正しく理解し、また言われた場合の返し方も覚えてビジネスシーンで正しく使えるようにしておきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年06月08日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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