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【Ep.13-15】ガチ婚活の難しさ。好きだけじゃダメな恋と、暴走オヤジ

#あいの里考察

やまとなでし子

さまざまな経歴を持つ35歳以上の男女が、田舎の古民家で共同生活を送りながらパートナー探しに挑む「あいの里」。もう一度恋がしたい彼らに運命の出会いはあるのか、それとも一人で去ることになるのか。Netflixで2023年5月2日に配信スタートした直後から大きな反響を呼んでいる本作を、コラムニスト・やまとなでし子さんが考察します!

※このコラムはNetflixで配信中の「あいの里」エピソード1〜15までのネタバレを含んでいます。

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若い子に浮かれちまったおじさん

新たなメンバー、くびれトレーナーのトモちんが加入し、面白いほどのテンション爆上がりっぷりをみせる大家業・中さん。みな姉といい感じだったはずが、22歳年下の美女に浮かれまくり、「美人ですよね! やったーって感じ!」「相手のご希望に沿ったところに変われる男です! よろしくお願いします!」と激軽男ムーブをかましまくります。気持ちを軽々と直球で伝えながら、スタンスコロコロ変えれる感じ、中さん昔そこそこ遊んでたんだろうな〜という片鱗を感じます。

そんな浮かれポンチに対し、トモちんも根がギャルっぽい喋りと親しみやすい軽い返しで応酬するので、マジで絵面がキャバクラ。このままいったら高いボトル入れて、バッグとか貢ぎ始めるんじゃないか? という中さんの気持ちの上がりっぷりがもう見てておもろすぎます。よく言うと素直すぎる犬。悪く言うと「おい! じじい!!」って感じです。前回までイケオジだと思ってたのに……。

暴走オヤジと妄想おじさん

テンションぶち上がってる中さんは、トモちんの「付き合ったら長いし一途」という発言に「アピールされてしまいました」と、ただの一般的な雑談を自分に向けたものだと超絶好意的に解釈して恋心を育てていきます。

同じ妄想劇場でも、アンチョビは気持ちをひっそり持ち帰り、「そうに違いない」とスタッフに話し、一人静かに盛り上がっていくのですが、中さんはその場で思ったことをそのまま発言するので、「アピールされた」発言に対するトモちんのリアクションから「あ? 違った?」と多少察していたよう。アンチョビよりは大事故にはならないタイプっぽいですね。

上野の男と、六本木の女の化学反応

「付き合ったら何が起こるのか、シュミレーションしていこう!」と、トモちんの気持ちがどこにあるのか視聴者としてもわからぬまま、中さんはそのまま暴走していきます。トモちんの気持ちを育てる前に、中さんが確認したいことだけを一方的に聞いているように見えるのですが、この会話が価値観の違いを浮き彫りにしてくれるのです。

普段どこで食事するのかという話題では、トモちんは「昼は表参道で3〜4,000円のランチ。夜は六本木ヒルズ」中さんは「上野のあたり」と、一切交わることのない行動範囲。

表参道国では一般的な「ランチに4,000円かける文化」が上野国にはなく、国の文化が違いすぎたことから、中さんはお金という現実で頬をぶっ叩かれ一瞬で恋の魔法から冷めました。

グイグイぶっ込んだおかげで、相容れないお金の価値観の違いが早めにわかってよかった。上野なら表参道ランチの価格で、夜飲めるしね。前述でキャバクラ・トモちんにボトルやバッグ貢ぎそう、って書きましたけど、多分キャバいくタイプではないですね、これは。

面舵いっぱい! 六本木から同年代へ見事な方向転換

「恋じゃなくて人生最後のパートナーを見つけることだった!」と、本来の目的を思い出し、調子のいい? いや要領のいい中さんは、急遽みな姉に舵をきり直します。

それは「もう決めてる人がいるように見えてた」と、みな姉本人も突っ込むほどの見事な切替え。おかえり中さん。あなたの世界はここよ。

そこから2人は価値観のすり合わせを始めます。そこで見出した共通点が「普段何聞く?」「LE SSERAFIMとか」「俺も」とかではなく、60歳にもなると「スーパーの半額シール狙って買う」なのが、まじでリアリティすごい。

しかし、中さんお金稼いでそうなのに、使い方には結構シビアっぽいですね。究極に安い酒の飲み方として、立ち飲み屋に行かずにコンビニで買った酒を道端で飲むというライフハックを披露。路上でよくおじさんがワンカップ空けてる理由がここで公開されました。一つ謎が解けました。中さんありがとう。

突然のみな姉をめぐる三角関係勃発

お金の価値観をすり合わせた後、恋に一瞬ぐらついて目的を見失っていた中さんに、深く刺さりそうな言葉をみな姉は投げかけます。

「恋っていうのは冷める。パートナーとして、介護の時でも支え合いたいと思える人を探したい」みな姉と深い話をすることで、彼女であれば将来を想像しやすい、と中さんは我を取り戻しました。

しかし、中さんが心を決めた矢先、新メンバー、アニメプロデューサー・沼ぴぃ(41)が突如みな姉へ心惹かれ始め、突然の三角関係が勃発。みな姉は過去、かなり歳の離れた旦那さんに浮気されて離婚した経験もあることから、沼ぴぃの歳の差はどう影響してくるのかも気になります。これだから恋愛リアリティは面白い! 目が離せません!

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たあ坊の韓国文化の大きなハードル

不穏な空気が流れていたヨガインストラクター・ゆうこりんと、青年実業家・たあ坊。サプライズ好きなゆうこりんの誕生日のために、たあ坊は何やらコソコソ準備をしているよう。しかしそのせいで、ゆうこりんと関わる時間が減ってしまい、ゆうこりんの怒りを煽るという負のスパイラル。ゆうこりんのためにやっているのに、ゆうこりんとの関係がさらに悪化します。

そんな中、たあ坊とゆうこりんはお互い結婚するにあたり伝えておかなくてはならないことを打ち明けます。たあ坊は「韓国家系であるがゆえの避けられない文化の違い」。結婚するとなると、一族での韓国式の法事が年18回あり、30人以上の親戚をもてなすために、韓国まで出向き現地でしか買えない食材を購入し、20種類以上の特別メニューを作る。ゆうこりんは自分の仕事や生活もある中で、月1〜2回もこの大イベントがあり、準備やもてなしはもちろん、全くの異文化である料理や文化、マナーを1から学ばねばなりません。

ゆうこりんの家族の価値観

一方でゆうこりんは、幼い頃から片目の視力が弱く、自分を支えてくれた家族をとても大切にしており、家族の面倒は自分がみたいし、何かあったら自分の家族を優先したい、という強い気持ちがあります。

それぞれが理想の家族の形や価値観をしっかり持っているため、これを擦り合わせるにはお互いの譲歩と努力が必須になります。

好きだけでは結婚が難しい現実をひしひしと感じさせてくれる2人の関係と家族の形。2人のエピソードは20代男女全員に履修してほしいリアルが描かれていました。

そして、たあ坊の素敵すぎるサプライズと、さらけ出した2人の抱えるものを踏まえた「2人で新しい形の家族を作って行きたい」という、たあ坊の告白がとどめを刺し、2人は見事カップルに!

ここで話し合ったお互いの問題は簡単なものではなく、実際に関係を深めていくことで、また新たなハードルが生まれてくることでしょう。でもその度に2人だけの家族の形を作り出し、乗り越えながら絆を深めていってほしいですね。おめでとうございます。

安定の凪、アンチョビ

アンチョビは相変わらず妄想の中を生きており、誰一人として恋が生まれる気配がありません。このまま、あいの里の会計係兼料理担当として、全期間みんなの恋を見守った守神的な存在で終わるのでしょうか? あと3話! 巻き起こせアンチョビ!

(やまとなでし子)

※この記事は2023年06月08日に公開されたものです

やまとなでし子 (コラムニスト)

大和撫子とは対極にいるアラサーJK(女子会社員)。バチェラーを始めとした恋愛リアリティ番組、ドラマ、合コン、婚活、過去出会った世にも不思議な男性たちや日常についての備忘録をTwitterとブログで綴っている。インスタでは綺麗めファッションコーデを日々更新。

Twitter:@yamatonadeshi5
Instagram:yamatonadeshi5
ブログ:男性見聞録

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