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【File36】昆虫食を通して、恋愛的強者になったマーケターの場合

#私たちのしごとバッグ

ミクニシオリ

いつも輝くあの人は、仕事でどんなバッグを使っているんだろう? バッグとその中身は、仕事への姿勢や価値観を映す鏡。企業で働くマイナビウーマン世代の女性をインタビューし、彼女たちの仕事バッグをのぞく連載です。

取材・文:ミクニシオリ
撮影:稲垣佑季
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部

地球のこと、環境のこと……自分にも関係があることとは思いながらも、どこかピンと来ないという人も多いかもしれない。自分の人生を生きるのだって大変なこの時代、自分に何ができるのか。大きすぎる問題は、ちょっと端に置いておきたくなるその気持ち、分かる。

「実は私も、今の会社に入るまでは地球環境に貢献したいという思いは強くありませんでした」

そう語ってくれたのは、昆虫食ブランドを取り扱う株式会社ODD FUTUREでマーケターとして働くMUGIさん。WEBマーケティングを得意とする彼女は、OLとして働く傍ら、なんとコンプレックス解消系Youtuberとして発信活動も行っているという、面白い経歴の持ち主だ。

MUGIさん

大学在学中よりファッションメディアの運用に携わり、2019年4月に新卒社員としてSNSマーケティング会社に入社。2020年、同社子会社でD2Cスイーツブランドのブランド立ち上げメンバーとしてブランディング・商品開発・販促全般に貢献。

現在はインフルエンサーキャスティング・SNSアカウントコンサルティング・広告出稿やコンテンツ制作など複合的なSNSマーケティング戦略の企画・営業、ディレクション業務に従事している。

そんなMUGIさんのお仕事バッグは、『Teddy Blake New York』というニューヨークのブランドバッグ。落ち着いた色合いで、公私問わず使いやすそう。

「PCを入れることが多いので、サイズは大きめにしました。派手でかわいい色合いも好きだけど、仕事でも使うから落ち着いた大人の女性を演出したくて。TPOに合わせて、自分の印象を変えるのが好きなんです。休日はガーリーなお洋服を着ることもありますが、平日はOLのコスプレ気分を楽しんでいます」

普段持ち歩く荷物に対してちょっと大きめのバッグを持っておくと、いざという時に「荷物パンパン系女子」にならなくて済む。だから、MUGIさんの持ち物はいつもバッグの容量より少なめなんだとか。

●バッグの中身

1 agnes b.の名刺入れ
2 See By Chloéのお財布
3 ヘアクリップ
4 キーケース
5 折り畳み傘
6 ハンカチ
7 メガネ
8 クリケットプロテインバー チョコレート、抹茶
9 『2020年代の最重要マーケティングトピックを1冊にまとめてみた』(雨宮寛二・著/KADOKAWA)
10 メイクポーチ
11 Air Pods Pro、Air Pods
12 MacBook
13 社用スマートフォン、私用スマートフォン
14 ボールペン

学生時代からSNSが好きだったというMUGIさんは、インフルエンサーとしての発信活動を始めて6年ほど。体型や顔のコンプレックスをカバーするメイクやファッションの投稿をしているという彼女だけれど、お直しコスメの持ち歩きは最低限。

「メイクは大好きだし、コンプレックスを隠すメイクをしているので、持ち歩き始めるとキリがなくなっちゃうんです。だから、メイクは平日でも朝にしっかり時間を取って作り込み、リップ以外のお直しはしなくていいようにしています。逆に、清潔感を保つアイテムは多めに持ち歩いています。フィックスミストや香水を使って、ランチ後もイケてるOLコスプレを保っています

イケてるOLのコスプレ……そう言うと、なんだか平日の「自分じゃない自分」を楽しむことができるのかも。仕事用の服を買ったり、メイクをしたりするのが面倒だという人もいるけど、MUGIさんのようにコスプレ意識を持ってみると、土日とは違う自分を楽しめる。

ODD FUTUREでは、昆虫食プロテインバーの「INNOCECT」のマーケターとして働いているMUGIさん。マーケティングに興味を持ったのは、もともと心理学やトレンドに興味があったからなんだとか。

もともとSNSが好きで、みんながどんなコト・モノに興味を持つのかに興味があったので、マーケティングを仕事にしました。マーケティングの本って難しい内容のものも多くて、途中で投げ出しちゃうこともあるんですけど、この本は有名企業の成功事例がまとめてあるので、具体的で分かりやすいんです。本業ではもちろん、個人の発信でも参考にしています」

具体的な事例があればイメージしやすい。ビジネス本が苦手な人は、自分の業種に合った「事例集」を探してみるといいのかも。

「お腹が減った時は、自社のプロテインバーを食べることにしています。INNOCECTのクリケットプロテインバーは個包装になっているので持ち歩きやすいし、低糖質高タンパクなので万年ダイエッターの私にもピッタリ(笑)。

私もODD FUTUREにジョインするまでは、昆虫食のことも全く知りませんでした。でもクリケットプロテインバーはシンプルに味がおいしくて、お腹持ちがいいので、自分の生活にもスッと馴染んでしまいました。昆虫食やSDGsには詳しくないという人でも、気軽に食べられる人気商品です」

昆虫食はここ数年、持続可能な食物の選択肢として注目されている。飼育コストが低く高タンパクなコオロギフードは、着実に世界に浸透しつつある。地球環境に優しいのはもちろん、身体にいいダイエットフードとしても人気を集めているのだ。

「朝食にプロテインを摂るのは定番化しつつありますが、小腹が空いた時のおやつって、なかなか健康的なものに置き換えづらいですよね。粉のプロテインを社内に持ち込むのはちょっと大変なので、プロテインバーの方がお手軽です。

ビタミンやアミノ酸も含まれているので、ズボラな私でもおやつで罪悪感を持たずに済みます。パッケージもかわいいので、周囲にザ・ダイエッターと思われないのもありがたいポイントです」

たしかに、世の中にあるプロテインバーは明らかに「トレーニー向け」か「ダイエット向け」な雰囲気が出ている商品が多くて、コンビニで買うのが恥ずかしい時もある。これなら、友だちや彼氏の前で食べていても恥ずかしくなさそう。

「INNOCECTを知ってくださる人の中にも、昆虫食には興味が無かったという人も多いと思います。私自身がユーザーと同じ目線で商品を知っていけるからこそ、マーケターとしてINNOCECTに興味を持ちました。

サステナブルなものってなんとなくかっこいいけど、自分との関わりを感じづらい人もいると思います。私だって今も、INNOCECTの商品を選ぶのはパッケージがかわいいから。きっかけはそのくらいでもいいと思っています」

そう言われるとたしかに、INNOCECTのパッケージはコオロギフード感を全く主張してこない。

「動画発信をする時だって、最初に私を知ってくれる人が私に興味があるかは分かりません。顔に興味を持ったかもしれないし、体型に興味を持ったかもしれない。だからこそ、アイキャッチやパッケージなどの“最初の訴求”で、すべてを語る必要はないと思っています。ブランドのファンになってくれる人は、等身大を愛してくれる人だと思っています」

動画発信もODD FUTUREでの仕事も「楽しいから」続けられるというMUGIさん。忙しく日々の中でも、その気持ちを大切にしているそう。

SNS発信もブランドマーケティングも、嘘の無い発信を心がけています。必要以上に背伸びした発信をしていると、運用する私の心が荒んでいくんです。だから、自信を持って発信したいと思えるものしか、案件も受けないようにしています。

逆に好きという気持ちを大切にしているからこそ、どちらの仕事も半分趣味として楽しんでいます。好きなことをしているだけなので、土日に働くのも苦じゃないんです」

休日はYoutubeの動画編集に時間を充てることが多いそう。発信活動を通して、MUGIさん自身がポジティブに変化していっていることも、モチベーションになっているという。

「昔はかなりぽっちゃりしていて、ずっと体型に悩んでいました。それに、ちょっと八方美人なところがあって、周りからぶりっ子と言われることもありました。

周りによく見られたいと思ってしまう自分もいたけれど、どうやってユーザーに発信していくか考えるうちに、よく見られたいというプライドを捨ててみようと思ったんです。コンプレックスを隠さず発信するようになってからは、内面も明るくなって、生きやすくなりました」

外見を磨くようになって、女性の友人が増えたという変化もあったそう。背伸びして自分を良く見せようとしていた時よりも、人間的な魅力を感じてもらえることが多くなったのかも、とはにかむ。

SNSなどでの発信を初めてからは、今まで以上に新しいコト・モノを取り入れたいという気持ちも大きくなりました。だからこそ、知識の無かった昆虫食を生活に取り入れることも楽しめたし、新しいことにチャレンジするたびに、話の引き出しが増えていくのも感じます。

挑戦が私の視野を広げてくれて、新しく出会う人にも面白いと評価してもらえることが増えました。転職してからスマートに働く異性にモテるようになったのも、昆虫食のおかげかも」

知識や経験の多い人の話は面白いし、同じことを語れる人も少ない。だから新しいことにチャレンジする人は、男女問わず人にモテるようになるのかもしれない。

「最近はマッチングアプリの普及で恋愛疲れしている人が増えているという話も聞きます。でも、今までは理解できなかった新しいことにチャレンジしてみると、人間関係が一気に簡単に思えてくることもあります。

私は二つの仕事と視野の広がりを通して、人間関係の中で相手の良いところをよく見つけられるようになりました。きっかけは人それぞれでいいと思いますが、何かに興味を持ってみるのって、とてもすてきなこと。INNOCECTのクリケットプロテインバーも、視野を広げる新しい選択肢の一つになっていくといいなと思います」

※この記事は2023年05月29日に公開されたものです

ミクニシオリ

1992年生まれ。2017年にライター・編集として独立。芸能人やインフルエンサー、起業家など、主に女性に対するインタビューを多数執筆。恋バナと恋愛考察も得意ジャンル。ハッピーとラッキーがみんなに届きますように。

Twitter:https://twitter.com/oohrin

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