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「応相談」の意味とは? 要相談・別途相談との違いや使い方例文

にほんご倶楽部

上司から「応相談」と言われ、「要相談」との違いが分からず戸惑った経験があるという人もいるのでは? 今回は「応相談」の意味や使い方のほか、似た言葉である「要相談」「別途相談」との違い、類語・言い換え表現について例文付きで解説します。

「応相談」は、相談に応じられるという姿勢を表せる便利な言葉です。

主に求人募集やサービス案内などのビジネスシーンで使用され、日常会話ではほとんど使われないでしょう。そのため、正しい意味や使い方が分からずに困っている方も多いのでは?

この記事では、「応相談」の意味や使い方のほか、「要相談」「別途相談」との違い、類語表現について解説します。

「応相談」の意味とは?

「応相談」は「おうそうだん」と読み、「相談に応じられる」という意味です。

相談を受ける側が「問題解決のために(あなたの)意見に応じられます」という意思表示を表す言葉として、ビジネスシーンではしばしば使用されます。

例えば、求人募集で「希望と条件が合わない」という問題が発生したり、サービスの依頼で「サービス内容を変更したい」という要望があったりした際、「応相談」と記載することで、状況によっては意見や要望を聞くという姿勢を示すことが可能です。

「応相談」の使い方(例文付き)

「応相談」は、何か問題があれば相談を受け付けるという意味で使える表現です。具体的な使い方としては、求人募集やサービス案内などの文面が適切だといえます。

また、直前の文章の補足として「(応相談)」と、カッコに入れて使われることが多いです。

具体的な使用例文は、以下の通りです。

例文

・短期チラシ配布アルバイト募集(シフト応相談

・勤務時間:午前9時~午後6時(応相談)

・参加時は公共交通機関を使用のこと。自家用車使用の場合は応相談

・貸し切りのご予約は基本20名様から(応相談)

「応相談」を使う際の注意点

「応相談」は、相手の要望に応えられるという意味で使える表現です。しかし、使用する際は注意しないと、失礼になったり不自然に響いたりする可能性があります。

ここでは、「応相談」を使う際に注意すべきポイントを確認していきましょう。

目上の人には使わない

「応相談」は、相談に応じることを表しますが、そこに敬意のニュアンスは含まれていません。そのため、目上の人に使うことは失礼になるので控えましょう。

例えば、イベントの参加不参加を問う文書などでは、対象に目上の方々が含まれているかもしれないので注意が必要です。

伝える相手が上司や取引先など目上の人物である場合は、「応相談」と省略せず、「何かあればご相談ください」などと丁寧に伝えるようにしましょう。

個人的な手紙やメールでは使わない

「応相談」は文字数を節約するための略語的な表現です。そのため、手紙やメールなど、特定の相手に送る文章では使わない方が無難です。

アルバイト募集やサービス紹介などは、文字数に限りがあり、かつ伝える相手が不特定多数であるため、「応相談」と省略表記しても失礼には思われません。

その一方、手紙やメールは文字数に制限がないため、「応相談」と書いてしまうと、相手によっては手抜きをしている印象を与えてしまう可能性があります。

文章を書く際、伝える相手の顔が頭に浮かぶ場合は、「応相談」は使用しないようにしましょう。

「応相談」と「要相談」「別途相談」の違いとは?

ビジネスシーンでは、「応相談」と同じく、「要相談」や「別途相談」という言葉を見聞きすることも多いでしょう。

ここでは、それらの意味の違いを解説します。

「要相談」とは

「要相談(ようそうだん)」は、「相談する必要がある」という意味の言葉です。「応相談」と同じく求人募集やサービス案内で多用されますが、表すニュアンスが異なります。

「相談に応じられる」という意味を持つ「応相談」の場合は、相談すれば受け入れられる可能性が高いです。

しかし前述の通り、「要相談」は「相談する必要がある」という意味。つまり、相談したからといって必ずしも受け入れられるとは限りません。「あくまで例外的なので、事前に相互間で相談する必要がある」というニュアンスがあります。

例えば、求人募集欄に「完全週休二日制(曜日は要相談)」という項目があれば、「曜日は(募集者側と応募者側で)互いに相談をして決めましょう」というニュアンスが含まれています。

「別途相談」とは

「別途相談(べっとそうだん)」は、「提示しているのと別の事柄についての相談にも応じる」という意味です。

字数や紙面スペースの関係で、規定などの詳細をすべて書き切れない場合などによく使われます。例えば、求人募集欄で「服装自由(髪色は別途相談)」と書けば、具体的に何色であれば許されるのかを列挙せずに済みます。

また、「別途」には「別のやり方・別の方面」という意味があるため、「別に・別で」という意味合いで使われることも。そのため、「謝礼はスキルに応じて別途相談」というように、「別で相談しましょう」というニュアンスを込めて「別途相談」と用いる場合もあります。

「応相談」の類語・言い換え表現

最後に、「応相談」と意味の似た類語・言い換え表現を紹介します。

「相談可」

「相談可(そうだんか)」は、「相談できる」という意味で使われる省略表現です。

「応相談」とほとんど同じ意味ですが、より淡泊な印象に受け取られる可能性があるので、使用する際は注意が必要です。

また、「(相談可)」などと補足的に使うというより、「○○の相談可」と具体的な内容とあわせて使うのが一般的です。例えば、「費用の相談可」「日時の相談可」などと使われます。

「お気軽にご相談ください」

「応相談」は、すべて文面で文字数を省略する目的で使われる表現です。そのため、文字数制限のない文書や会話で相談を促す際は、「お気軽にご相談ください」などと、省略せずに文で伝えるとよいでしょう。

また、表すニュアンスを変える場合には、「ご相談いただければ幸いです」「別途ご相談ください」「ご相談をお受けすることも可能です」などと表現することもできます。

「応相談」は相談を受け付ける姿勢を示せる便利な言葉

「応相談」は、相談に応じられるという姿勢を表す言葉です。

省略表現の一種なので、会話や正式な手紙・メールなどでは使うのを避けた方が無難ですが、求人募集やサービス案内を書く際には、字数を省略できて非常に便利です。

今回紹介したことを参考に、場面に合わせて適切に相談に応じる姿勢を表現していきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年05月15日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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