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「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は正しい敬語? 意味や使い方・注意点を解説【例文あり】

にほんご倶楽部

ビジネスシーンで使われる「ご理解賜りますようお願い申し上げます」という言葉。ちゃんとした敬語なのか、意味は? 使い方は? と気になる人もいるでしょう。例文を交えながら解説します。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は、相手に理解を求める際に使われる言葉です。特にビジネスシーンでよく用いられる表現であるため、耳にしたことがある人も多いかもしれません。

ただし、取引先や顧客へ依頼をする際は、一方的な表現とならないように注意が必要です。

本記事では、「ご理解賜りますようお願い申し上げます」の使い方や注意点について、例文を用いながら解説していきます。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」の意味

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は、「こちらの事情を汲んで理解してほしい」と相手へ理解を求める際に用いる表現です。

例えば、納期や営業時間の変更など、ビジネスシーンでは自社の都合に理解を求めるケースがよくあります。

その際に、一方的にこちらの事情を押し付けてしまうと、相手の反発を招く可能性があるため「ご理解賜りますようお願い申し上げます」のように、丁寧な表現を用いて依頼をすることが大切です。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は正しい敬語?

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は、取引先や顧客といった目上の人に使える正しい敬語です。

「賜る」は「もらう」の謙譲語で、自分がへりくだることで相手の立場を尊重する役割があります。

その他に、「ご理解を賜りたく存じます」や「ご理解を賜りますようお願いいたします」といった使われ方もあります。

「ご理解いただけますよう」と「ご理解賜りますよう」の違い

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」と似たような言葉で、「ご理解いただけますようお願い申し上げます」という表現が使われることもあります。どちらも相手へ理解を求める際に使われる表現で、その意味に大きな違いはありません。

異なるのは「いただけますよう」と「賜りますよう」の部分ですが、より丁寧な印象を受けるのは謙譲語を用いた「賜りますよう」の方だといえます。

どちらの表現を使っても誤りではないものの、より丁寧な依頼をしたい場合は「ご理解賜りますようお願い申し上げます」を用いることがおすすめです。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」の使い方と例文

・台風の影響により、終日休業日とさせていただきます。ご理解賜りますようお願い申し上げます。

・現在多くの注文を頂いており、商品のお届けまでに1週間ほどの時間を頂戴しております。お急ぎのところご不便をおかけしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

・ご購入いただいた商品について、ご使用後の返品・交換はお受けしておりません。ご理解賜りますようお願い申し上げます。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は、相手へこちらの事情を説明して理解を求める際に使われます。

一方的なお願いとならないよう、「賜る」や「申し上げる」などの謙譲語を含んだ表現を用いることで、謙虚にお願いしている姿勢が伝えられます。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」を使う時の注意点

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」を使用する時にはいくつかの注意点があります。誤った使い方とならないよう、あらかじめ理解しておきましょう。

(1)クッション言葉を使うとより丁寧

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」だけでは、やや一方的な印象を与えてしまうかもしれません。より謙虚にお願いをする際はクッション言葉を使用することがおすすめです。

クッション言葉とは、伝えづらい言葉を和らげる効果があるもので、次のような例が挙げられます。

・お手数おかけしますが

・ご不便をおかけしますが

・ご多忙のところ恐れ入りますが

・大変申し訳ございませんが

「ご不便をおかけしますがご理解賜りますようお願い申し上げます」とクッション言葉を添えて依頼をすることで、より謙虚にお願いしている姿勢が伝えられます。

(2)同僚や後輩、部下には使わない

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は、「賜る」や「申し上げる」などの謙譲語を含んだ表現であるため、社内の同僚や後輩に対しては使いません。

近しい間柄の相手に使うと「よそよそしい言い方だな」と捉えられてしまうこともあるため、上司や取引先など目上の人に対して使う言葉であることを覚えておきましょう。

同僚や後輩に対して理解を求める場合は、「ご了承ください」や「ご理解願います」といったカジュアルな表現が適切です。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」の言い換え表現

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は、他の言葉にも言い換えができます。お願いをする内容や相手に応じて、適切な表現を使い分けましょう。

(1)「ご了承願います」

「ご了承願います」は簡潔な言い方となるため、ささいなお願いをする際や「ご理解賜りますようお願い申し上げます」では大げさだと感じられる場合に用いると良いでしょう

(2)「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」

「容赦」は「許す」や「大目に見る」という意味があり、「こちらの都合を許してほしい」とお願いをする際に使われる言葉です。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」と同様に、「申し上げる」という謙譲語を含んでいることから、目上の人に対して使用される表現です。

なお、「容赦」という言葉は、「ご容赦ください」や「ご容赦願います」といった使い方もできますが、一方的なお願いだと捉えられてしまう場合もあります。

相手へ丁寧に依頼をしたい場合は「ご容赦くださいますようお願い申し上げます」を用いることがおすすめです。

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は相手へ理解を求めるときに使える言葉

「ご理解賜りますようお願い申し上げます」は、相手へ理解を求める際に使われる言葉です。

「賜る」や「申し上げる」といった謙譲語を含んだ表現であることから、目上の人に対して使える表現でもあります。

ビジネスシーンにおいて、自社の都合を相手へ理解を求める際は謙虚にお願いをすることが大切です。一方的な言い方をすると、相手の不満を招いてしまう可能性もあるでしょう。

たとえ仕方のない理由であったとしても「ご理解賜りますようお願い申し上げます」といった丁寧なお願いの仕方を用いて、謙虚な姿勢を伝えることが大切です。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年04月07日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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