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「なお」の使い方とは? 例文や「また」との違い・言い換え表現

にほんご倶楽部

ビジネスシーンでもよく見聞きする「なお」という言葉。その使い方を正しく理解していますか? 今回は「なお」の意味や「また」との違い、使い方や言い換え表現などを例文付きで解説します。

「なお」という表現は、ビジネスにおいて複数の意味を持っています。よく耳にする言葉ですが、いまいち使いこなせていないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、「なお」の意味や使い方のほか、「また」との違いや言い換え表現についても紹介します。

「なお」の意味や「また」との違い

「なお」の意味はさまざまな種類があります。「なお」は大きく分けると、以前からの状態が現在も続いていることと、以前よりも進んでいる、そして物事に何かしら付け加えるという意味があります。

なお〔なほ〕【▽猶/▽尚】
1 以前の状態がそのまま続いているさま。相変わらず。やはり。まだ。「今も―健在だ」「昼―暗い」
2 状態や程度がいちだんと進むさま。さらに。もっと。いっそう。「君が来てくれれば―都合がいい」「会えば別れが―つらい」
3 現にある物事に付け加えるべきものがあるさま。「―検討の余地がある」「―10日の猶予がほしい」
4 (あとに「ごとし」を伴って)ちょうど。あたかも。「過ぎたるは―及ばざるがごとし」
[接]ある話の終わったあとで、さらに別のことを言い添えるのに用いる語。「―詳しくは後便にて申し上げます」
出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

このように「なお」という言葉にはさまざまな意味がありますが、ビジネスシーンでは「さらに」や「もっと」という意味合いで使われることが多いでしょう。

また、目上の人に使う場合でも「なお」の言葉は特に失礼にはあたりません。

「なお」と「また」の違いは?

「なお」とよく似た表現として「また」という表現があります。どちらも前の文章をつなげる接続詞ですが、その役割には違いがあります。

「なお」は、1つの事柄にさらに付け加えたいことがある時や、現状から変化した事柄について説明したい時に用います。

「また」は、全く別の事柄を続けて話す時や、話題を変えたい時に使う接続詞となります。

つまり、前の話題と関連する情報であれば「なお」を、関連がない情報であれば「また」を使います。よく似ていますが「なお」と「また」の使い方について勘違いしないよう注意しましょう。

「なお」の使い方と例文

「なお」は、主にビジネスメールやスピーチにおいて丁寧な言葉遣いをする時に使われます。

使用シーンとしては、例えば、これまで説明してきた事柄に対して何か注意事項などを補足する際などに使います。

ここでは「なお」の使い方を例文とともに紹介します。

例文

・本日のミーティングは以上で終了です。なお、次回のミーティングについては後日アナウンスします。

これは現状の情報に対して、何らかの変化が加わる場合の「なお」の使い方です。

いったん相手に断りを入れるイメージで、覚えておいてほしい補足情報を紹介する時に使えます。

・来月の目標は今月よりもなお、売上を上げていけるように努力いたします。

「さらに」というニュアンスで、現状よりもさらに良い方向に変化していく様子を表現する時にも用いることができます。

「なお」の言い換え表現

「なお」では堅苦しくなってしまう時や、別の表現の方が相手に対して適切な文章になることもあります。

複数の言い換え表現をしっておいて損はないので、ここでは「なお」と同じ意味を持つ言い換え表現を押さえておきましょう。

「さらに」

「さらに」は「なお」と同様に、新しい情報を上乗せする時の表現として使います。

他にも、「先日の資料を拝見しました。さらに追加情報などはありますか?」など、情報を加える場合や進展を確認する際にも「さらに」という表現を使うことができます。

「しかも」

「しかも」は「なお」と同様に、現状に新しい情報を上乗せすると同時に、その追加情報を強調したい場合の表現です。

例えば、「料金は500円です。しかもキャンペーン期間中は抽選に当たれば無料になります」など、補足情報が相手にとって重要になる場合は、「しかも」という表現を使用すると目立たせたい情報をよりクローズアップすることができます。

「ただし」

「ただし」は現状の情報に対して、否定したい部分がある時に使う表現です。

「なお」は肯定的な追加情報でも使うため、どちらかと言えば否定的な文章の時は「ただし」を使うと相手に注意を促しやすいです。

例えば、「弊社の窓口は3階となります。ただし、19時以降は4階にお越しくださいませ」など、注意してほしい否定的な変化について説明する場合に使います。

「なお」は情報を付け足したい時に使える言葉

「なお」は相手に対して、情報を追加したい時や否定したい時、現状よりもさらに変化している時などに使う言葉です。

特に施設での案内や、ビジネスメールでの説明などに使うことが多く、ビジネスシーンではぜひ押さえておきたい言葉です。

使い方もさまざまありますが、状況によって使い分けられると社会人らしいスマートなやりとりができます。ぜひ「なお」の使い方を覚えて、ビジネスシーンで活用していきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年04月07日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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