「お願いしたい」の敬語とは? ビジネスで使う丁寧な表現を紹介
ビジネスシーンでは、相手に何かをお願いしたい場面がよくありますよね。では「お願いしたい」を敬語にする時、どんな表現を使うと丁寧なのでしょうか。この記事では、「お願いしたい」の敬語表現と類語を紹介します。
ビジネスシーンで相手に何か頼み事をする場面では「お願いしたいです」という言い回しをすることがあります。
しかし、「お願いしたい」というフレーズは、敬語として使えるのか、失礼に当たらないか分かりづらい部分があります。
この記事では、「お願いしたい」という表現は敬語として使えるのか、その他に丁寧な表現はないのか解説していきます。
「お願いしたい」は敬語として使える?
まず「お願い」という言葉の意味を確認していきましょう。
お願い
依頼や、希望や、要望のことを幅広く表す言葉。御願い。お‐ねがい〔‐ねがひ〕【▽御願い】
「願い1」の謙譲語・美化語。 [補説] 「折り入ってお願いがあります」は謙譲語、
「ずいぶん都合の良いお願いだね」は美化語。出典:『実用日本語表現辞典』
「お願い」という言葉には依頼や要望という意味がありますが、「したい」は敬語ではありません。そのため、ビジネスシーンにおいて「お願いしたい」だけでは、上司や取引先の人へ使うには不適切となります。
仲の良い同僚や家族に対してはそのまま使えますが、ビジネスで利用する場合には別の敬語表現に置き換えて使用することをおすすめします。
「お願いしたい」の丁寧な表現とは?
「お願いしたい」という表現は、ストレートに相手に何かを依頼したい、やってほしいといった頼み事を伝える場面で使います。ビジネスシーンにおいて、相手に何かお願いをする時は、謙虚な気持ちで伝えることが大切です。
また、言い回しにも注意が必要で、相手が気分を悪くしないようにできるだけへりくだった丁寧な表現を心がけましょう。「お願いしたい」の前後に加える文章によって、丁寧な表現に変えることもできます。
「お願いしたい」というフレーズを使う時は、次のように丁寧な表現を意識してみてください。
「お願いしたく存じます」
「お願いしたいです」を丁寧な表現にすると、「お願いしたく存じます」となります。「存じる」とは、目上の相手の心中を察し、推し量るという意味の表現です。
「思います」を謙譲語にした「存じます」という言葉なら、適切な敬語として目上の人に使って問題ありません。「お願いしたいです」よりもスマートな印象を与えますね。
例文
・「お手数をおかけして恐縮ですが、ご確認をお願いしたく存じます」
・「お忙しいところ恐れ入りますが、○日までにご対応をお願いしたく存じます」

「存じます」の正しい意味と使い方を例文付きで解説。併せて、言い換え表現や注意点をご紹介します。
(2)「お願いできますと幸いです」
「お願いできますと幸いです」は、「相手がそうしてくれたらありがたい」という意味を持った表現です。何かをしてほしいという気持ちをストレートに言いづらい目上の人に対して、やんわりと希望を伝えられる言葉です。
特に相手にこうしてほしいという要望を出す時に使うため、ビジネスフレーズとして覚えておきましょう。
例文
・「お手数ではございますが、ご来社の前にご連絡をお願いできますと幸いです」
・「お手すきの際に資料のチェックをお願いできますと幸いです」

「していただけると幸いです」の意味と正しい使い方を例文と共に解説。併せて、使用時の注意点や言い換え表現を紹介します。
(3)「お願い申し上げます」
「お願い申し上げます」は「お願いしたい」に「申す」の謙譲語と丁寧語である「ます」を組み合わせた言葉です。つまり、直訳すると「お願いを言います」になり、それを丁寧かつやわらかい言い回しとして使えます。
「お願いいたします」だとやや強い表現になってしまいそうな時に、「申し上げます」と言い換えることで、相手よりもへりくだりつつ要望を伝えられます。
例文
・「ご多用中のところ恐れ入りますが、○日までのご対応をお願い申し上げます」
・「ご不便をおかけいたしますが、何卒ご容赦を賜りますようお願い申し上げます」

語彙解説に詳しいライターの律さんに、「お願い申し上げます」の意味や使い方、注意点を解説してもらいます。
▶次のページでは「お願いしたい」の類語を紹介します。