お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「拝見させていただきます」は二重敬語! 正しい使い方をチェック

にほんご倶楽部

「拝見」を使う時の注意点

「拝見」は自らをへりくだって表現する謙譲語です。そのため、目上の人を主語にする場合は使えません。

例えば、「どうぞ部長も拝見してください」といった表現は誤りです。

目上の人を主語にする場合は、尊敬語の「ご覧になる」が適切です。先ほど挙げた例では「どうぞ部長もご覧になってください」となります。

「拝見」の類語・言い換え表現

では、「拝見」にはどのような言い換え表現があるのでしょうか

(1)「拝読(はいどく)」

「拝読」は、書き手への敬意を表す謙譲語です。目上の人からのメールや手紙を「確かに読みましたよ」と伝えたい時に使われます。

また、相手が書いた本や記事を読んだ時にも使えます。「拝読しました」という報告と共に感想を添えると、より好印象でしょう。

例文

・「○○さまより頂戴したお手紙、拝読しました

・「先日、社長のご著書を拝読しました。とても身の引き締まる気持ちになりました」

(2)「拝受(はいじゅ)」

「拝受」は受け取ることをへりくだっていう謙譲語です。

メールや手紙、資料などを受け取り、「まだ中身の確認ができていないけど、受け取ったことだけ報告したい」という場合に「拝受しました」を使うと良いでしょう。

例文

・「メールを拝受しました。お問い合わせの件につきましては追ってご連絡差し上げます」

・「速達にてお送りいただいた資料、確かに拝受しました

(3)「拝謁(はいえつ)」

「拝謁」は、身分の高い人に会うことをへりくだっていう言葉です。

ビジネスシーンで使うとへりくだりすぎて不自然な印象を与える可能性が高いため、あまり使わない方が良いでしょう。

例文

・「彼は天皇への拝謁を賜った」

・「彼女はその国の君主に拝謁した」

「拝見させていただきます」の使用には要注意

「拝見させていただきます」はビジネスシーンでよく見かける言葉ですが、実は二重敬語であることが分かりました。

よく使われる表現なので一般的に容認されている節はあるかもしれませんが、正しい表現である「拝見します」を使った方が無難でしょう。

また、状況によって「拝読」「拝受」などの言い換え表現も使い、ビジネスコミュニケーションに生かしてみてください。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年01月26日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

この著者の記事一覧 

SHARE