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#3 生理前の憂うつな気持ちとの向き合い方

#ブルーデイのご機嫌メソッド

杉浦莉起 フェムテックブランドThe LADY.代表

毎月やってくる憂うつな日。平均して1カ月に7日、1年で約2.7カ月をしめるこのブルーな期間を少しでも心地よく過ごしたい。連載「ブルーデイのご機嫌メソッド」では、フェムテックブランド・The LADY.代表の杉浦リタさんに生理前後の期間を少しでも快適に過ごすための心構えを教えてもらいます。

気分が落ち込んだり、イライラしたり、気持ちが揺れると心も体もしんどいですよね。生理期間はもちろん、生理前から不調を感じている方は、毎月ほとんどの日をしんどい気持ちで過ごしているかもしれません。私も同じように悩んできたので、よく分かります。

これをPMS(月経前症候群)と呼び、生理が始まる310日くらい前に、イライラや気持ちの落ち込み、肌荒れ・むくみ・食欲や睡眠の変化など、精神的にも身体的にもさまざまな不調が起こる症状のことを指します。

今回は、そんな生理前にしんどい思いをしている女性たちが少しでも上機嫌で過ごすための、すぐに試せるセルフケア3選をご紹介します。

1、食事を意識してハッピーホルモンアップ!

生理前に体の不調が強く表れるタイプの人は、セロトニン不足かも? セロトニンとは、ノルアドレナリン、ドーパミンと並ぶ三大神経伝達物質の1つで、安心感や幸福感をもたらすため「幸せホルモン」と呼ばれています。

女性のセロトニン産生量は男性の半分とされており、食事などで意識的に摂取することで、ハッピーホルモンアップを目指しましょう。

摂りたい栄養は、 トリプトファン+ビタミンB6+炭水化物。トリプトファンは、脳内でセロトニンをつくる材料となりますが、食事からしか摂れません。そして、その脳内での合成をサポートするのに B6と炭水化物が欠かせないのです。なので、PMS症状が強く表れるタイプの人は、炭水化物を抜いたダイエットはNG

おすすめの食材は、大豆食品やナッツ、ささみや豚肉、ご飯類。これらをうまく組み合わせて摂取しましょう。間食には、ナッツがおすすめです。どうしても甘いものが食べたくてコントロールできないときは、高カカオのチョコレートを1粒。カカオに含まれるポリフェノールは、ストレスホルモンの分泌を抑えるといわれているため、イライラや気持ちのゆらぎを落ち着かせてくれます。

2、今すぐなんとかしたい時には「アロマオイルと深呼吸」

精油を用いた補完治療法として知られている「アロマテラピー」は、“香り”を嗅ぐだけで不安定な気持ちを落ち着かせる効果があります。人間の鼻には、350ものそれぞれ嗅覚の受容体があり、ニオイを嗅ぎ分け、そのシグナルを脳に伝えています。

精油の香りが鼻から吸い込まれると、ダイレクトに大脳辺縁系へ伝わり、電気信号が自律神経の中枢「視床下部」や、ホルモン分泌にかかわる「下垂体」に働きかけます。アロマテラピーが素早く気分を改善する理由は、ここにあります。

日本の女子学生17人(平均20.6歳)を対象にした実験でも、 アロマセラピーが心を落ち着かせ、 PMSによる精神症状をやわらげたと実証されています。(※1)

暮らしに取り入れやすくおすすめなのが、持ち運びできるロールオンやスプレータイプの精油ブレンド。気分を上げてくれるオレンジやスペアミントなどのブレンド精油を、デコルテなどに塗りながら深呼吸をすると、胸が開き気分がすっきりとし、穏やかな気持ちになれますよ。

ロールオンタイプの場合は、首の裏をコロコロとマッサージするように塗るのもおすすめ。持ち運びできるアロマオイルは、1つ持っていると、すぐに気分を落ち着かせたいという時にも簡単に塗布でき、お助け&お守りアイテムとしてポーチにいれるだけで安心できるのではないでしょうか。

※1 Biopsychosoc Med; 7: 12, 2013

3、寝る前は「入浴や音楽」で自律神経を整えて

PMS症状は、睡眠にも影響するため、寝つきが悪かったり、眠りが浅くなったりと、眠りの不調を感じる方も多いと思います。安眠できないことがストレスになり、そのせいでうまく眠れないという負のループに陥ることも。眠りの質をあげるためには、寝る前にリラックスタイムを持つことが大切です。

なかでも重要なのが、入浴方法。お風呂はシャワーで済ますのではなく、湯船に浸かりましょう。その際、熱いお湯で半身浴してしまうと、交感神経を高めて、興奮しやすくなり、ますます眠れなくなってしまうことがあるので注意が必要です。

3840℃以下のぬるめの湯に15分程度、胸まで浸かるのがおすすめです。そうすることで、副交感神経が優位になり、血流がアップ。お風呂に浸かり温まった体は、体温が下がっていく過程で(90分程度)、スムーズに眠れるようになります。

ベッドに入ったら、何も考えないのもポイント。どうしても、いろいろと頭に浮かんでしまう方は、ラベンダーなど気分が落ち着くアロマオイルを塗布したり、眠りやすい音楽をかけるのがおすすめです。

自分に合うリラックス方法を探してみて

今回は、生理前のリラックスできない心の状態を少しでも和らげる方法を紹介しました。ここで紹介した3つは一部にすぎません。ここで紹介したものはもちろんですが、自分がストレスなく挑戦できるリラックス方法をぜひ探してみてくださいね!

(文:杉浦莉起、イラスト:ヤマサキ ミノリ)

この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています

※この記事は2023年01月13日に公開されたものです

杉浦莉起 フェムテックブランドThe LADY.代表

「女性の幸せな活躍の応援」をミッションに、P&GでSK-Ⅱやパンパースなどのブランド育成を経て、女性の管理職育成/ダイバーシティの企業研修・講演を行いながら、その課題解決として女性ホルモン変化世代の不調を支えるフェムテックブランド「The LADY.」」を立ち上げた、女性のキャリア支援と女性の健康支援の両方を専門的に行う女性活躍の支援家。

メノポーズカウンセラー、女性ホルモンバランスプランナー、リンパセラピスト、アロマテラピスト、メディカルハーブセラピスト

著書:『いつでも最良を選べる人になる』(ディスカバー21)、『1年で成果を出す P&G式10の習慣』(祥伝社)、『がんばりが評価される女性の仕事術』(クロスメディア・パブリッシング)、『電撃結婚ノススメ』(マガジンハウス)ほか

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