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#2 新旧フェムケアグッズのメリット・デメリット

#ブルーデイのご機嫌メソッド

杉浦莉起 フェムテックブランドThe LADY.代表

毎月やってくる憂うつな日。平均して1カ月に7日、1年で約2.7カ月をしめるこのブルーな期間を少しでも心地よく過ごしたい。連載「ブルーデイのご機嫌メソッド」では、フェムテックブランド・The LADY.代表の杉浦リタさんに生理前後の期間を少しでも快適に過ごすための心構えを教えてもらいます。

毎月やってくる生理。生理中は生理痛の悩みに加え、ナプキン取替えのタイミングやショーツの汚れが心配でソワソワしたり、デリケートゾーンの肌当たりの不快感や漏れそうな不安、さらにはナプキンが切れないように買い足す大変さや、購入にかかる費用など、心身ともに負担がいっぱいなのが生理週間です。

なんと女性が一生で経験する月経の回数は、約450回。12歳で初潮を迎え50歳で閉経すると仮定すると、50歳-12歳=38年間。毎月月経がある場合、38年×12ヶ月(回)=456回もやってきます。妊娠・出産期は月経がないため、約1年半(18回)の無月経期間があるとしても、2人産んだ人でも420回の月経を経験することになります。

そんな450回もやってくる憂うつな期間を、出来るだけ快適に過ごしたい女性たちの味方になってくれるのが、最近話題のフェムケアグッズです。

フェムケアグッズってどんなもの?

フェムケアとは、「Feminine(女性の)」と「ケア(Care)」をかけあわせた用語で、女性の体や健康のケアをする製品やサービスのことを指します。

現在、フェムケアの流れは、「使い捨てから繰り返し使えるものへ」「ケミカルな素材からナチュラルな素材へ」「汚物処理商品から快適に過ごすケア用品へ」進化しています。

そんな女性にも環境にもやさしいフェムケアアイテムとは一体どんなものがあるのでしょうか? 今回は「生理」という観点で、ポピュラーな生理用品から新しいグッズまで、どう快適に過ごせるのかをポイントに分けて見ていきましょう。

アイテムごとの快適ポイントを解説

紙ナプキン

紙ナプキン」は一般的な生理用品のひとつ。一番のメリットは、どこでも買えることです。ドラッグストアはもちろん、コンビニやスーパーでも売っているので、いざという時に入手できる利便性と安心感があります。また、誰もが使い慣れている商品なので、新しい素材や形が出ても、取り入れやすいですよね。

一方、従来のナプキンは、ポリエステルなどのケミカルな素材でつくられているものが多いので、ムレやかぶれをしやすいと悩む方もいます。それが原因で、デリケートゾーンのかゆみや乾燥などのトラブルにも。最近では、オーガニックコットン素材の商品も出ており、「ケミカルな素材が肌に接しているよりもずっと気分がいい!」という方にも選択肢が広がっています。

快適ポイント

どこでも簡単に入手できる/種類が豊富/オーガニックコットンなど天然素材の選択肢もあり

(使いやすさ◎、繰り返し×、蒸れやかぶれない△)

布ナプキン

紙ナプキンと同様に、慣れ親しんだ方法で使用できます。使い捨てでなく繰り返し使える、エコとコスパの良さも魅力です。布なので肌触りがやさしく、VIO脱毛で紙ナプキンでは肌当たりが気になるような人にも使いやすいですね。

一方で、外出時に取り換えたときに汚れたものを持ち帰ること、洗濯をする手間があるのが懸念点です。

快適ポイント

繰り返し使える/肌当たりがやさしい

(使いやすさ◎、繰り返し◎、蒸れやかぶれない〇)

 

タンポン

タンポン」も従来の生理用ナプキンと同様、コンビニなどでも買える利便性があります。さらに、膣内に挿入するため、デリケートゾーンの蒸れやかぶれの心配が少ない、装着中は違和感がない、経血が膣からでる不快感が軽減される、プールや運動のときに使える……などのメリットがあります。

一方で、プラスチックゴミが出ることや、正しい使い方がわからない、膣内に入れるのは怖いなど、誰でも使いやすいものではないかもしれません。

快適ポイント

どこでも簡単に入手できる/蒸れやかぶれの心配が少ない/装着中は違和感がない/経血が膣からでる不快感が軽減される

(使いやすさ△、繰り返し×、蒸れやかぶれない◎)

月経カップ

月経カップ」はタンポンと同様、膣内にシリコンカップを挿入して使用する、新しい生理用グッズです。経血をカップで受け止め、溜まった経血はトイレに流し、カップを洗ってまた装着します。

デリケートゾーンの蒸れやかぶれの心配が少ない、繰り返し使えるのでゴミが出ない、経血量が把握できるなどのメリットがある一方、生理が終わったら煮沸や電子レンジなどで消毒が必要な面倒臭さと、スムーズな装着や取り外しができるまで慣れが必要という難しさもあります。

個人的には、挿入に工夫がいること(結構大きい)、取り出すときに手が汚れること、何より消毒の面倒臭さを考えると、かなりサステナブルな意識が高い人向けかなと思います。

快適ポイント

蒸れやかぶれの心配が少ない/繰り返し使えるのでゴミが出ない/経血量が把握できる/長時間使用できるので取替えの面倒がない/装着中は違和感がない

(使いやすさ△、繰り返し◎、蒸れやかぶれない◎)

吸水ショーツ

個人的に、今一番おすすめしたい生理グッズは「吸水ショーツ」です。サニタリーショーツと違い、紙ナプキン不要で、クロッチ部分が水分を吸収してくれます。通常のショーツと同様に履くだけで、ナプキン2枚分、4枚分などの吸水・防臭・防水機能があります。

さらに、洋服にも響きにくく、肌当たりもやさしいため、紙ナプキンよりもムレの心配なく快適に過ごせることや、使い捨てでなく繰り返し使えるという点、吸水量が多いので取替えの面倒がなく身軽に過ごせます。ただし、使い捨てでない分、洗濯の手間があるのが懸念点。とはいえ、入浴時に洗面器などにお湯をつけて経血を洗い流し、そのあとは洗濯機で洗うだけなので、面倒臭がりさんでも手軽に取り入れやすいアイテムです。

生理中はもちろん、おりものが多いときにパンティライナーとして、尿もれが心配な時にも頼りになる、女性ホルモン変化世代の女性にぴったりの日常使いできるグッズです。

快適ポイント

通常のショーツと同様に使える/吸水量が多いので取替えの面倒がない/繰り返し使えるのでゴミが出ない/肌当たりがやさしい/グッズケアの面倒が少ない

(使いやすさ◎、繰り返し◎、蒸れやかぶれない〇)

自分に合ったものを使って快適に過ごして

今回、5つの生理用グッズの快適ポイントを紹介しました。

ちなみに、生理期間中に使うナプキンの量は、6日間で30個くらいとすると、月に5-600円として年間で6-7,000円の出費です。“サステナビリティ”のポイント、快適さのポイント、そしてお財布へのやさしさを考えると、生理グッズも新しいものを取り入れてみるのも一つの手ではないでしょうか?

中でも、筆者のおすすめは「吸水ショーツ」。日常のブルーデイを快適にしてくれるのはもちろん、災害時などのトイレに行くことも生理用品の入手も困難な時も、頼れるグッズとして「一家に数枚」揃えておくのがおすすめです。

自分に合うものを取り入れて、心も体もごきげんに過ごしてくださいね。

(文:杉浦莉起、イラスト:ヤマサキ ミノリ)

※この記事は2022年12月23日に公開されたものです

杉浦莉起 フェムテックブランドThe LADY.代表

「女性の幸せな活躍の応援」をミッションに、P&GでSK-Ⅱやパンパースなどのブランド育成を経て、女性の管理職育成/ダイバーシティの企業研修・講演を行いながら、その課題解決として女性ホルモン変化世代の不調を支えるフェムテックブランド「The LADY.」」を立ち上げた、女性のキャリア支援と女性の健康支援の両方を専門的に行う女性活躍の支援家。

メノポーズカウンセラー、女性ホルモンバランスプランナー、リンパセラピスト、アロマテラピスト、メディカルハーブセラピスト

著書:『いつでも最良を選べる人になる』(ディスカバー21)、『1年で成果を出す P&G式10の習慣』(祥伝社)、『がんばりが評価される女性の仕事術』(クロスメディア・パブリッシング)、『電撃結婚ノススメ』(マガジンハウス)ほか

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