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【生理編】アラサー女子のリアルな悩みを産婦人科医に相談してみた

【特集】わたしのココロとカラダの話。

佐野倫代

人には相談しづらい体の悩み。生理やデリケートゾーン、セックスなど、友達には聞きづらい悩みを抱えた方も多いのではないでしょうか? 連載「アラサー女子のリアルな悩みを産婦人科医に相談してみた」では3回に分けて、アラサー女子が抱える等身大の悩みを産婦人科医の先生に相談。第1回目は「生理」について疑問をぶつけてみました。

毎月嫌でもやってくる生理期間。生理の重さや症状は人によって異なるため、女性同士でも悩みを相談しづらかったり、分かり合えなかったりすることもありますよね。

そんな「生理」についてのモヤモヤを抱えるアラサー女子のリアルな悩みを、産婦人科医の佐野倫代先生にぶつけてみました。

<気になる症状編>放っておいて大丈夫?

――生理の時にドロっとした血の塊が多い気がしています。その他気になる症状は特にありませんが、病気の可能性はあるのでしょうか? 

経血が固まって凝血塊を確認できるということは、月経量が多いと考えられます。月経過多の原因疾患には、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮内膜ポリープなど多くの原因となりうる疾患があります。ぜひ一度、専門クリニックで原因となる婦人科疾患がないかどうか診察を受けることをおすすめします。

――生理前になると便秘と肌荒れがひどくなり、それによってさらに気分が落ち込みます。なにか事前に出来る対策があれば教えてください。            

排卵後から月経までの期間に卵巣から分泌される黄体ホルモンの影響が考えられる症状です。気分の落ち込みはPMSPMDDと呼ばれるものだと思います。

低用量ピル服用で改善する可能性がありますが、ただし、抑うつ気分に関しては、低用量ピル服用で反対に助長される可能性もあるので、気分のコントロールに対しては、その期間のみ、抗うつ作用のある薬や漢方薬を服用するという方法もあります。

<つらい生理痛編>対策ってあるの?

――10代の頃から生理痛を鎮痛剤で抑えています。1日2回、量の多い2〜3日目に欠かさず飲んでいるのですが、毎回薬を飲むという対処法は体に影響はないのでしょうか?  他に良い対処法があれば教えてください。

現在の状況は、月経開始から最大で3日間、1日2錠、合計6錠ほどの鎮痛剤を服用されているということですね? 服用されている中で鎮痛剤の副作用とされる症状が現時点で認められず、痛みのコントロールができているのであれば何も心配はないと思います。

もし心配なようでしたら、低用量ピルを服用することで、月経痛をコントロールすることができ、それ以外の副効用も大きいので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

――生理痛がつらい月と大丈夫な月の差が激しいです。つらい月は生理痛がひどく、動けなくなってしまい、スケジュールに支障が出ます。なぜ月によって差があるのでしょうか?       

それは、人の体調はずっと同じ状態ではないので、変化や差は当然あります。月経痛に関して、病的な原因がなかったとしても、すぐに妊娠を望む状況でないのであれば、低用量ピルを服用することで月経痛の緩和、月経量の減少、月経周期が規則正しくなる、PMSの緩和、避妊など、多岐にわたりメリットがあります。もちろんスケジュールの支障も出にくくなるため、服用を検討してみてはいかがでしょうか?

<PMS編>年齢と共に変わる?

――年齢と共にPMSが重くなってきた気がします。年齢によって症状は変化するのでしょうか? また、ピルは服用しているのですが、イマイチ効果を発揮している気がしません。ピルの種類によって効果は変わるのでしょうか?

まずPMSの症状についてですが、年齢を重ねるうちに症状が変化することは考えられますね。人はずっと同じ状態、状況にはありません。年齢だけではなく、生活環境、食生活、社会活動、あらゆる要因で変化が生じると思います。

また、ピル服用で解決、改善する症状もありますが、万能薬ではありません。ピルの種類を変更してみるという事も試してみてもいいかもしれませんが、ひとまずは、ピル処方をしていただいている主治医にご相談いただき、漢方薬や対症療法なども含め、アドバイスをいただくことをご検討ください。

<低用量ピル編>飲み続けて大丈夫?

――ピルを飲み始めて5年が経ちます。定期的に検査を受けていて問題もないし、PMSや生理痛が緩和されるのでこれからもずっと飲みたいと思っていますが、長期間飲むことによるリスクはあるのでしょうか? 他の方法と併用したり、交互に使ったりした方が良いのでしょうか?

定期的な検査で異常がないのであれば、まず心配はないと思います。現時点で妊娠の希望がないのであれば、妊娠したいという状況になるまで、もしその希望がない場合は閉経まで服用を継続することは十分可能です。

服用したりしなかったりという方法はおすすめしません。なぜならば、ピル服用開始3カ月間がもっとも血栓症リスクが高い期間とされており、いったん中断されると服用再開時にまた同様に副作用のリスクを心配しなければなりません。

女性のQOLの改善、向上に非常に役立つ薬です。不安があれば、まずは主治医に相談し、ピル服用と同時にご自身のライフプランを考えてみましょう。

――生理痛が重く、現在はピルを服用することで対処していますが、将来妊活をすることになったらまた生理痛と付き合わなければいけないと思うと憂うつです。ピル以外の対処法って無いのでしょうか?

ピルを休薬してみなければ、その状況を正確に推測するのは困難ですが、おそらくは服用している時より月経痛が強いと感じる可能性が高いと思います。計画性をもって休薬して、妊活をしていきましょう。

痛みに対しては鎮痛剤服用にて対応することになると思います。月経中は妊娠の可能性がないため、鎮痛剤等の服用は問題ありません。

(監修:佐野倫代、イラスト:爽あゆみ)

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※この記事は2022年10月25日に公開されたものです

佐野倫代

産婦人科医。2018年「ベストボディ・ジャパン』クィーンクラス日本大会グランプリ。現在は、非常勤で産婦人科医として勤務する傍ら、ベストボディ・ジャパン公認講師としても活躍。

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