お目当てを決めずに入店したら危険! ハイブランド路面店デビューの心得
ハイブランドに興味はあるけれど、知識がない。そもそもハイブランドってどんなブランドのことを指して、どこでどうやって買うのがおすすめなのかもイマイチ分からない。そんな知識ゼロのアラサー編集部員が、ファッションスタイリスト・あきやあさみさんに「ハイブランドデビューの心得」を手取り足取り教えてもらう連載です。
来年30歳を迎えるマイナビウーマン編集部員のあっさんは、30歳の誕生日に自分へのプレゼントを買おうと画策中。
せっかくなら記念になるアイテムがいいな……ハイブランドとか。と思うものの、今まで興味を持ったことがなく、知識がない。
そんな状態で高額な商品を購入するなんてリスクが高すぎる。そう思ったあっさんは、ファッションスタイリストのあきやあさみさんに相談することにしました。
妄想クローゼットを元に街へ繰り出そう!
前回、あきやさんにつけていただいた「こだわり自然派セレクトショップオーナー」というコンセプトを元に、私なりに妄想クローゼットを作ってみたんですけど、どうでしょうか?
おお~良いですね! ふむふむ(妄想クローゼットを見ながら)。今日はあっさん作の妄想クローゼットを元に、実際にお店に繰り出してみましょうか!
大丈夫、大丈夫!!! 妄想クローゼットで欲しいものをまとめてみても、実際に身につけてみないと分からないものです。私についてきてください!
こうして街に繰り出した二人。あっさんがブランドデビューするにふさわしいアイテムは見つかるのでしょうか?
ここは銀座ですよね……? なぜ銀座なのですか?
銀座にはさまざまなブランドの路面店が数多く立ち並んでいます。今回、あっさんの路面店デビューということで、ぜひ色んなお店の空気を味わってほしいと思い、銀座を選びました!
なるほど! たしかに銀座というとブランドショップのイメージがあります。ついに私も路面店に入るのですね。緊張です……。
大丈夫、私がついています! まずはグッチの路面店へ行ってみましょう。
(店員さんに向けて)こんにちは。今日はお友達(あっさん)が30歳記念にバッグが欲しいということで一緒に探しているんですけど、ダイアナ(バッグの名称)を見せてもらっていいですか?
(わ、あきやさんありがとうございます。店員さんと話すの緊張するから助かる……。それにしてもいい香りのお店。香りからもブランドイメージが伝わってくる!)
早速あっさんの妄想クローゼットに入っていたお目当てのバッグを持ってみましょう! こちらです!
あっさんのその日のファッションを見て、店員さんが似合いそうなカラーのバッグを持ってきてくれました。ついに生まれて初めて、ハイブランド商品を手にすることに……。
か、かわいい……! ホームページの画像で見るよりもずっとかわいいです。最初は似合うか不安でしたが、持ってみると意外としっくりきますね。しかも、持ちやすい。
とっても似合ってますよ~! 持ち手のバンブーもそれぞれ個性が出ていていいですよね。やっぱり実際に持ってみると印象変わりませんか?
変わります! あきやさんがとにかく試着と言っていた意味が分かってきたような気がします。そういえば、バッグの他にローファーも気になっていたのですが……。
初めて店員さんに話しかけたあっさん。バッグを試着したことで少し緊張がほぐれたようです。そして、別フロアにあるファッションコーナーに案内され、希望サイズのローファーを待つことになったのですが、この待ち時間で驚きのサービスが! なんとお水とおしぼりをご用意いただいたのでした。
え、まだ買うと決まっていないのに、お水とおしぼりをいただけるのですか……(小声)?
そうなんです! ゆっくりリラックスして店内を見てもらえるように、お水とおしぼりなどのサービスがあることも。ハイブランドのお店ならではのサービスです。
あっさんにとって、このローファーは自分の理想のデザインと着心地のバランスがちょうどいいものなのでしょうね! せっかくだから試着した状態で、バッグとも合わせてみましょう!
すごくいい~~!!! 一気に雰囲気が変わりましたね。この2つはカジュアルなファッションにも合うので、あっさんのコンセプトである「こだわり自然派セレクトショップオーナー」にもぴったりだと思います。
ううう、かわいい……。まるで私じゃないみたいです。全部欲しくなってしまいますね。で、でもまだ一件目……もうちょっと色々回ってから決めたいです(小声)。
そうですよね。今日はとにかく試着する日。他のブランドのアイテムも試着してみましょう!
(店員さんに向けて)試着ありがとうございました! どれもとってもかわいくて迷っちゃいました……これからランチに行って真剣に考えてきますね! ありがとうございました。
(な、なるほど。“ランチに行って考える”と言えば波風立たない。店員さんもさすがプロ……終始にこやかだ。)ありがとうございました!
ふ~。初めての路面店はどうでしたか?
すごく緊張しましたが、店員さんもやさしいし、思ったよりも入りやすかったです。でも何が欲しいか決めてからいかないと、焦っちゃいそう……。
そうですね。大体どのお店でも初めに「本日は何をお探しでしょうか?」と聞かれます。そこで明確に答えられないとお店の方も困ってしまうんですよね。
店員さんはそのブランドのプロなので、お客様に満足してもらえる商品を提案したいと思っています。しかし、明確に「これを見たい」というものがないと、何を提案したら分からず、店員さんも困ってしまうのです。なので、路面店に行く時は、ある程度気になるアイテムを決めてから出向くと有意義な時間が過ごせますよ!
なるほど~勉強になります!
また一つ覚えたところで、次のお店いきますよ~!!!
も、もうですか!? 分かりました~!!!!
無事、路面店デビューをしたあっさん、その後、ルイ・ヴィトン、セリーヌ、ジル サンダー、ロエベなど7店舗を回り、バッグに洋服、アクセサリーなどジャンル問わず10アイテムほどを試着。慣れないハイブランドのお店に圧倒されるあっさん。それぞれに良さがあり、なかなか決められません。
あ、あきやさん……どのアイテムも試着してみるとすてきで、決められそうにありません。どれも欲しくなっています。
そうなるのも無理はないです! 以前もお話しましたが、しっくりくるアイテムと出会っても、その日に焦って購入せず、家に帰ってもう一度ゆっくり考えてから決定するとお買い物の失敗も防げます(第3回参照)。なので、今日は「絶対買う」と気負いせず、とにかくたくさん試着して、運命のアイテムを探すことに専念しましょう!
ささ、次行きましょ~!!!
気負いせず……そうですね! ついていきます、先生!
こうして路面店デビューを果たしたあっさん。ハイブランドの知識がゼロだったところから、ブランドの基礎知識や買い方を学び、実際に試着をするほどに成長できました。30歳の誕生日に向けてのあっさんの運命のアイテム探しはまだまだ続きます。あきやさんに教えてもらった知識を胸に、本当の意味でのハイブランドデビューの日を目指して、あっさんの自問自答の旅は続くのでした。
(監修:あきやあさみ、取材・文:あっさん、イラスト:MAKOTO)
『一年3セットの服で生きる』あきやあさみ著(幻冬舎)
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※この記事は2022年07月20日に公開されたものです