ワクワクしたい「ワクキャリ」。サッポロビール齋藤愛子さんの働き方
「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。
取材・文:ねむみえり
撮影:大嶋千尋
編集:杉田穂南/マイナビウーマン編集部
6年連続で缶商品の売上がアップしている「サッポロ生ビール黒ラベル」。ビール業界の大手、サッポロビールの代表的ブランドだ。
そんな「黒ラベル」の女性初のブランドマネージャーを務めているのが、今回取材した齋藤愛子さん。
”女性初”ということで、不安やプレッシャーもあるのではないかと思いながら齋藤さんのお話を伺っていたところ、見えてきたのは、ワクワクした気持ちに満ち溢れた齋藤さんの「黒ラベル」への愛でした。
人生の楽しい瞬間に携わりたいという強い思い
学生時代から、人を楽しませることがすごく好きなので、人生で楽しいなって思うような瞬間に携わる仕事をしていきたいと思っていました。
そんな中、大人の一番身近な楽しみを考えた時に、私にとってはお酒かなと思い、ビール会社を魅力的に感じるようになりました。
中でもサッポロビールを選んだのは、主力商品である黒ラベルが味もパッケージも一番好きだったからです。
また、気持ちさえあれば、若いうちから大きな仕事やらせてもらえると聞いていたので、そういう面でも自分が活躍できるイメージが湧いたというのもあります。
ビール会社って結構営業やってからマーケティングみたいな人が多いんですが、私は新卒からずっとマーケティング畑。入社して3年は、東海北陸のエリアで、ワインとか洋酒のマーケティングをやっていました。
その後に、本社に新しく立ち上がったデジタルマーケティング室に行きたいと手を挙げたら異動がかない、そこで2年ほどネットショップの立ち上げや、SNSの販促などをやっていました。
今の部署には入社6年目くらいで移り、かれこれ11年以上マーケティングに携わっています。
予想外の抜擢だった「黒ラベル」のブランドマネージャー
私達の一番のミッションは、中長期で黒ラベルをお客さんにとって魅力的で強いブランドにしていくために、どういう戦略を実行していくのかを考えることです。
テレビCMやキャンペーンなどは手段の一つで、そのおおもととなる戦略を作っています。黒ラベルの場合は、「大人の☆生」という世界観を今後どう守っていくか、進化させていくかを考え、そこから逆算して、だったら来年何やろう、再来年何やろうっていう具体的な話に落としています。
正式に発表される前に、どうやら黒ラベルのブランドマネージャーが変わるらしいという話が社内であったんですけど、まさか自分だとは思ってなくて。
そしたら、テレワーク中に上司から電話がかかってきて「次、齋藤さんです」って言われて。でも、性格なのか、不安とかプレッシャーとかよりは、ワクワクのほうが大きかったです。
いい意味で性別も年齢も全く気にならない会社なので、女性初という面も全く意識せず働けています。
それに、最近は黒ラベルを飲む方に女性の方や20~30代の若い方が増えているんですよ。
なので、ターゲットのインサイトを理解できるという意味ではメリットだと感じて、年齢や性別ではなく、お客さん一人一人のパーソナリティに寄り添ったアプローチをしてきたいなと思っています。
「黒ラベル」を通じて楽しさを提供していく
1月にオンラインライブをやった理由として一番大きかったのは、成人式とか、入社式とか、卒業旅行とか、大人になるステップの中で、私たちが楽しんだ節目節目がこのコロナ禍で失われてるのが本当に心が痛くて。
「大人の☆生」って言ってる黒ラベルだからこそ、大人の一歩を踏み出した若者に新しい楽しい体験を提供できないかなと思ったからなんですよね。
オンラインライブ中のチャットを見てたら、人生で一番、一日でありがとうって言われたな、ぐらい言っていただいて。
「黒ラベルおいしいから買ってね」みたいなアプローチじゃなくて、先ほどの「STAR READER」(黒ラベルのロゴを読み取ると見れるコンテンツ)とかもそうなんですけど、黒ラベルを通してちょっとしたいいことをお客さんに提供していきたくて。なので、そういったコミュニケーションは工夫してますね。
そうですね。直接お客さんの反応を見られた瞬間が一番やりがいを感じますね。
今はSNSを毎朝パトロールしてるんです。「#黒ラベル」とか「#サッポロラガー」とか。ビールを外で飲めないコロナ禍だからこそ、ビールが本当に一日のちょっとした楽しみになっている様子をSNSで見るとうれしいなって思います。
おいしい乾杯のためにワクワクする仕事を
やっぱり、自分が人生で社会に対してどういう貢献をしたいかっていうと、人を楽しませたいってことなんです。だから今後も楽しいと思ってもらえるアプローチを考えていきたいです。
それと、私が軸にしているのは関わっている自分たちもワクワクできるかどうか。だってビール会社の人がすごいしみったれた顔して、つらそうに企画考えてたら嫌じゃないですか(笑)。
※この記事は2021年09月29日に公開されたものです