「善処します」は良い反応? 意味や使い方の注意点
「善処します」の類語と言い換え表現
「善処します」は便利な言葉である一方、相手に誤解させてしまう可能性があります。
そこで、「善処します」の代わりに使える類語を紹介していくので、状況に合わせて使い分け、きちんと自分の言いたいことを伝えられるようにしましょう。
「対処します」
「対処」は「状況に合わせて最適な処置をする」という意味の言葉。
ある程度自分の裁量で行動することを表しており、「善処」と違って「実際にやる」というニュアンスで使います。
そのため、相手に断っているような印象を与えたくない時には、「善処」よりも「対処」を用いて返事をしましょう。
例文
・この案件に対しては、こちらで対処します。
「対応します」
「対応」は「周囲の状況に合わせて行う」ことを表す言葉。
「善処」は「適切な行動」が求められますが、「対応」の場合はどんな行動でも当てはまるため、必ずしも相手が望む結果ではないこともあります。
また、「対処」と同じように曖昧なニュアンスはないため、「対応します」と伝えることで、頼まれたことができる意図を伝えられますよ。
ただ、「対応」した結果、状況が悪くなる場合もあります。自分からお願いする場合は「対応してください」よりも「善処してください」の方が良いかもしれません。
例文
・新しいスケジュールへの変更につきましては、柔軟に対応いたします。
「取り計らいます」
「取り計らい」とは「物事がうまく運ぶように処理をすること」を意味する言葉。
返事として使う場合は、主にお礼の気持ちを表し、相手がお願いなどに応じてくれた時に使用します。
「善処します」とは違って、相手の行動に対して使うため、お願いされた時の答えとしては使えない点に注意が必要です。
また、自分からお願いする場合にも使用でき、この時には「善処してください」のように「前向きに考えてほしい」というニュアンスを伝えられます。
例文
・この度は、お取り計らいいただきありがとうございます。
「善処します」の英語表現
「善処します」を英語で表現する場合、気をつけたいのが英語に曖昧な表現や意味合いを持たせるのは難しいという点。
「善処します」をそのまま表現すると、日本語よりも「できる」というニュアンスが強くなるため、お互いの考えがすれ違い、トラブルになる可能性があるのです。
そこで、回答を曖昧にする意味で「善処します」を使う場合には、「Let me see what I can do.(なんとかお役に立ちたいけれど)」を使うのが良いでしょう。
また、前向きに取り組む意味で「善処します」を使うなら、「I’m committed to providing the best(全力を注いで頑張ります)」が適しています。
日本語と同じ表現を使うと意味が伝わりにくくなるため、自分が表現したい意味に合わせたフレーズを使用しましょう。
「善処します」を正しく使って適切な返事をしよう
「善処します」は、適切に対応することを意味しており、相手のお願いなどを聞き入れる時に使える言葉。
しかし、「前向きに考える」「やんわり断る」どちらの意味もあり、相手にニュアンスが伝わらず困惑させてしまうことがあります。
そのため、相手に自分の気持ちがきちんと伝わるような文章を作り、意味の取り間違えが起こらないように「善処します」を使っていきましょう。
(kirara)
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※この記事は2021年08月17日に公開されたものです