「参りました」の3つの意味とは? 正しい敬語の使い方
行き来を表す「参りました」の使い方とは?
ここからは、最も頻繁に使われるであろう意味、行き来の謙譲表現「参りました」の使い方について見ていきましょう。
「参りました」が使える場面
「参りました」が実際に使える場面を具体的にピックアップしていきましょう!
上司に呼び出された際や到着した際
上司に呼び出され、無事に到着したことを伝える際に使える表現です。
・遅くなり申し訳ありません。ただいま参りました。
「ただいま参りました」はフレーズとして覚えておくと便利。
また、前置きに「遅くなり申し訳ありません」と添えおくことで急いで来たことが伝わり、相手に好印象を与えられるでしょう。
・お迎えのタクシーが参りました。
「参りました」は人の行き来だけでなく、タクシーなどの交通手段にも使うことができます。その他にも「お車が参りました」など応用できる表現方法なので覚えておくとこちらも便利です。
・ただいま係のものが参りますのでお待ちください。
「参りました」は、自分や相手以外の第三者に対しても使うことができます。しかし注意しなくてはならないのが、自分の身内の人間に対して使うということです。
相手の同行者などに対して使うことは大変失礼な表現になるので、気をつけましょう。
自己紹介をする際
「参りました」は人の行き来だけでなく、自己紹介をする際にも使える言葉です。
どこから来たかという出所を伝える際に使用します。例えば、住まいなどの地域や所属している会社名をつけ加えて、次のように使います。
・はじめまして。〜会社から参りました○○と申します。
・神奈川県から参りました○○と申します。
「参りました」を使う際の注意点
知っていると、とても便利な言葉である「参りました」ですが、使用する際に注意すべきポイントについても押さえておきましょう。
目上の人との会話で使う表現
「参りました」は謙譲語といって、自分の言動をへりくだって相手を立てる言葉です。そのため、使用するシーンは、自分よりも目上の人との会話であると覚えておきましょう。
上司に対して「来ました」や「行きました」と表現するのは、あまり良い印象を与えませんよね。そんな時にぜひ「参りました」を使ってみましょう!
相手の行動に対して使ってはいけない
謙譲語である「参りました」は、基本的に自分の行動に対して使います。そのため、相手の行動に対して使用してはいけないことを覚えておきましょう。へりくだった表現のため、失礼にあたります。
しかし、例外として「自分の身近な人や身内」や「物事」に対しては使うことが許されます。
・タクシーや車
→お車が参りました。
・(顧客に対して)同僚の行動
→ただいま別の者が参ります。
「参りました」と「伺いました」の違いは?
「参りました」と同じような意味を持つ言葉として「伺いました」があります。
「伺いました」は「聞く」「尋ねる」「問う」「訪問する」の謙譲語。つまり、「訪問する・参上する」の意味で、「参りました」と似たニュアンスで使用できる言葉だと言えます。こちらも覚えておきましょう。
「参りました」の類義語
多くの人が違いに迷う「伺いました」について前述しましたが、「参りました」の類義語は他にもあります。こちらも併せて覚えておくと表現の幅が広がるでしょう。
参上しました
「参上」するとは、目上の人のところへ行くことを表す謙譲語。そのため、「参りました」と同じような使い方ができる類義語です。
具体的には「参上いたしました」や「明日の会議には弊社○○と共に資料を持参の上参上します」のように使います。
お目にかかりました
「お目にかかる」は、目上の人に会うことを意味する表現方法です。
仕事のアポの前に「お目にかかるのを楽しみにしています」などとつけ加えて連絡を入れると、相手に好印象を与えられるでしょう。