【難読】“ほうる”? 「奉る」の正しい読み方
本や資料で見かけることがあるけれど、正しい読み方や意味が分からずスルーしてしまっている言葉ってありませんか?
社会人として、知らないまま恥をかくような場面には遭遇したくないですよね。
今回考えるのは「奉る」の読み方です。
“ほうる”? なにそれ? と思った方は、ぜひ答えをチェックしてみてくださいね。
「奉る」の読み方は?
「奉」は、奉公、奉納と読むので、“ほう”という読み方は知っている人もいるかもしれませんね。
しかし、これに「る」の送り仮名をつけて、“ほうる”とは読みません。
気になる読み方の正解ですが……。これ、実は“たてまつる”と読みます。
「奉る」の意味と使い方
『デジタル大辞泉』によれば、「奉る」の意味は以下のように解説されています。
たて‐まつ・る【奉る】
[動ラ五(四)]
1 「やる」「おくる」の、その対象を敬っていう謙譲語。上位の人に差し上げる。献上する。「貢ぎ物を―・る」2 動作の対象への敬意を失い、「やる」「おくる」をからかっていう。「あだ名を―・る」
3 形だけある地位に就けて、敬意を払ったことにする。祭り上げる。「会長に―・って口出しをさせない」
4 その動作を受ける人を主として、尊敬語として用いる。
㋐「飲む」「食う」の尊敬語。召し上がる。
「壺なる御薬―・れ」〈竹取〉㋑「着る」の尊敬語。お召しになる。
「御袴着のこと、一の宮の―・りしに劣らず」〈源・桐壺〉㋒「乗る」の尊敬語。お乗りになる。「乗り給ふ」より敬意が強い。
「女御殿、対の上は一つに―・りたり」〈源・若菜下〉5 (補助動詞)動詞の連用形に付いて謙譲の意を添え、その動作の及ぶ相手を敬う。…申し上げる。…さしあげる。「御神体を移し―・る」「よろしく願い―・ります」
[動ラ下二]《に使役の意が加わったもの。一説に、四段「奉る」と同義とも》
1 人を通して、差し上げる。差し上げさせる。
「小さき人して―・れたれば」〈かげろふ・中〉2 使いの者を参上させる。使いを差し上げる。
「惟光を―・れ給へり」〈源・若紫〉[補説]は、未然形と連用形の用例しかないが、通常、下二段と認めている。
いろいろな意味がありますが、差し上げるや献上するという意味合いの、自分より上位の人に対して物を贈ったりするときに使われることが多い言葉です。
読めない漢字はきっとまだまだたくさん
あなたは「奉る」を正しく読むことはできましたか?
きっと世の中には、あなたが知らない言葉、漢字がまだまだたくさんあります。使う機会はなかなかない言葉ですが、聞いたことはある人もいるのではないでしょうか。
馴染みがあまりない言葉かもしれませんが、目上の人に対して使う言葉なので、間違いがないように使いたいですね!
(ななしまもえ)
※この記事は2021年07月04日に公開されたものです