「本末転倒」とは? 意味や「元も子もない」との違いを解説
「本末転倒」と意味を混同しやすい言葉
仕事中や日常生活など、さまざまなシーンで使える「本末転倒」。使い勝手の良い言葉ですが、似ている言葉である「元も子もない」や「主客転倒」と混同して使っている人も少なくありません。
間違った使い方をしないためにも、2つの言葉の意味と「本末転倒」との違いを確認しておきましょう。
「元も子もない」と「本末転倒」の違い
「元も子もない」は、「本末転倒」と似たような使い方をすることが多く、使い分けが難しい言葉です。
しかし「元も子もない」は、「当初の目的だけではなく、失う必要のないものまで失われること」という意味であり、「優先順位を履き違える」という意味の「本末転倒」とはややニュアンスが異なります。
例えば、売り上げを伸ばすべく原価を下げ、質の悪いものを売った結果、評判が悪くなったのであれば「本末転倒」ですが、原価を下げ売り上げが伸びなくなった結果、会社が倒産してしまったのであれば、「元も子もない」と表現する方が適切です。
このように、「元も子もない」は「全てを失う」とか「何もかも失う」というニュアンスが強い言葉であることを覚えておくと、「本末転倒」との使い分けがしやすくなるでしょう。
「主客転倒」と「本末転倒」の違い
「物事の立場や軽重が逆になること」という意味の「主客転倒(しゅかくてんとう)」。「本末転倒」とニュアンスが似ているため、混同してしまう人も多いでしょう。
しかし、「本末転倒」が「大事なものよりささいな物事の方を優先している」という状態を指しているのに対し、「主客転倒」は「大事なものとそうでないものが逆になっている」という状態を表しています。
「物事の立場がひっくり返っている」という意味の「主客転倒」の方がより限定的な場面で使う言葉なので、2つの言葉が持つニュアンスの違いをしっかりと覚えておきましょう。