【心理学用語】プライミング効果とは? 日常例を分かりやすく紹介
プライミング効果の活用例
では、プライミング効果は実際にどのようなシーンで使われているのでしょうか?
ここからは、プライミング効果の活用例を紹介します。
(1)仕事上での活用例
ビジネスシーンでよく使われるプライミング効果といえば、アンケートが有名です。
例えば、こんな質問。
「○○に不満があったら教えてください」
「○○を買う予定はありますか?」
「○○な○○があったら欲しいと思いますか?」
こういった質問に答えると、回答そのものがプライミング(きっかけ)となり、自分でも気付いていなかった不満や欲求に気付かされます。
その結果、その後に提示される商品を無意識のうちに欲しいと感じ始めるのです。
また、常に目の届くところへ張り紙をしておくことでもプライミング効果は得られます。
張っておくのは「毎週水曜日はNO残業デー」や「今月の売上目標は○万円」といった言葉でも良いですし、目標とする人物や成功をイメージできる写真などでもOKです。
そういったものを目にすると無意識のうちにプライミング効果が起こり、さらに毎日くり返し触れることでモチベーション(やる気)も続きます。
(2)日常生活での活用例
プライベートシーンでよく使われるプライミング効果といえば、やはり広告が代表的でしょう。
テレビCMやネット広告などで目にしたものが無意識のうちにインプットされ、気になり始める――。これは、広告によるプライミング効果です。
また、流行しているものを自然と好きになる心理にもプライミング効果が影響しています。
流行しているものというのは、自然といろんな場所で目にしますよね。例えば今年の流行色が赤だとすると、街中には赤い服や靴、小物などがたくさん並べられていることでしょう。
そんな環境で過ごしていると、自分では意識していなくてもだんだん赤いものが気になり始めます。
その他には、持っている物の温度によって相手への印象が変わることもプライミング効果の一種です。
冷たい物を持っている時や冷たい物を持った直後に会うと相手に冷たい印象を抱き、温かい物を持っている時や温かい物を持った直後に会うと相手に温かい印象を抱きます。これは、「触覚プライミング」と呼ばれる心理効果です。
これと同様に、柔らかいソファーに座っている時や座った直後には協力的な態度を取りやすくなり、硬いイスに座っている時や座った直後には協力的な態度を取りにくくなることも分かっています。
「なぜそういう人だと思ったのか」や「なぜ自分がそういう行動を取ったのか」が説明できない時は、プライミング効果が原因なのかもしれません。
いずれにしても、自分の印象を良くしたい時は相手に温かい物を渡し、協力してほしい時は相手に柔らかい物を渡すと効果的だといえそうです。これは恋愛シーンでも役立つ知識ですので、興味がある人は覚えておくと良いでしょう。