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「齟齬」の意味は? 「誤解」や「相違」との違いや使い方を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「齟齬」はどんな時に使えるのか?(例文付き)

あることをうまく進めたいのに、齟齬があり、障害となっている(あるいはなった)時には、以下のような言い回しをするといいでしょう。

・齟齬をきたす
・齟齬が生じる
・齟齬が生まれる
・齟齬がある
・齟齬が大きい

その逆に、予見されていた食い違いが起きなかったり、食い違いが少なかったりする場合には、

・齟齬がない
・齟齬が小さい

などと使います。

いくつか、例文と共に紹介します。

(1)両者の意見が食い違って、うまくまとまらない時

例文

・ワクチンの接種をスムーズにしたいのに、輸出国と日本の希望とに齟齬があり、契約がなかなかまとまらない。

(2)イベントを成功させたいのに、計画に食い違いがあり妨げになっている時

例文

・もともと無理のある計画を、このまま進めても必ず齟齬が生じるに違いない。

(3)チームをうまくまとめたいのに、互いの違いから理解が深まらない時

例文

・チーフとメンバーの考え方には齟齬が大きく、このままではまとまるチームもまとまらないだろう。

(4)企業や人、互いの理想や意見が違い、かみ合わない時

例文

・現実のビジネスでは、純粋な理想だけでなく、相互利益を尊重して進めなければ、齟齬をきたすことが多い。

(5)推理と証言が食い違っていない時

例文

・刑事の推論は、複数の目撃者による証言と一切の齟齬がなく、犯人はすぐに捕まった。

(6)研究を成功させる上で、仮説と実際の結果の食い違いが小さい時

例文

・演算で求めた数字と、実験で得た数字との齟齬が小さいことから、仮説はほぼ正しいと考えられる。

(7)概略や概算を考える上で、食い違いが起きないようにしたい時

例文

・いくらざっくりとした概算で構わないと言われても、公式な見積書を書く以上、なるべく齟齬が起きないようにすることが望ましい。

次ページ:「齟齬」の言い換え表現

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