「齟齬」の意味は? 「誤解」や「相違」との違いや使い方を解説
「齟齬」を使う上での注意点
ここでは、「齟齬」を使う上での注意点を紹介します。
「齟齬がある」は自分の確認不足や誤解を表す時には使わない
前段からも分かるように、「齟齬」は相違している2つのことをかみ合わせようとして生じるものです。
そのため、相手の意見を自分が取り違えている時に「齟齬がある」という表現は使いません。
例えば、Cさんが上司から指示を受けて作った企画書が、「全く指示と違うものになっている」と指摘を受けた場合。客観的に見れば、上司の指示とCさんの理解に相違があったことは確かです。
しかし、この場合Cさん自身が「申し訳ございません。私の理解不足でした」とは言えても、「申し訳ございません。齟齬があったようです」と言うことは適切ではありません。
後者の場合は、自分のミスを「齟齬」という言葉でごまかしているように受け止められ、上司から「私の説明が悪かったというのか?」と、かえって反感を買うことにもなりかねないからです。
自分の理解不足や誤解について「齟齬」という言葉は使わないように気を付けましょう。
「齟齬がある」は単なる意見の相違には使えない
前段でも分かるように「齟齬がある」は、単なる意見の違いを主張する際には使えません。
例えば、同僚が述べた意見に対して、違う意見を述べる際に「その意見には齟齬があります」とは使いません。
「私の意見は少し違います」「別の考え方もあると思うのですが」などと発言する方が適切です。
「齟齬がある」を目上の人に使うのは避ける
「齟齬がある」は、「かみ合うことが理想であるのにかみ合わない」状態を客観的に表す言葉です。
相手を責めるニュアンスはないものの、違和感や落ち着きの悪さを感じさせることもある言葉なので、ビジネスシーンで使うには注意が必要です。
例えば、部長に対して「部長のお話と課長のお話には齟齬があります」と言えば、単なる意見の相違だけでなく、そこにネガティブな印象を持たれる可能性もあります。
そのため、目上の人に対して使う場合には、特に注意が必要な言葉だといえるでしょう。