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「的を得る」は誤用? 「的を射る」の意味や使い方を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「的を射る」と「的を得る」、どちらが正しいのか迷った経験はありませんか? 一般的には「的を射る」が本来の言い方とされていますが、ライティングコーチの前田めぐるさんいわく、「的を得る」も一概に誤りとは言えないそうです。今回はそんな「的を射る」の意味や使い方、言い換え表現などを紹介します。

「的を射る」と「的を得る」。どちらの表現が正しいのか、迷ったことがある人も多いことでしょう。

一般的には「的を射る」が本来の言い方とされていますが、以前からさまざまな説があり、現状ではどちらが正しいかについての論も分かれています。

意味や用法、言い換え表現なども含めて調べてみました。

「的を射る」の意味や成り立ち

まずは「的を射る」の意味や語源を紹介します。

意味は「物事の肝心な点を確実に捉えること」

平成15年度と平成24年度に行われた『国語に関する世論調査』で、文化庁は「物事の肝腎な点を確実に捉えること」を意味する本来の慣用句は「的を射る」であるとしています。

また、辞書にも次のように載っています。

まとをいる【的を射る】
物事の肝心な点を確実にとらえる。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

以上のことから、「的を射る」とは「物事の要点や本質、肝心な点を的確に捉えていること」を意味する言葉です。

成り立ちは「目標を目指して、矢を放って、当てること」

ここでは「的を射る」を構成する要素を調べてみましょう。

「的を」と「射る」から成り立っており、それぞれ次のような意味があります。

まと【的】
(1)弓や鉄砲の発射練習をする時、目標として立てておくもの。
(2)めあて。目標。目的。
(3)紋所の名。

いる【射る】
(1)弓につがえて、矢を放つ。
(2)矢や弾丸を目標にあてる。
(3)(光が)鋭くあたる。
(4)ねらって取る。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

それぞれの意味を考え合わせると、「的を射る」とは、「目標を目指して、矢を放って、当てること」です。

「矢」は言動や行動など、「目標」は「物事の本質や要点、目指すところ」の比喩であり、「当てる」ことは「物事の肝心な点を確実に捉えていること。本質や要点を捉えていること」の比喩であると考えられます。

以上のことから、「本質や要点を確実に捉える」ことを意味する言葉として「的を射る」が成り立っています。

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