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生理中の臭いはなぜくさい? 悪臭の原因と消す方法

松峯美貴(産婦人科医・医学博士)

生理中のにおい、気になる時の対処法は?

生理中のにおい対策として、まずすぐにできることは「生理用品のこまめな交換」です。

使う生理用品の種類によって交換するタイミングなどが違うので、ここからは種類ごとにポイントを見ていきましょう。

ナプキンの交換のタイミングと注意点

ナプキン(生理用ナプキン)は、店頭でも様々な種類が並んでいる代表的な生理用品。市販のナプキンは清潔な衛生用品ですが、長時間つけたままにしていると、においだけでなく、ムレたり雑菌が繁殖して、かぶれや腟炎などのトラブルのもととなることもあります。

経血の量が多い日だけでなく、少ない日でもできればこまめに交換するよう心がけましょう。

経血量は個人差が大きく、肌トラブルの起こしやすさも人によって違うので、医学的に『この頻度で交換すれば安心』という線引きは難しいですが、昼間ならば『2~3時間おき』程度を目安に交換するとよいのではないでしょうか。(松峯先生)

タンポンの交換のタイミングと注意点

タンポン(生理用タンポン)は、腟の中に入れて経血を吸わせるタイプの生理用品です。腟内に挿入するため、ナプキンに比べるとにおいモレは気にならないでしょう。

でも、においが気になりにくいからと言って、タンポンの長時間の使用は厳禁です!

タンポンの長時間使用はなぜダメ?

タンポンを清潔ではない手で挿入したり、長時間使用をしたりすると、非常にまれではありますが「トキシックショック症候群(TSS)」を発症する可能性があります。TSSは黄色ブドウ球菌が作り出す毒素が原因で起こる病気で、対応が遅れるとショック症状など深刻な状況になることもあります。

TSSの発症のリスクを軽減するためにも、タンポンを利用する際は、次の点を守るようにしましょう[*2]。

1.清潔な手指で取り扱う

2.1回の使用は8時間を超えないようにする
・1日に3回以上、交換する
・連続使用せず、ナプキンと交互に使用するのが勧められる

3.一度に2つ以上入れない

4.取り忘れない
・生理期間の最後に必ずタンポンを取り除く
・タンポンのヒモは切らずに体の外に出しておく

もし、タンポンを使用していて突然の高熱、発疹、皮膚や粘膜の赤みや充血、だるさ(倦怠感)、おう吐、下痢などが見られた場合は、使用をやめて速やかに婦人科などに相談してください[*2]。

TSSはごくまれな病気ですが、発症した場合にはすぐに治療が必要です。

TSSはまれでも、TSS発症のリスクにもなる『タンポンの放置(取り出し忘れ)』は度々診察します。経血の量が少ない時期に使用していてそのまま忘れ、悪臭で異変を感じて受診し、腟内にタンポンが見つかるケースがあるのです。くれぐれも取り忘れに注意してください!(松峯先生)

月経カップの交換のタイミングと注意点

月経カップは、やわらかいシリコーンなどのカップを腟内に挿入して経血を受け止めるタイプの生理グッズです。これも、経血が空気に触れることが少ないため、においがほとんど出ないというメリットがあります。

装着したら8~12時間ごとに取り外し、洗浄して再度利用します[*3]。海外では使い捨てタイプ(月経ディスクとも言う)もあります。

なお、タンポンよりはリスクが低いとされていますが、月経カップも使い方によってはTSSを引き起こす可能性があるので、製品説明書をよく読んで正しい方法で使用することが大切です。

次ページ:生理中のデリケートゾーンのケア法は?

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