セルフコーチングとは? 簡単なやり方と効果
セルフコーチングとは、自らがコーチとなって自分自身を目標達成へと導いていく方法。自分と向き合うことで、新たな気付きや可能性を発見できます。この記事では、キャリアカウンセラーの中谷充宏さんに、セルフコーチングのやり方とコツ、得られる効果を教えてもらいました。
自分なりに日々一生懸命頑張っているつもりだけれども、ふと振り返ってみると、自分の思った方向に進むことができていない、という方も多いはず。
そういった中、有効なのがコーチングです。
コーチングと聞けば、スポーツ選手のそれを思い浮かべる方も多いかと思いますが、ビジネスや恋愛、人生といったあらゆる方面で、有効に機能します。
とはいえ、そもそもどういったコーチを選べばいいのか? 悩みや目標を他人に開示して大丈夫なのか? といった不安、懸念があるのも事実。
そこで、今回はあえてコーチを選ばずに自らが行うセルフコーチングについて解説していきます。
そもそもコーチングとは?
様々な定義がありますが、端的に言うとコーチングはクライアントが目標を達成できるように支援すること、だと考えてください。
コーチングの主な目的は、クライアントに気付きをもたらしたり、目標達成に必要な行動を促進したりすることなので、基本的に教えたり、助言するといった先導的な行為はしないのが特徴です。
コーチングでは、一方的にではなく、対話という手段を使って、本人(クライアント)のかなえたい夢や目標を明確にし、達成するための能力を引き出していきます。
思考し、実行するのは本人。コーチは対話をしながら、本人がマインドやスキルを身に付け、達成できるよう支援を行います。
コーチングとあいまいになりがちなティーチングという手法がありますが、ティーチングとは、経験や知識を一方通行で相手に教えることです。
セルフコーチングとは? コーチングとの違い
セルフコーチングとは、自分自身がコーチでありクライアントという、重複した役割を担い、目標に向かって行動することです。
セルフコーチングとコーチングの違いは、ずばり言うと「コーチ」が存在するか否かです。
セルフコーチングでは、コーチングを自らに対して行います。自らが気付いて、自ら必要な行動に取り組むのがセルフコーチングなのです。
セルフコーチングで得られる効果
ここでは、セルフコーチングによって得られる効果を紹介していきます。
(1)目標達成のスピードが上がる
セルフコーチングもコーチングですから、きちんとやれば、通常のコーチングと同様の効果を得ることができます。
また、自分でコーチをやるのですから、わざわざ他人にコーチング依頼するという心理的な障壁はなく、コストもかからないし、時間や場所の制約もありません。
そのため、うまく機能すれば、通常のコーチング以上に、目標達成のスピードが高まることが期待されます。
(2)自主性や自律性が育まれる
自らがコーチでクライアントになるわけですから、主体的に行動しないと何も始まりません。
またコーチングの一連のプロセスを通じて、現状の課題を認識し、自らその改善策を考え行動していくので、自律性も培われていきます。
(3)相手を理解する力が身に付く
話を聞く側のコーチと話を伝える側のクライアントという両方の役割を全うする取り組みを通じて、相手を思いやる気持ちを会得することができ、相手の立場をきちんと理解できるようになります。
例えば、相手に嫌な感情を抱いた時に、「何が原因で、私はこのような嫌悪感を抱いているのか?」とコーチとして問いかけるようになると、自分が相手に抱いている真の思いやその有効な対策に気付き、相手との良好な人間関係を構築することもできるでしょう。