積極的に人と関わったり趣味や自分磨きを楽しんだり、仕事を頑張っているのに、ちっとも幸福感や充実感を感じられない。
何をやっていても、誰といても、なぜか寂しさを感じてしまう。
色々なことがうまくいかず、いつもモヤモヤした気持ちが晴れない。
そんな悩みの原因は「満たされない心」にあるのかもしれません。
今日は、満たされない心の原因と心理、そして心を満たして幸せを手に入れる方法をお伝えします。
この記事が、毎日頑張るあなたのお役に立てれば幸いです。
■心が満たされない心理状況とは
私たちの心が満たされないとき、こんな心理状況に陥りやすいといわれています。
◇(1)誰かと一緒にいても、どこか寂しい気持ちになる
楽しいはずの飲み会やデートの最中なのに、ふと寂しさを感じてしまったりします。みんながワイワイ盛り上がっている場面で、一人だけ冷静になってしまうことも。
◇(2)理由のない気分の浮き沈みが激しい
それなりにうまくいっているはずなのに、なぜか気持ちが不安定になりがちだったり、理由のない不安を感じてしまうことが増えたりします。
◇(3)欲しい物を手に入れても満たされない
どれだけ欲しい物を手に入れても満足感を得られないため、焦りと欲求ばかりが強くなってしまい、クレクレちゃんになってしまうことも……。
◇(4)やる気が湧いてこない
やらなきゃいけないことが山積みになっているのに、やる気がなかなか湧いてこなかったりします。
◇(5)好きなこと、やりたいことが分からない
何が好きで、何がやりたいか、自分の感情が分からなくなることも。毎日が味気なく、淡々と過ぎていくように感じることも多いようです。
■心が満たされないことで起こる5つの問題
私たちは心が満たされていないとき、満たされていない部分を「何か」で満たそうとします。
心を満たすこと自体は大切なことなのですが、本当に心が求めているもの以外で満たそうとすると、満たされないだけでなく問題行動につながってしまいます。
いくつか例を挙げてみましょう。
◇(1)必要のない買い物をしてしまう
満たされない心を物欲で満たそうとすると、買い物に依存してしまうことが多いです。中には、借金問題を抱えてしまう場合も。
買ったことを後悔しやすい方は、この傾向にあるかもしれません。
◇(2)暴飲暴食を繰り返してしまう
食欲で心を満たそうとすると、暴飲暴食をしてしまいがちです。過食が続いている場合は要注意です。
◇(3)物が多すぎる。部屋が片づけられない
自分の部屋に物を持ち込むことで、心を満たそうとするケースも多いです。
また、部屋が散らかっている方が「空間が物で埋まっている」感覚を得やすいため、片付けられないという問題も抱えがちです。
◇(4)予定を詰め込み過ぎてしまう
満たされない心や寂しさを自覚することはとても辛いことなので、それを避けようとして無意識に予定を入れ過ぎる傾向があります。
◇(5)依存的な恋愛や不倫の恋にハマりやすい
男性に心を満たしてもらいたいという心理から、依存的な恋愛をしやすくなります。また、同じように寂しさを抱える男性と不倫関係にハマってしまうことも……。
いかがでしたでしょうか? 満たされない心は自覚がしにくいという特徴があるため、「どうしてこんな気持ちになってしまうのだろう」と理由が分からずに悩んでいる方も多いのです。
しかし、満たされない心が引き起こす問題は、心を満たしてあげると必ず落ち着いてきます。
では、次は満たされない心の原因について解説します。
■満たされない心における2つの原因
満たされない心の原因は、大きく分けて2つあります。
◇原因1:過去からの持ち越し
私たちの心は、たとえ悲しい出来事に遭遇したとしても、そのときの感情を人と分かち合ったり、きちんと悲しむことができれば、徐々に悲しみが癒えて心が満たされていくようになっています。
ですが、何らかの事情で、悲しさや寂しさをぐっと我慢し、頑張り続けなければいけないような状況が続くと、我慢した悲しみや寂しさが心に残ってしまいます。
優しい方ほど、自分の気持ちを切り離して人を優先させることが染みついているため、満たされない心を満たすために問題行動を引き起こしてしまいがち。
人の気持ちに寄り添うように、自分の気持ちにも寄り添っていくと、過去の悲しみや寂しさが癒え、心がだんだんと満たされていきますよ。
◇原因2:自己否定
自分を否定しているとき、私たちは自分自身のことを突き放しています。
その分「人から認めてもらいたい!」という欲求が強くなるのですが、自己否定していると、いくら人が自分を気に入ってくれたとしても「この人は、気に入られるような人を演じている私のことを好きなだけだ」という疑いが生まれてしまいます。
そのため、いつまでも心が満たされません。
あなた自身が、あなたの良さや頑張りをシッカリ認めてあげることができると、徐々に心が満たされていきますよ。
■心を満たすための5つの方法
それではカウンセリングの現場でもよくご紹介する「心を満たす方法」を5つご紹介します。今すぐできることばかりなので、参考にしてください。
◇(1)セルフハグ
人を優先させる癖や自己否定が強い方は「セルフハグ」がおすすめ。自分をそっと抱きしめてあげましょう。
心がフッと軽くなったら終了です。毎晩、寝る前にやると効果的ですよ。
◇(2)心の内を話せる場所を作る
信頼できる友人やカウンセリングなど、飾らない自分で話ができる場所を作りましょう
最大のポイントは、一点集中にしないこと。抑圧してきた要求を1人だけに向けてしまうと、相手が受け止めきれなくなります。
心が満たされてくると要求はかならず落ち着いてきますから、それまでは話す相手を分散させていきましょう。
◇(3)カレンダーに花丸を書く
毎日、朝起きたときにカレンダーの日付の欄に花丸を書いてみましょう。
夏休みのラジオ体操の出席カードのように「今日もちゃんと起きられたね! えらい!」という自己承認の意味合いで花丸を書いてみるのです。
1カ月も続けると、カレンダーがとても賑やかになると共に、心も満たされていくでしょう。好きな色のペンを使って、楽しんで書いてみてくださいね。
◇(4)お世話になった人に感謝の手紙を書いてみる
友人・先生・先輩・ご近所のおじさんなど、かつてお世話になったと思う人に感謝の手紙を書いてみましょう。
これは心を開き、自分の感情を素直に出すための 練習です。手紙を渡すことが目的ではないため、もう連絡が取れない人でもOKです。思う存分、書いてみてくださいね。
◇(5)かつて好きだった物に触れる
子どもの頃に好きだった駄菓子を食べてみる、カラオケで懐かしい曲を歌ってみるなど、昔好きだった物に触れてみましょう。
かつて好きだった物を思い出すことで、切り離してしまった感情を取り戻すことができるようになりますよ。
■100%心が満たされることは難しい
心を全て満たす、ということはとても難しいことです。
なぜなら、私たちの欲求はどこまでも尽きることはありませんし、お互いに満たされていない部分があるからこそ、互いに支え合う喜びを得ることができるのです。
満たされない心と上手に付き合いながら、みんなで支え合っていきましょう。
(服部希美)
※画像はイメージです。