デリカシーとは? 意味やデリカシーがない人の特徴・心理・対処法も解説
デリカシーとは? 言葉の意味や語源、使い方を紹介。また、デリカシーがない人ってどんな人? 付き合い方や自分の見直し方を催眠心理療法士の浅田悠介さんが解説します。
「ちょっとデリカシーがないよね」。
こんな言葉を言われたことありません?
ドキッとしますよね。たぶん良くないニュアンスな感じがするから。半ギレ状態で言われたことすらあるかもしれません。落ち着きましょう。
今回のテーマは「デリカシーのない人」です。
そもそもの意味を学びながら、その解決法を探ってみようと思います。デリカシーはあった方がいいと思うんです。そのコツを紹介しますね。
デリカシーの意味と語源とは?
まずはデリカシーの意味を探ります。さっそく意味と語源を調べていきましょう。
デリカシーの意味
「デリカシー」という言葉を辞書で引くと、以下のように記載されています。
デリカシー【delicacy】
感情、心配りなどの繊細さ。微妙さ。「―に欠ける振る舞い」「―のない人」
(『デジタル大辞泉』小学館)
シンプルにいえば「配慮・気遣い・繊細さ」になります。
いわば他人に対する態度のことですね。さらに噛み砕くと「相手の心や立場を思いやる気持ち」という意味になるでしょう。
デリカシーの語源
語源は英語の「delicacy」。これにも繊細さや思いやり、心遣いといった意味合いがあり、それがカタカナ語として定着したわけです。
ちなみに、delicacyは名詞ですが、形容詞にすると「delicate」。つまり、カタカナ語のデリケートにつながります。
デリケートも繊細な感受性や機微を表す言葉。語源を深堀りすると、さらにイメージがわくでしょう。
デリカシーの使い方(例文つき)
日本語では名詞単体よりも、「デリカシーがない」という表現の方がよく使われるでしょう。これは「他人に対する心配りがない」という意味です。
つまり、無縁慮な状態。
どこかで配慮が欠けていたのかもしれません。すると「デリカシーないよね」というグッサリくる言葉を投げかけられるわけです。
・上司はデリカシーのない質問を部下にしている。
・「いつ結婚するの?」はデリカシーに欠ける発言だ。
また、配慮がある状態のことを指して、以下のように使うこともあります。
・○○さんがこのチームで唯一デリカシーのある人だ。
・他人を傷つけないために、もう少しデリカシーを身につけたい。
デリカシーの類語・言い換え表現
デリカシーの類語・言い換え表現としては、以下の言葉が当てはまるといえるでしょう。
・気遣い
・心配り
・配慮
デリカシーがない人の特徴5つ
言葉の意味を確認したところで、今度は「デリカシーがない人」の特徴に迫ります。
自分と照らし合わせることで、自身のデリカシー具合(他人に気遣いをできているのか)をチェックできます。ぜひ参考にしてください。
(1)他人を傷つける発言をする
これが大きな特徴かもしれません。
言葉で、さらりと他人を傷つける発言をします。わざとではありません。しかし他人の心の弱点に触れてしまうわけですね。
飲み会で「昔いじめられてたんだよね?」と声を大にしたり、友達の描いた絵を見て「なんか下手だね」と言ったりなど。
そうして傷つけられた人間が「デリカシーないよね」と言うのです。
(2)声のボリュームや物音が大きい
これも面白い特徴です。
デリカシーのなさはボリュームにも表れます。声の大きさや、コップを置いたり、ドアを閉めたりするときの物音など。
まさに「周りを気遣うことができているか?」というわけです。
改めて、他人にも耳があって、ものを感じていて、何かを考えている、ということに思いを馳せるのが大事かもしれません。
(3)会話のTPOをわきまえない
この「デリカシーないよね」は主に会話のときに表れます。
ちょいとズレているのです。初対面で馴れ馴れしい口をきいたり、つらい過去をほじくりかえしたり、異性にセクシュアルな話題をぶちこんだりなど。
あまり使いたくない言葉ですが「空気を読めない」ということかもしれません。とはいえ会話の癖を直すだけで、十分、挽回可能です。
(4)マナー違反をしがち
このように特徴を表すこともできます。
上に挙げたように会話で失礼な振る舞いをしたり、レストランのテーブルマナーが(あまりにも)乱れていたり──といった具合です。
そもそも公共マナーは「他人の心を害さない」ようにできています。みんなで気持ちよくいるためのルールだから。
つまりデリカシーのない行為は、そのままマナー違反にもなりえるのですね。
(5)自分には正直
すごく重要です。
デリカシーがないとは「自分に正直」ということなのです。
全てにおいて、好きに発言して好きに行動する──という行動原理なのです。
しかし社会は自分だけで成り立っているわけでありません。ちょっとずつ譲り合うのが大人の生き方であります。そのため身勝手に映るのですね。
自分に正直過ぎるのは考えものかもしれません。
デリカシーがない人は男性に多い?
デリカシーがない人は男性に多いといわれます。
それは「男性の方が周りを気にせず生きていける社会だから」という理由が大きいです。良くも悪くも男性は注意される機会が少ないのですね。現状そうなってしまっているのです。
先天的に、男女の性差でデリカシーの有無は決まりません。
しかし後天的に、女性の方が気を使うことを求められる場面が現代社会ではまだ多く、気を使う術を身に着けていくことが多いのです。「何かと性格を見つめ直す機会が多いから」というわけです。

彼はなぜデリカシーのない発言をするの? 心理カウンセラーの小日向るり子さんが分析・解説します。
▶次のページでは、デリカシーに欠ける人の心理、デリカシーがない人への対処法を解説します。