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義務感を抱きながら生きる人生にストレスを感じたときの対処法

笹氣健治(心理カウンセラー)

義務感から自分を解放してあげる方法

義務感を抱き生きている人は、自分で選択しながらストレスを抱えるという矛盾した行動をしています。

この人の課題は、無自覚で自分がその行動を選択していることに気付くこと。そして、自分の意思で選択できるようになることです。

そのために役立つ取り組みを紹介しますので、ぜひ自分自身と対話してみてください。

(1)本当はどうしたいのか自問自答する

イライラしたり、愚痴を言ったり、「面倒くさいな」と思ったりなど、「私は今ストレスを抱えているな」と気付いたら、自分自身に問いかけてみてください。「私、本当はどうしたいの?」と。

「本当はやりたくない。でも、無理してやっているんだ」と自分の本心に気付くことができたら、今までの自分のパターンを変えるタイミングがやってきたということです。

(2)自分には常に存在価値があることに気付く

前述した通り、義務感を覚えるのは、自分自身の存在価値を確認しようとしているからです。

ここで考えてみたいのですが、人間の存在価値ってなんでしょうか? 自分の存在価値は誰が決めるのでしょうか?

結論からいうと、自分の存在価値は自分で決めるものです。そして、「これができたら存在価値がある」とか「これができない私には存在価値がない」といったことではありません。存在価値には条件は必要ありません。

「何かができた・できなかった」といったことで人間の存在価値が変わることはなく、全ての人間には常に存在価値があるのです。存在価値のない人間など一人もいないのです

「私はこういう人でありたい」と理想を掲げて、それに向かって努力するのは素晴らしいことです。そうやって人は成長していくものだからです。でも、理想にとらわれてしまって、それによって存在価値が揺らぐのは間違いです。

そもそも理想の実現を目指しているだけで、既に素晴らしい人間だといえます。

自分に条件を付けるのをやめて、「自分には常に存在価値がある」ということに気付いてください。

(3)自分の行動を自分で選択する

義務感でやっているかどうかは別として、その行動自体は有益なものです。

もちろん、それをやるかどうかは自由です。また、どこまでこだわってしっかりやるかも状況次第です

時には少し手を抜いたり、妥協したりすることがあっても、とにかくそれをやること自体が大切なときもあります。自分自身の本心を自覚し、その上で「自分はどうしたいのか、どうした方がいいと思うのか」じっくり考えてみてください。

そして、自分の行動を自分の責任で選択してください。そうやって取る行動が今までと同じだったとしても、以前のように義務感を覚えながら取る行動とは質的に大きく異なるはずです。

自分で自分を解放して、もう少し楽に生きよう

義務感を抱き生きている人は、前向きで、しっかり者で、人としてより良く生きたいという意識を持った尊敬すべき人物です。

でも、一人で頑張ってきたぶん、これまでたくさん苦労してきたことでしょう。

そろそろ、その苦労から自分を解放して、もう少し楽に生きてみませんか? それには、一人で背負い込まず、周りも頼りながら、できる範囲で無理せず精一杯のことをすればいいと考え方を切り替えることが必要です。

まずは、そこから始めてみてはいかがでしょうか?

(笹氣健治)

※画像はイメージです

※この記事は2020年03月31日に公開されたものです

笹氣健治(心理カウンセラー) (心理カウンセラー)

メンタルトレーナー・心理カウンセラー
1967年生まれ。国際基督教大学を卒業後、NTT(東京支社)に入社。その後、地元の仙台に戻り、スポーツクラブ「グラン・スポール」の経営に携わる。企業を経営する上で人間心理を理解する必要性を痛感して心理カウンセリングを学び、現在は、ストレスやコミュニケーション問題の解消をテーマにした講演やカウンセリング、目標達成のためのメンタルトレーニングを行っている。『「やる気」のある自分に出会える本』(スリーエーネットワーク)、『仕事の悩みを引きずらない技術』(PHP研究所)など、著書19冊。

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