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インタビュー 働き方

続ける理由はただ好きだから。山田孝之の仕事との向き合い方

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マイナビウーマンのコア読者は“28歳”の働く未婚女性。今後のキャリア、これからどうしよう。結婚、出産は? 30歳を目前にして一番悩みが深まる年齢。そんな28歳の女性たちに向けて、さまざまな人生を歩む28人にインタビュー。取材を通していろんな「人生の選択肢」を届ける特集です。

取材・文:ameri、撮影:須田卓馬、編集:鈴木美耶/マイナビウーマン編集部

一世を風靡したドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』(以下、セカチュー)。当時小学生だった私は、二人の純愛に、そして自分が将来出会うであろう好きになる人に思いを馳せて、テレビの前で毎週のように号泣していた。

セカチューで、病に倒れる彼女を抱え「誰か、助けてください……!」と泣くサクを演じたのが、山田孝之さん。そのイメージが強かったせいで映画『クローズZERO』を観たときには驚いたものだ。「本当に同一人物!?」と。

そんな山田さんは、2020年4月3日(金)公開の映画『ステップ』では、愛する妻に先立たれ、悲しみを抱えながらも一人娘と再出発を決意する父親を演じる。

とにかく振れ幅がすごい。山田さんが出演する作品を観る度そう感じる。だけど、どんな役も彼にマッチしているからびっくりする。

仕事をしていると、新しいことへの挑戦に怖気付いてしまうこともよくある。山田さんには、経験したことのない役にチャレンジすることへの怖さはないのだろうか。

そして、彼が俳優を続けるベースとなっている考え方について、聞いてみたくなった。

“父親”という「等身大」の役への臨み方

映画『ステップ』の健一は、山田さんにとっては久しぶりの等身大の役どころ。どのように役に臨んだのだろうか。

「素直に健一としてその場に立ち、起きたことをそのままストレートに受け止めただけです。常に妻(作中の)を思い描いて向き合っていましたね」

今回の健一は、“父親”という山田さん自身と重なる部分もあれば、“妻に先立たれた夫”というヘビーさもある役だ。撮影中は精神的にもかなり大変だったという。メガホンを取った飯塚監督からは、難しい役どころに対してどのようなリクエストがあったのだろう。

「監督からは、結婚指輪をどうするかということだけ相談されました。付けておくのか、仏壇に置いておくのか、どこかにしまっておくのか。結果的にはしまっておくことに決めましたね。それ以外には、特にリクエストはありませんでした」

芝居は続けたい気持ちがある限り続ける

今回のようなナチュラルな役柄は珍しいものの、純愛ものからエキセントリックな役まで演じ分ける山田さんといえば、「演技派俳優」という印象がある。しかし、最初から俳優を目指していたわけではなかったそう。

「芸能界へのきっかけはスカウトでした。ただ、田舎から出てきて“芸能人になりたい”というくらいのモチベーションだったので、“何がやりたい?”と聞かれてもよく分からなくて。芝居のレッスンやボイストレーニングをやらせてもらいながら、オーディションに参加したりライブハウスで歌わせてもらったりしていましたね」

上京してからは、しばらくアルバイトをしていたという山田さん。しかし、ドラマデビュー作への出演が決まったときに辞めてしまったのだとか。

「ドラマ出演が決まったときにアルバイトを辞めてしまったので、この先どうしようかな……と不安もありました。

そんな矢先に、NHKドラマのオーディションに合格したんです。ちょうどデビュー作のクランクアップの日に、次のドラマ出演が決まったので『僕、超ツイてるな』と(笑)。そのまま20年経ってしまった感じですね」

演技派俳優・山田孝之の役者人生のスタートは、意外にもゆるやかだった。そして、当時を振り返りこう続ける。

「演技の仕事をはじめて2年くらいしたとき、ドラマの撮影中に『芝居ってもしかしたら面白いのかも』とふと思いました。だから、続けたい気持ちがあるうちは続けてみようと。その気持ちでここまできました」

飽きっぽいからこそ“チャレンジする”

正統派の純愛ものから、振り切ったコメディ、はたまたワイルドな不良ものまで、幅広い作品に取り組んでいる山田さん。自分が演じる役は自分で決めているのだろうか。

「22歳までは依頼された役をやっていました。そんな中で、『クローズZERO』がはじめて自分で選んだ作品です。

本当はデビュー当初から、不良ものも時代劇もコメディもやりたいとは言っていたんですけど、なかなか機会がなくて。『クローズZERO』以降は、今までやったことのないジャンルの作品にいろいろ挑戦しました」

たしかに、“山田さんといえばこのジャンル”というイメージがない。そして、主役だけではなく、バイプレイヤーとしても活躍している。ここまで振り幅のある俳優はなかなかいないのではないだろうか。

「芝居は好きだけど、性格的には飽きっぽいんです。“俳優として芝居をすること”としてはずっと同じことをやっているので、自分が飽きないためにもさまざまな役に挑戦しています」

自分の性格を理解した上で、芝居をずっと楽しく続けていける方法を見出していたのだ。

「芝居は、その役の人生を少し歩むわけじゃないですか。だから、どんな役でも必ずためになるんですよ。コメディをやり、ラブストーリーをやり、今回のような日常的なストーリーを演じる。そうしたら、次コメディに取り組むときには、2つの新しい人生を経験したことで、また違う表現ができるんです。そうやって幅広くチャレンジすることで、他の作品にも活かしていけると思っています」

芝居のことを話している山田さんは、なんだかイキイキしている。

「コメディは特に、さまざまなことを経験してこその作品だと思っています。作中で何かのパロディをしてみたり、分かりやすく振り切ったキャラクターを演じたりするじゃないですか。これまでの経験全部が試される場所だと僕は思うんですよね。そのためにも、全て経験としてチャレンジしています」

ただ、作品作りの全てが好きだから続けている

インタビュー中、俳優という仕事へのこだわりをヒシヒシと感じた。そして同時にふと思った、山田さんはなんのために俳優を続けているのだろう、と。

「なんのためでもなく、ただ好きだからです。

映画作りの現場も映画を作ること自体も芝居をすることも、全て好きだから続けている。ただそれだけです。

映画作りって、どうがんばっても一人ではできないこと。みんなで一緒に作り上げる中では、難しさや壁を感じることもあります。ただ、壁を乗り越え、助け合いながらひとつの作品を仕上げていく……そういったプロセス全てが好きなんですよね」

そこには、お芝居へのまっすぐな愛があった。

俳優を続けているのは、みんなで作品を作ることがただ好きだから。さまざまな役にチャレンジしているのは、次の作品に活かしていけるから。ベースに仕事への深い愛情があれば、迷うことなく進んでいけるのだろう。

ここまで熱量を注げる仕事に出会えたら、きっと幸せだ。

私はまだまだ、仕事で悩んで立ち止まってしまうこともある。でも、立ち止まってしまいそうになったときは「書くことへの愛情」を思い出してみよう、そんなふうに思った。

映画『ステップ』

僕と娘の10年間、天国の君との10年間。残されたものたちが、新たな一歩を踏み出す物語。

結婚3年目、30歳という若さで妻に先立たれた健一。突然1歳半の娘・美紀と二人きりになった。

始まったのは残された健一と美紀、そして天国にいる妻との新しい生活。保育園から小学校 卒業まで、さまざまな壁にぶつかりながらも、前を向いてゆっくりと“家族”への階段を上る。泣いて笑って、少しずつ前へ──。

2020年4月3日(金)全国ロードショー!

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