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インタビュー 働き方

俳優の自分も、ガテン系の自分も。ありのままを見せる斉藤祥太・慶太の生き方

太田 冴

マイナビウーマンのコア読者は“28歳”の働く未婚女性。今後のキャリア、これからどうしよう。結婚、出産は? 30歳を目前にして一番悩みが深まる年齢。そんな28歳の女性たちに向けて、さまざまな人生を歩む28人にインタビュー。取材を通していろんな「人生の選択肢」を届ける特集です。

取材・文:太田冴、撮影:洞澤佐智子、編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

『キッズ・ウォー』に『タッチ』、『ウォーターボーイズ2』──。

私たちの青春をど真ん中で彩ってくれた“双子のイケメン俳優”、斉藤祥太さん・慶太さん(34歳)。

今年デビュー20周年を迎えた彼らは、私たちと同じように年を重ね、私たちと同じように人生に悩む時間を経験してきたらしい。

「双子って、覚えてもらいやすいんですよね」と話す2人は、やっぱりどう見てもそっくり。でも、話してみると驚くほど異なる考え方の持ち主だった。

“双子”という境遇がもたらした運命は「プラマイゼロ」

2人がデビューしたのは、中学生のころ。そもそも俳優を志したきっかけはなんだったのだろうか。

「“双子”っていう特徴からか、幼いころからテレビに出る機会はあったんです。『おかあさんといっしょ』とか、“双子大集合”みたいな趣旨の特番によく出演していました。ただ、中学生くらいになるとだんだんとそういう機会も減ってきてしまって、自分でも『もっとテレビに出たい』と思い、事務所のオーディションを受けました」(慶太さん)

「10代からありがたいことにたくさんのドラマに出させていただきましたが、俳優としての仕事のおもしろさをちゃんと感じはじめたのは、20歳くらいのときです。そういう意味では、俳優を“志した”のはそのころかもしれません」(祥太さん)

左:斉藤慶太さん(弟) 右:斉藤祥太さん(兄)

“双子の俳優”というのは、そう多くはいない。一緒に仕事をする機会も多いはずの2人だが、双子じゃなかったらよかったのに、と思ったことはないのだろうか。おそるおそる聞いてみると、祥太さんは「ありますよ」と即答した。

「双子だということが不利に働くこともあると思います。もし僕がドラマのプロデューサーで、空いている役が1枠しかなかったとしたら、わざわざ双子の俳優の片方を選ばないと思うんです。顔もそっくりで、はたから見たらどっちがどっちかわからないわけですから」(祥太さん)

慶太さんが「でも」と遮る。

「映画『タッチ』のように、双子だからこそ演じられた役もたくさんあります。僕はポジティブなので、過去は振り返りたくないんです。こうしとけばよかった、と思うこともありません」(慶太さん)

さらに掘り下げて聞いてみると、双子だからこそ叶った夢もたくさんあるという。

「2人でハリウッド映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ集団』に出演できたときは、心の底から『双子でよかった』と思いましたね。実は、ヨーロッパだけで流れているテレビCMにも、アジア人の双子という設定でオーディションに受かって出演したんです。双子でよかったことと悪かったことは……プラマイゼロかな」(祥太さん)

「ネガティブなことは言いたくないんです」という慶太さんに対して「でも、それが本音。双子であるメリットもデメリットも全部受け止めている」と達観する祥太さん。

2人の考え方の違いが、どこかリアルでおもしろい。

仕事がなかった時期は「やりたいことをやるチャンス」

国民的な人気を誇ったドラマ『キッズ・ウォー』をはじめ、名作『タッチ』の映画版にも出演するなど、10代で早くも高い知名度を誇る俳優となった2人だったが、20代半ばを過ぎ仕事に恵まれない時期もあった。

「仕事が減っているということは、自分が一番わかっていました。明日も明後日も明々後日も休み、という状態ですから、肌で感じるんです。でも、何かしていないと体がなまってしまうし、いざテレビに出たときに負のオーラが出てしまうのが嫌で、別の仕事にチャレンジすることにしました」(慶太さん)

そこで慶太さんがはじめたのが、ジムのインストラクターの仕事だった。自身の骨折をきっかけに体の仕組みに興味を持ちはじめ、資格を取得。フィットネスクラブで、クラスも受け持った。

「週1回のクラスを約4年間担当しました。俳優としての仕事が少なくてはじめたことだったけれど、自分の興味のあることをやるには、すごくいい時間でしたね」(慶太さん)

同じタイミングで祥太さんも、俳優以外の仕事にも積極的に取り組んだ。

「俳優って、体力勝負なんです。特に僕らは、箱根駅伝のランナー役をやったり(映画『風が強く吹いている』)、隠し芸大会に出演したり、体を使う仕事が多かった。いつどんな仕事が来ても動けるように体は作っておきたいという気持ちがあり、解体業やガスの配管などのガテン系の仕事をしていました」

「まるでその仕事が悪いみたい」ガテン系を隠さない理由

俳優として知名度を上げたあとでの生活の変化に、戸惑いはなかったのだろうか。

「俳優以外の仕事をすることへの抵抗はなかったです。ただ、はじめは正直『バレたくない』という気持ちはありました。昔お世話になったテレビ局の方の家の前でガスの配管作業をしたときがあったんですが、その方が家から出てきたときは思わず顔を隠してしまって。

そこであっけらかんと『〇〇さ~ん!』って声をかけることができたらよかったんですけど……どこかで葛藤があったんだと思います」(祥太さん)

そんなモヤモヤも、次第に吹っ切れていったという。

「もう、誰にどう思われたっていいやって思えるようになったんです。僕、芸能界の友人がほとんどいなくて。いつも家族や地元の友人と一緒にいるおかげで、一般の方と同じような感覚を保てていた、というのが大きいのかもしれません」(祥太さん)

それに続けて「芸能関係以外の仕事をしているのを隠すことで、さらに自分を追い詰めてしまっていることにも気がついた」と話す祥太さん。

「俳優の仕事がしたいからって、業界関係者がよく来るバーで働いたり、お酒の相手をしたりするのは嫌でした。だったら、体を動かして汗かいて働いたほうがいい。それが自分には合っていたんです」(祥太さん)

慶太さんも、スポーツインストラクターだけでなく、水道屋やペットシッターなどを経て、現在は内装の職人もやっている。

「メディアでこういう話をすると、ガテン系のイメージばかり目立ってしまうけれど、僕はとにかく堂々としていたいんです。隠していたら、まるでその仕事がダメみたいじゃないですか。ガテン系に悪いイメージを持っている人もいるかもしれないけど、そんな悪い人ばかりの世界じゃないし、職人さんって本当にすごい。尊敬しています」(慶太さん)

たくさんの職業を経験してきたが、「本業」「副業」という考えでは取り組んでいないという。

「どっちがメインとか、そういうのはないです。今日は俳優の仕事だから気合い入れよう、っていう考えもまったくない。どれも仕事なんだから、やれることを全力でやる、というのが僕らのやり方です。

俳優の仕事は、続けることに意味があると思っています。40歳を過ぎてブレイクする方もたくさんいらっしゃいますから。役者一本でやっている方の中には『そんな気持ちでやっているなら役者やめたほうがいいよ』って言う方もいますけど、僕らはそうは思わないです」(祥太さん)

対価が悪くても、おもしろがりながらやれる仕事がいい

たくさんのチャレンジを積み重ねてきた2人だが、「やりたいこと」をどうやって見つけてきたのだろうか。

「自分の好きな人や尊敬している人に『やってみたら?』と言われたら、やりたくなくてもまずチャレンジしています。続けている人がいるのなら、何かしらおもしろさがあるっていうことだと思うから。まずは踏み出すのが大事」(慶太さん)

「楽しむのは大前提。悩んだら『人生1回しかないから、チャレンジしようかな』と思うようにしています」(祥太さん)

30歳手前で、人生に悩む読者へのメッセージは? と聞くと、こんな答えをくれた。

「たとえ対価が悪くても、おもしろがりながらやれる仕事をしたほうがいいと思う。そしたら、おのずと対価もついてくるんじゃないかな。やりたいことを思いっきりやれる仕事をしているときに、人は一番輝けるはず」(慶太さん)

「人との繋がりが大事。毎日同じ人と一緒にいて同じことをしていても、新しい繋がりは生まれない。旅行、合コン、趣味、何でもいいから、新たな出会いを求めて動くことで、新しい目標も見つけられるんじゃないかな」(祥太さん)

……と、ここでも慶太さんから「人との繋がりも大事だけど、繋がりすぎるのもよくないよ」とツッコミが。

「これでマイナビウーマンの読者の子たちが合コン行きまくっちゃったらどうするんだよ」と笑う慶太さんに対して、「いや、それでいいんじゃない? それで何かが変わるんだったら、それでいいんだよ!」と祥太さんは真剣に返す。

行動派の祥太さんと、堅実的な慶太さん。そんな2人のかけ合いからは、双子という運命も、互いの違いをも受け入れた絆の強さが垣間見えた。

2人が描く自由なキャリアは、これからどんな風に交差していくのだろうか。

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