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「恐れ入ります」の意味と正しい使い方は? 恐縮です・すみませんとの違い【例文付き】

川道映里(マナー講師)

「恐れ入ります」の類語・言い換え表現と意味の違い

「恐れ入ります」の類語として用いられるのが「恐縮です」や「痛み入ります(いたみいります)」です。意味を詳細に紐解くと、それぞれニュアンスの違いが見えてきます。

よりかしこまった表現「恐縮です」

「恐縮」という言葉を日本語大辞典を引くと、「恐れ入って身を縮めること。また、感謝や申し訳なく思う」といった意味があります。

つまり、現在は「相手に迷惑をかけたり厚意を受けたりして申し訳なく思う」という意味で使われています。

ビジネス文書やビジネスメールなどのかしこまった状況では、この「恐縮です」を用いるほうが、相手にフォーマルな印象を与えるでしょう。

感謝の度合いが強い「痛み入ります」

相手の言動に対して心が痛くなるほど申し訳ない、恐縮するという意味がある「痛み入ります」。日常生活ではほとんど使わない改まった表現ではあるものの、これも「恐れ入ります」の類語です。

基本的に意味の違いはありませんが、相手へ感謝の気持ちを表すときは「恐れ入ります」よりも「痛み入ります」のほうが、感謝の度合いは強いといえます。

お詫びと感謝の「お手数をおかけします」

感謝とお詫びを伝える「恐れ入ります」の言い換え表現として、「お手数をおかけします」があります。これは「時間と労力をとらせてしまうかもしれない」というお詫びの気持ちを含むと同時に、相手への感謝も込められています。

カジュアルな印象の「すみません」

次に、よく用いられる言葉が「すみません」です。「すみません」も相手へのお詫びやお礼、依頼をするときに用います。ただし、ビジネスシーンなどで使うと、カジュアルな印象になるので、控えたほうがいいでしょう。

自分に非がある謝罪は「申し訳ございません」

最後に、使い方に注意が必要なのが「申し訳ございません」です。

例えば、自分の言動に非がある場合、謝罪の気持ちを込めて「恐れ入ります」と言うのをよく耳にします。この場合、正しくは「申し訳ございません」を使います。

「恐れ入ります」は、自分に非はないけれど相手に配慮したいときに用いる言葉と理解するのが良いでしょう。

敬語「恐れ入ります」は正しく使い分けよう

意味をいくつか持つ便利な言葉は、まず含有するニュアンスを正しく理解しておくことが大切です。

「恐れ入ります」は相手の立場を思いやり、さらに敬意を表すプラスの言葉。

まずは、本来の意味を知り、臨機応変に使い分けることで、あなたの気持ちが相手に届くことを願っております。

(川道映里)

※画像はイメージです

※この記事は2019年11月28日に公開されたものです

川道映里(マナー講師)

ヒロコマナーグループアドバイザー、徳島文理大学短期大学部講師。

四国地方を中心にマナー講師として活動。その後、マナー界のカリスマ・マナーコンサルタント西出ひろ子氏の提唱する真のマナー論に感銘を受け、西出ひろ子氏に師事。同氏のもと、四国初のマナーコンサルタントの資格を習得し、徳島を拠点に全国の企業や自治体、学校などでマナー研修・コンサルティングを行う。現在は、徳島文理大学短期大学部で講師として「社会生活とマナー」「コミュニケーション論」「ホスピタリティ入門」などの授業を担当。著書に「感じがいいと思われる敬語の話し方」(ナツメ社)、「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)などがある。

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