欲がない人の特徴や心理とは? 欲がないのは幸せorつまらないの結論
「欲」は必要? デヴィ夫人の人生に学ぶ
現在の若者にも欲があるとわかったところで、「欲」とは人生において必要なものなのか、デヴィ夫人の人生から考えてみましょう。
豪華絢爛で波乱万丈なデヴィ夫人の人生
「欲」を駆り立てるものは、欠乏や競争です。
日本人でありながら、インドネシア建国の父、スカルノ大統領と結婚し、第三夫人となったデヴィ夫人。
『デヴィ・スカルノ自伝』(文藝春秋)によると、夫人は極貧家庭に育ったそうです。子どもの頃から美しく、勉強も得意だった夫人ですが、家計を支えるため、中学校を卒業してすぐに企業に就職します。
「世界にはばたく人になりたい」と希望に燃えて社会人となった夫人ですが、女性の社会進出などまるでなされていない時代でしたから、企業で働き続けても出世の見込みはありませんし、芸能事務所に所属して女優を目指していましたが、そう簡単にスターにはなれないと気づいてしまいます。
英語が堪能な夫人が外国人専門の高級クラブの存在を知ったのは、その頃でした。
ヘルプのホステスとして2時間座っているだけで、会社員の1カ月分のお給料をもらえることに気づき、夫人は会社をやめて専業ホステスになります。昭和30年代に夫人は月に100万円代ものお給料をもらっていたといいますから、どれだけの売れっ子だったのかわかるというもの。
このクラブで知り合った商社マンの口利きで、スカルノ大統領と知り合い、インドネシアに渡るわけですが、その後の人生も波瀾万丈です。
まず、すぐにスカルノ大統領と結婚できたわけではなく、しばらくは日陰の身でした。インドネシアには別の商社が送り込んだ日本人女性の愛人がいることを知らされます(この女性は、のちに自殺してしまいます)。めでたく第三夫人となった後も、第二夫人にいじめられる日々。
スカルノ大統領は女好きで、他の日本人女性とも関係を持つことをやめませんでした。夫人に内緒でこっそり第四夫人をもらいます。女性問題に悩まされたデヴィ夫人は、修道院に家出したり、自殺未遂を図っています。
クーデターに巻き込まれて国を追われ、日本を経由してパリに亡命もしました。
波乱万丈で豪華絢爛な人生ですが、その分、苦労も多かったのではないかと推察します。
「欲」というのはハイリスク・ハイリターン
夫人の人生を見てもわかるとおり、欲を持つ人は、その分努力するでしょうから、成功して認められることも多いでしょう。
しかし、努力ですべてがどうにかなるほど、世の中は甘くありませんし、ハイレベルな集団に身を置くほど、競争は過酷になります。
成功した新参者をいじめる人もいるかもしれません。そういう悔しさをバネに、さらに1ランク上がろうとする人もいるかもしれませんが、それと同じくらい、心を病んでダメになってしまう可能性だってあるでしょう。
欲というのは、ハイリスク・ハイリターンなのです。
欲がないのは幸せなのか
欲のない人は、見返りはないかもしれませんが、心穏やかに生きていくことができます。嫉妬されることも少ないですから、みんなに優しくしてもらえるという利点もあります。
そういう意味では、欲がないことで穏やかで幸せな人生が歩めるかもしれません。
「欲が強い」「欲がない」は生まれつきの体質
現在の若者にも「欲」はありますし、「欲がない」ように見えるのは、「欲」の質が変わったからです。
また、欲を持つのは悪いことではなく、成功への原動力となりうるものです。一方で、穏やかな人生を送るなら欲がないほうが幸せになれるかもしれません。
ただ、欲のあるなしは、風邪をひきやすいとか全く風邪をひかないとかと同じで、ある程度生まれつきの体質だと思うのです。
今、特に欲を持たないのは、持つ必要がないから。逆に自分の中にふつふつとわき上がる何かを感じるのなら、それに従って進めばいいのではないでしょうか?
どちらの人生も素晴らしいものだと思います。
(仁科友里)
※画像はイメージです
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※この記事は2019年11月12日に公開されたものです