日本と中国を行き来するマーケターのご褒美とは #私のご褒美ギフト
みんな何を楽しみに、日々働いているの? 現代の女性たちのさまざまな働き方を取材し、「これがあれば、またがんばろって思える!」という彼女たちのご褒美を教えてもらいました。
女性のしなやかキャリアをサポートするキャリアカウンセラー・舛廣純子さんが、さまざまな働き方をする女性たちのご褒美を探る連載【私のご褒美ギフト】。
今回は、Twitterアカウント@chinshonatsuyoで発信する中国カルチャーやさまざまな情報が注目されているマーケター・陳暁夏代さんを取材しました。
陳暁夏代さん
DIGDOG Ilc.代表
日中の背景を持ち、フリーで中国の数々のイベント司会・通訳、日系企業の進出支援、アジア3都市でのファッションイベントなどを企画運営。日本の大手広告代理店勤務後、DIGDOG Ilc.を立ち上げる。エンターテイメント分野や若年層マーケティングに精通し、日中の企業の課題解決、進出支援、ブランディングなど、さまざまなコンサルティングを手掛ける。
中国のリアルタイム情報を自分なりに発信
幅広い情報収集力と独自の分析視点を活かし、Twitterアカウント@chinshonatsuyoで中国のカルチャーやエンタメ情報を的確に発信し、支持を得ている陳暁さん。その知識や情報収集力、分析力は日中の企業の進出支援やブランディングといったさまざまなビジネスにもつながっています。
「ネットでは拾えないような新しい情報を自分で探し、自然体の自分の言葉で、人に影響を受けない発信をすることを大事にしています。そうすることで、独自性が増し、型や職業にとらわれないフォロワーにもフィットしているようです」と自身のことも冷静に分析しています。
でもそんな陳暁さんもかつて日本の広告代理店に勤めていたときは、「自律性を見失い、空気を読んで変に同調モードに自分を閉じ込め、本来のキャラクターや志向とちがう自分だったときもありました。そのほうが楽だったので」とのこと。
「今は仕事でも本音の意見でブレストができ、そこが求められていることでもあるのだと思います。先の見えない変化の時代……これまでの経験があまり活かせなくなっている時代です。定量の情報より、目先の信頼する人間のセンスを信じたい。その人の本音を知りたい、そういう時代であることを肌で感じています」
赤いリップはテンションが上がるパワーアイテム
「基本的にモノは極力持ちません」と陳暁さん。仕事がない限りPCは持たず、普段は財布と携帯とリップだけ。カバンは持たず、キャッシュレスの上海では財布すら持たないミニマリスト。「いつでもコンビニに行くように、常に身軽にどこにでも行ける自分でありたい」というのがその理由。
「荷物が重いことで私のフットワークを制限されたくないんです。人は身軽なほうが絶対いい。背負うものが多いと、腰も重くなります。新たなインプットを求め、毎月いろんな場所に行くようにしていますが、海外でも2週間ぐらいならリュックひとつで行きます。日本人も中国人も行かないようなエリアに気軽に行き、現地の人しか知らないような情報をキャッチしてSNSで発信したとき、みんなが知らない情報に触れ、価値観が変化していく様子を見られるのが私の楽しみです」
普段は、リップ以外は薄メイクの陳暁さんですが、ブランド問わず真っ赤なリップを塗ると、自分の中にパワーが湧いてくるそうです。
「常にモノは最小限にしている私でも、赤いリップだけは持ち歩いています。つい先日もインドで、リップを忘れたことに気づき、急にテンションダウン。現地ですぐに買いに行きました」
世界を軽々と行き来するミニマリストのマストアイテム、赤いリップ。小さいですが、なかなかのツワモノですね。
(取材・文:舛廣純子、イラスト:ヤベミユキ)
※この記事は2019年11月12日に公開されたものです