自己憐憫は「悲劇のヒロイン」気取り? 心理と克服法
見直すべき? 自己憐憫が良くない理由
誰でも非常に辛いことがあったり、多くの不幸が重なったりすると「私ほどかわいそうな人はいない」という感情に陥るものです。
したがって「自己憐憫=悪い感情」ではありません。
しかし、自己憐憫感情はすべての事象に応用ができてしまいます。
何においても「そんな私はかわいそう」という結論が成り立つのです。かわいそうな人を慰め、甘やかしてくれる人は多いため、そこはある意味居心地が良く、ここに逃避する癖がついてしまいます。
とはいえ、ネガティブな感情を受け止めるほうは疲弊していくため永遠に癒してはくれません。
つまり自己憐憫感情は依存と隣り合わせ。依存先がなくなったときにひとりで立てる力がなくなっている危険があるのです。
自己憐憫感情の克服方法
すぐに悲劇のヒロイン思考になってしまう自分を直したい。そう思ったとき、どんな習慣や考え方の癖をつけるとよいのでしょうか。
最後に、自己憐憫になってしまう自身との向き合い方のコツを紹介します。
(1)やみくもにネット上で発信しない
つらい体験をしたときに感じたことを吐き出すのは悪いことではありません。
しかし、インターネット上に吐き出すのであれば「同じ体験をした人の参考にしてほしい」などきちんと目的を持って書きましょう。
やみくもに自己憐憫感情を吐き出していくと、最初は優しい言葉をかけてくれる他人も次第に疲弊します。また、弱った感情に付け入ろうとする人に利用される危険もあります。
(2)「感謝」を意識する
1日に1回「ありがとう」の言葉を使うことを意識してください。
これを意識すると感謝することを探すようになるため、自然と他人の気持ちや立場に意識を向けるようになり、意識が自分に集中しすぎることを防いでくれます。
(3)過去は気にしない
自己憐憫の感情は、過去を振り返れば返るほど「思えばあのときも私はかわいそうだった」というように肥大化していきます。
過去を変えることはできません。
過去を振り返って自己分析することは良いことですが、そこに「過去の感情」までを入れ込んでしまわないように注意しましょう。自己憐憫に逃避する癖を修正していこう!
自己憐憫に逃避する癖を修正していこう!
いかがでしたでしょうか。
みなさんは自己憐憫に酔いやすい自分、すぐに悲劇のヒロインになってしまう自分にどこか居心地の悪さを感じているからこそ、このコラムにたどり着いたのではないかと思います。
他人は憐れみをくれますがそれ以上は何もしてくれません。
自分の感情の居心地の悪さを変化させることができるのは自分だけです。対処法を参考に、自己憐憫感情に逃避する癖を少しずつ修正していきましょう。
(小日向るり子)
※画像はイメージです
※この記事は2019年08月27日に公開されたものです