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私、不倫をやめました。既婚者を愛した女性の葛藤 #現場からは以上です

大庭スミ(メンタル恋愛カウンセラー)

メンタル恋愛カウンセラー・大庭スミが、「パパ活女子」や「マウント女子」など今気になる女性たちに独占取材をし、現場の生の声を届ける連載。インタビューを通して、彼女たちの実態を探ります。

現場の生の声にスポットをあてる本連載。第3回は、マイナビウーマンの特集「やめた女たち」にちなんで、約1年前に不倫をやめた関西在住の真由さん(仮名)にインタビュー。知っているようで意外と知らない不倫の実態について、生の声をお届けします。

――まず簡単に自己紹介をお願いします。

現在26歳です。兄妹が多い環境で育ったからか、幼少期のころから男っぽいキャラといわれます。芸術に興味があってそっちの道に進学したりもしましたが、途中で退学して今は販売業関連のお仕事をしています。恋愛については、10代のころも男性からアプローチを受けたことはありますけど、交際をするようになったのは20歳くらいのときでしたね。

――初めて彼氏ができたのはわりと大人になってからだったんですね。今回は不倫経験のある女性ということでお話を聞いていきたいと思うのですが、いつごろから不倫するようになったんですか?

20歳からはじまった交際が、実は不倫でした。社会人になってすぐだったと思います。

――不倫相手と知り合ったきっかけと、どのような流れで不倫関係になったか教えてください。

これまで2回の不倫経験があるのですが、ひとり目の相手は仕事を通じて知り合いました。ひとつ年上で、普段は温厚でしたけど、仕事のことになるとちょっとキレやすいところもありました。相手が風邪を引いていたときにのど飴を渡したことをきっかけにアプローチを受けるようになりました。

最初は既婚者だって知らなくて、1年くらい関係があったのですが、既婚者だと知ってからも別れられなくて。最終的に、私と妻以外のほかの女性と彼のあいだに子どもができたことをきっかけに別れました。

――壮絶な別れですね……。もうひとりの方と不倫関係になったのは、どのような経緯だったのでしょう?

2人目の相手は、既婚者だと事前に知ってたんです。23歳くらいのときに転職を機に出会いました。転職先の先輩にあたる人で、アラフォーでスラリとした細身のスタイルでした。The・仕事人間な人でしたけどかんしゃく持ちなところがあって、気難しい面もありました。相手からアプローチを受けて関係を持つことになったのですが、仕事について有益な情報を教えてもらうことができた一方で、仕事中でも感情的にあたられることもしばしばありました。

――その後、彼が既婚者だと知ってから、関係を続けることに対してはどのように感じていましたか?

今振り返ってみると、アプローチされたからお付き合いという流れが多くて、そもそも私自身が相手にどんな気持ちを抱いていたかはっきりとしていなかったかもしれません。2人目に関しては、いわゆるデートDVというんでしょうか。仕事以外のプライベートな時間も束縛されたり、「今、何をしているのか」を問い詰められたり、精神的な負荷が大きかったです。でも不倫だから誰にも悩みを話すことができなくて、つらかったです。メンタルヘルスの調子を崩すこともありました。

――たしかに不倫関係になると他者に話しづらいでしょうし、そんな閉塞感が心の柵となり、不倫を続ける要因につながったような印象も受けます。最終的にどんな流れで別れに至ったのでしょう?

2人でいる時間以外はもちろん、仕事中も高圧的な態度をとられていたことで、だんだん自分もつらい気持ちでいっぱいになってました。別れようということを伝えてもなかなか応じてもらえず、どうしようかと考えていたのですが、私と彼のLINEのやりとりを相手の奥さんに見られ、また仲裁に入ってくれる協力者もいて別れることになりました。それが昨年のことです。

――なるほど。お話を聞いていると、真由さんがご自身でおっしゃる通り、アプローチが積極的であったり仕事へのエネルギーがあったりする異性との不倫が多かったように感じますね。そのあたりについて、なぜそういう人と不倫に至るのかうかがいたいのですが……。

言い訳っぽくなってしまって申し訳ないのですが、私は“自己肯定感”がすごく低いと思っているんです。だから人に褒められたりするとうれしくなって、その結果アプローチをしてくる既婚者を振りきれず、自力で別れられないことが多かったです。

あとは、恋愛について考えはじめたのが非常に遅くて、特に自己肯定感が低すぎるあまり「私のことを知れば離れていくだろう」と思い込んで、結果的に相手を試すような駆け引き行為のようなものが増えて、より親密になってしまうという結果を招きやすかったと考えています。不倫をやめてからは、恋愛とは、好きになるとは、愛するってなんだろうと日々考えていました。

――たしかに、一般的に自己肯定感といわれるもの、真由さんの場合「自分に対する自信の低さ」が不倫を引き寄せていたのではないかと思います。恋愛について考えはじめたのが遅かったということでしたが、考えていく中で気づいたことはありましたか?

いろいろ考えましたけど、兄妹に言われた「好きになってくれた人を好きになるんじゃなくて、自分が好きになった人のことを好きになりなよ」という言葉が私のターニングポイントといってもいいかもしれません。

私はずっと不倫もしてきましたし、自分にはいつか罰が下るだろうとどこかで思っているのですが、自己肯定感の低さが招いたいびつな関係を断ち切るには、まず自分で自分の身を守ることが大切なんだと思います。自分を大切にするっていうのは付き合う前に体の関係を持たないように心がけるとか、その上で相手のことが本当に好きか考えるとか。単純に寂しいから不倫を選ぶのではなく、自分の気持ちとどう向き合っていくのかなのではないかなと。まだ考えることはたくさんありますけどね。

――自分なりの振り返りをもって毎日を過ごしていくのは大切なことだと思います。昨年不倫関係を終えてからはどんな恋愛をされてますか?

さっき不倫の仲裁に入ってくれた人がいたと話をしましたが、その人が現在の彼氏です。マッチングアプリで出会ったのですが、自分の当時の状況について受け入れてくれて、対等な関係を持てていると思います。対等だからこそただ受け身でいるだけではなく「寂しい」という気持ちや「ありがとう」という感謝の言葉など、思ったことを彼にまっすぐ伝えられるように努力して、私も自分なりの誠意を持って付き合えていると感じています。

――最後の質問になりますが、たとえば身近な人が不倫をしていたら、どのように感じて、どんな声をかけたいですか?

やめるかどうかは本人が決めるしかないとは思いますが、まず「気持ちはわかるが絶対にやめておいたほうがいい」と感じます。今どのような状態かよく聞いて、やめたいと思うなら協力し、やめるつもりがない場合は私の実体験などもふまえて話し、やめられるように説得します。

―――

「不倫はするものではない」ということをわかっていても、人の心の谷底に水のようにスルリと入り混んで断ち切り難くなってしまう葛藤を、現場の声を聞く中でひしひしと感じました。

真由さんが言っていた「不倫に至る気持ちはわかるが、絶対にやめておいたほうがいい」という言葉が、読者のみなさんの心にも刻みこまれますように。

現場からは以上です。

(大庭スミ)

※この記事は2019年04月14日に公開されたものです

大庭スミ(メンタル恋愛カウンセラー)

日頃メンタルヘルスや恋愛の相談を受けている、メンタル恋愛カウンセラー。思わずあるある! と共感するような恋愛エピソードや、恋愛に活かせる考え方のコツの紹介を強みとしています。厳しい現代で働く女性がホッとひと息ついたり、ステキな恋愛につながったりするような記事を書けるよう日々奮闘しています。最近ハマっているのはマカロンの食べ比べ。ショコラ専門店のみならず、コンビニスイーツも侮れません!
【Twitter】https://mobile.twitter.com/sumi19191

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