「35歳で結婚できないとヤバい」と焦る女性へ伝えたいこと
こんにちは、ライターの仁科友里です。
結婚の平均年齢が上昇しているというニュースを聞いたことがあると思いますが、今日は「結婚と年齢」について考えてみましょう。
「○歳までに結婚できないとまずい」と焦ってこの記事へ辿り着いたあなたに、ぜひ知っておいてほしい話です。
俗にいう「結婚が遅い」とは完全なる主観
「結婚が遅い」と誰かに言われたとしましょう。
もし、あなたが結婚願望のある独身だった場合、傷つくかもしれませんが、ここでいう「結婚が遅い」は、あくまでも「発言者と比べて」です。
発言者が交際1年で結婚した場合、交際3年でも結婚しないカップルは「結婚が遅い」ことになりますし、10代で結婚したギャルから見れば、30歳を過ぎて独身の女性は「マジ結婚遅い」のです。
前提として発言者と比較した結果の「結婚が遅い」なので、「何歳なら遅い」のではなく、向こう(発言者)の都合だと思ってください。
「35歳を過ぎた独身女性は焦る」といわれる理由
それでも「35歳をすぎた独身女性は焦る」というようないわれ方は、よくされます。
本当に35歳がターニングポイント?
けれど、私が婚活中の女性とメール交換をしていると、35歳で焦っている人に遭遇したことはありません。私の読者さんに限っていうと、婚活中の女性の焦るポイント年齢は(1)28歳、(2)33歳、(3)38歳で す。30歳、35歳、40歳という区切りのいい年齢を前にすると、結婚について考えるのではないでしょうか。
それでは、なぜ35歳という年齢にスポットが当たるかというと、それは35歳を過ぎると、結婚(する)率が低くなると報道されているからではないでしょうか。国勢調査をもとに35歳の女性が40歳までに結婚できる確率をはじきだすと、2%程度といわれています。
結婚率は年齢と共に緩やかに下がっていきます。
たとえば、国勢調査をベースに考えると、30歳の女性が35歳までに結婚している率は30%台であり、3人にひとりしか結婚できていない計算になります。
独り歩きする「35歳をすぎるとヤバい」
ですから、35歳をすぎて突然結婚率が下がるわけではないのですが、メディアはショッキングな数字が好きですから、「35歳をすぎるとヤバい」という情報が独り歩きしているのではないでしょうか。
ちなみに女性ばかりが「結婚できない」と強調されますが、35歳を過ぎた男性の結婚率も女性とほぼ同じです。
35歳まで婚活しなかった理由は「必要性のなさ」
それでは、35歳をすぎた人がなぜ本腰を入れて、婚活をしないかというと、それはこれまでの人生が幸せだった、恵まれていたので、結婚について深く考えなかったから、という理由が考えられます。
たとえば、仕事が苦手で、会社員であることが性に合わないから、誰かに食べさせてほしいと思う人であれば、若さを武器にさっさと婚活をしているはずです。
同じように毒親家庭に生まれ、罵倒と過干渉を経験してきた人であれば、「どうにかして、この家を出よう」と思うはずです。不倫をしていた友人は、自分が常にセカンドであることに耐え切れず、婚活をしました。
このように「結婚したい」という強い意志の裏の何割かは、「必要に迫られた」という背景があるわけです。35歳まで婚活に本腰をいれなかった人は、人生や仕事、環境に恵まれていたので、切実にがんばる必要がなかったのではないでしょうか。
「35歳を過ぎて未婚」じゃまずいのか
この記事をお読みの方のなかには、35歳くらいの方もいらっしゃることと思いますので、そういったみなさんに質問です。
あなたの後輩が社内の昇進試験に落ちました。その後輩から「同期は受かったんですけど、私は落ちちゃいました。まずいですか?」と聞かれたら、どう答えますか?
「まずいかどうかよりも、受かりたいのかどうか」「どうして受からないのかを考えよう」とアドバイスするのではないでしょうか。
「〇〇だとまずい」のスタンスじゃうまくいかない
「〇〇だとまずい」と人がいうとき、気にしているのは合否よりも、結局「〇〇でないと人から劣っていると思われる」という他人からの評価ではないでしょうか。
昇進試験が来年もあるのなら、今年受からなくてもいいです。しかし、「人からどう思われるか」ばかり気にして、具体的な対策を打てないなら、来年も同じことの繰り返しではないでしょうか。
婚活も仕事も一緒です。
一生懸命やっているのに、どうもうまくいかないときは、どこか、何かがズレてしまっているのです。その間違いを探そうと思えるか、見つけたとして認められるかどうかが大事なのです。
結婚できないと焦るあなたへ
婚活というのは、実は一番努力が報われる分野ではないかと私は思っています。
オーディションは何万人のなかからひとりしかグランプリは取れず、残りは敗者です。
椅子取りゲームは必ず誰かがあぶれることになっています。コンペであれば、敗者にチャンスは二度とありません。
しかし、婚活はマッチングですから、チャンスは制限されていません。優れている女性になる競争ではなく、メリットのある女性になれるかがポイントになります。
“人目”と“自意識”はちがう
にもかかわらず、婚活が進まなかったり、「一生独身かも」と思ったりするときは、「自意識が強すぎないか」を考えてみてほしいと思います。
“人目”と“自意識”のちがいについて、考えてみたことがありますか?
無人島で生活していない限り、私たちは“人目”にさらされて生きていることになります。しかし、“人目”と“自意識”は似ているようで、まったく異なるものです。
たとえば、あなたが黒いニットを着ているとします。
「今日、〇〇さんが黒いニットを着ている」のは人目です。
それに対し「黒いニットを着ている私を、みんなが見ているはず」とか「黒いニットを着ている私は、周囲に素敵だと思われている」というのが自意識です。
黒いニットは単なる黒いニットであり、そこに意味はありません。
しかし、自意識の強い人は単なる事実に勝手に主観をのせていきます。
その結果、最終的には「黒いニットを着ているとイタいと思われる」とか「周囲があれこれ言うから、黒いニットが着られない」といった具合に、自分で自分の行動をしばってしまうのです。
「人をあっと言わせる結婚」って重要?
もしみなさんが毎日の生活のなかで、幸福感や満足感を得られないとしたら、それは何かが足りないからではなく、自意識が強すぎるからではないでしょうか。
特に結婚は、決まった日にゴミを出すというような地味な作業の連続ですから、自意識が強すぎる人にはつまらないものかもしれません。
自意識が強い人は、「人をあっと言わせる結婚がしたい」と考えがちです。
条件のいい人ばかり狙って空振りを続けたり、自分より格下の人とする結婚こそ、純粋な愛だと萌えてしまったりすることがあります。
山崎アナの結婚に見る「メリットを与え合う関係」がベスト
しかし、条件が上とか下とかは問題ではないのです。
2人が協力して、お互いにメリットを与え合えるかどうか。
たとえば、フジテレビの山崎夕貴アナウンサーが、お笑い芸人・おばたのお兄さんと結婚して話題を呼びました。
青年実業家やメジャーリーガーなど高収入職と結婚するのが当たり前と思われていた女子アナ。しかし、売れているとはいいがたい芸人と結婚する山崎アナは、収入で男を選ばない、いい人だとして好感度を上げたという報道もありました。
それでは、この結婚を現実的に見てみましょう。
山崎アナは「家事が得意ではない」「尽くすのも好きではない」と話しており、対するおばたのお兄さんは家事が嫌でなく、収入が少ない。山崎アナが稼ぎ、おばたのお兄さんが家のことをするという分担ができている、という意味でメリットがある結婚です。
もし山崎アナが外食を嫌うイチローのようなメジャーリーガーと結婚したら、山崎アナ、イチロー双方とも心の平安は得られないでしょう。
それぞれが得意なことを活かして、相手にメリットをもたらすという意味では仕事も婚活も一緒です。
「若いときにしなかったら、もう結婚できない時代」は終わった
婚活をしていると、「一生独身かも」と思うこともあるでしょう。しかし、結婚が一度という時代は終わりつつありますし、シニア婚も盛んになってきています。事実婚もこれからもっと増えていくことでしょう。
「若いときにしなかったら、もう結婚できない」という時代ではないのです。
また、結婚をすればもれなく幸せになれるというわけでもないことを、すでにみなさんはご存知だと思います。
こういう時代を生き抜いていくためには、ひとりの人間としてのメリットを持ち続けること。きちんと仕事をし、男女問わず人間関係を培って、精神と健康の維持に努めることが、結局は結婚への近道になるのではないでしょうか。
(仁科友里)
※画像はイメージです
※この記事は2019年03月05日に公開されたものです