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医学部の減点問題に隠された「たったひとつの真実」

マイナビウーマン編集部

つい先日、いつものようにダラダラと缶チューハイを飲んでいたときのこと。テレビからこんなニュースが流れてきた。

――ある大学が、医学部の受験で女子を一律減点にしていた。

最近この手の問題がよくニュースで取り上げられる。“医療業界における男女差別問題”……声に出すだけで知恵熱が出て、結局病院にお世話になりそうなこの問題。

「そのせいで落とされた女子がめっちゃかわいそうだと思います」というバカ丸出しの感想しか出ない自分がいる。深夜0時過ぎ、この先の人生で医師を志すことは残念ながら絶対にないだろう34歳小太りの私。またひとつ現実から目を逸らし、ポテチの袋を開けようとしたその瞬間、信じられない言葉を耳にした。

――大学側としては、女子のほうが男子より精神的な成熟が早くコミュニケーション能力が高い傾向にあるが、入学後は男子も成熟が進み、コミュニケーション能力差が縮小されるため、その部分を考慮した。

ちょっと待ってください、みなさん。おかしくない? まあ、いろいろおかしいからこうやってニュースになっているのだろうけど、私が一番違和感を覚えるのは、大学側が主張する“医学部入学後に上がる男子のコミュ力”の部分ね。十数年間成熟しなかったコミュ力が、医学部に入った途端に成熟をはじめるとは何事か。まだ青いからって、油断してたバナナじゃあるまいし(下ネタなどでは断じてない)。

ここからは、“完全なる妄想”と“壮大な変態的解釈”から、そのコミュ力とやらを勝手に考えてみる。

医学部に入学したAくんのコミュ力が急激に上がる理由(※妄想)

Aくんは中高一貫の男子校生で、普通の真面目な男の子として生きてきた。受験生になれば日夜勉強に励んだ。どちらかといえば天才肌ではなく努力家のAくん。父の病院を継ぐために必死に勉強していた。

男子校で6年間大人しく真面目に過ごしてきたAくんは少々シャイで、人の目を見るのが苦手な子(そんな子は世の中にたくさんいるから何の問題もない)。Aくんの努力もむなしく、受験の点数はギリギリの不合格(またがんばって1年勉強したらいい)。でも大学は、彼の“コミュ力の将来性”に賭けて合格させることにしたのだ。理由は、彼が男の子だから。その事実を彼は当然知らない。

こうやってAくんは晴れて念願の医学部生になった。受験のプレッシャーからの開放感はすさまじい。

初めて誘われた合コンで医学部生だと打ち明けた途端、女子数人の目が変わる。なぜかとてもやさしいのだ。戸惑うAくん。お母さん以外の女子と話すのは小6のとき以来だ。恥ずかしいのでうつむきながら話すAくんに、女子大生たちはみな顔を近づけて一生懸命に聞いてくれる。女子大生の髪の香りがこんなにも芳しいと知った、18の春。

夏休みになると、6年間で一度も話したことなかった中高時代の同級生男子が、有名大学主催のパーティサークルに招待してきた。医学部の勉強が忙しいので、パーティにはたまに顔を出す程度。すると、かわいい華やかな女子たちはAくんに駆け寄ってくる。思いきって自分から会話をしかけると、彼女たちは手を叩いて笑ってくれたりする。

そんな“成功体験”を重ね続けて、Aくんはすっかり変わっていく。大学2年生にもなると、かわいい彼女をとっかえひっかえのナウでヤングな医学部生へと進化(退化?)を遂げる。そのころのAくんのコミュ力といえば、廊下ですれちがった誰もが恐れる堅物の教授にさえ軽口をたたけるほど。そして教授は確信するのだ。やはり男女のコミュ力の差なんて大学生になればすぐになくなるじゃないか、我々の決断は英断であると。

アホやんか。すごいアホやんか。これぞまさに“医者の子は医者”現象である。

そもそも、その“コミュ力”は本当にAくんの力で得たものなのか。医学部生という肩書きが持つ“特殊さ”を、大学も男子学生も自覚するべきだ。

人間はいきなりおもしろくなったり、急にコミュ力が上がったりしない。だからその手のコミュ力がない人は、ちがう部分できっと勝負できる。あと、Aくんのためを思って言うけれど、目の前の女の子の微笑みは、君のコミュ力のおかげではなく“医学部生の彼女になれる可能性”にほくそ笑んでいるだけの可能性が高い。

晴れて医者になったAくんのコミュ力について(※妄想)

そもそも、である。医師に求められるコミュ力ってなんだろう。Aくんがパーティや合コンで手に入れたコミュ力とは絶対にちがう気がするのは私だけ? まず、そのコミュ力を使う主戦場がちがうよね? 前者の主戦場は患者さんと対峙する病院、後者はいわゆるパリピが多く生息するクラブなどの遊び場なんじゃないか。私は、病院の待合室で患者が「先生のコミュ力サイコー!」と叫んでいるのを聞いたことはない。

心配だ。Aくんのことがとても心配でしかたない。こうなったら眠れない。やがて“勘ちがいコミュ力モンスター”と化したAくんは、父親の病院を継ぐことになる。それはまずい。パリピ風に言うと、マジ鬼やばくない?

だってこのままだと、ある日喉が痛くて偶然Aくんの病院を受診しにきたグラビアアイドルに、Aくんは「君、めっちゃ胸大きいね!」って言ってしまうからだ。そんなことは絶対に阻止したい。いや、もうこれは私しか阻止できる人間はいない(妄想だから当たり前)。

医者としてのコミュ力とは何か。早急にロールモデルなる人が必要だ。そこにひとりの人物が頭に浮かんだ。

Aくんには『Dr.コトー診療所』のコトー先生を見習ってほしい。患者に寄り添い、やさしく話を聞き、小さな変化も見逃さない、そんでもって大事なときに適切な場面での決断力。医者として必要なコミュ力はコトー先生が全部持っている。コトー先生はグラビアアイドルを診察しても胸は見ない、喉を見る。仮にチラッと見てしまっても、言及はしないだろう。ここが大事。

Aくんのような悲劇が起こり続けた未来を想像してみる。もしかしたら私たちは診察室でいきなり「ヘイ! ヘイ! ドクター!」と歌いながら踊りだす医者を、熱で朦朧としながら見つめることになるかもしれないのだ。

だからお願いがある。全女子に告ぐ。医学部生という肩書きに目をくらませて、コミュ力のボーダーラインを下げないでほしい。声が小さくて聞こえなかったら、「え!? え!?」ってちゃんと聞き直してほしい。医学部の男の子だからって理由だけで甘めの採点つけるの、やっていることはあの大学と一緒かもしれないからねって話。はい、疲れた、もう寝る。

(マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです
※Aくんの設定は完全なる妄想です。実在の人物や団体などとは関係ありません

※この記事は2018年12月12日に公開されたものです

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