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コラム デート・カップル

100万円の婚約指輪を買ったのに、結婚できなかった男の話 #素人の恋愛

マイナビウーマン編集部

前回は、遊び人風の刈り上げ男性に「痛い目にあった恋愛の話」を聞いた編集部のさちことあーりん。今回は、気の毒すぎる恋愛経験を持つ男性に話を聞いてみました。

夜ごはんを食べていない私たちは腹ごしらえをしようと思い、相○屋へ向かう。このお店は、異性と出会える有名スポットのひとつ。女性ならタダで飲み食いができるらしい。最近引っ越してお財布がピンチなので、来週また来ようと心の中で誓った。

あーりんはここ数日食欲が止まらないようで、「とりあえず炭水化物、まず炭水化物」と取り憑かれたように炭水化物を注文。取材には絶対適さないニンニクたっぷりのペペロンチーノとトマトのリゾットを勢いよく平らげる。まわりの女の子たちはかわいく飲み物をチビチビやっている中、明らかに異様な2人組だったと思う。でも、もういいの。どうせ誰からも相手にされないんだもん。

運ばれてきた料理をせっせと胃に詰め込んでいると、店員さんが2人組の男性を連れてきた。これといって特徴がない。特徴がなさすぎて、もはや従兄弟とかにいそう。たまに会う親戚顔。女友だちに彼氏として紹介されたら、「よさそうな人だね!」という言葉しか出ないやつ。まさに「ベスト・オブ・よさそうな人」。

素人2:Yさん(29)

Yさん:すごい量の料理を食べてるけど、さっき山から下りてきたとかですか?

さちこ:ちがうんです。いつもはもっとおしとやかなんです、私たち。今日は本当にたまたまなの。

あーりん:あの、取材させてもらえません? やっぱり今日の目的は、女の子のお持ち帰りですか?

Yさん:話のタネに来てみただけなんです。だから、女の子とどうにかなろうとは正直思ってなくて。

さちこ:こいつのあだ名は嘘つきに決定ですね。

Yさん:いや、本当に。実は、半年前に3年くらい付き合ってた彼女と別れちゃって。それ以来、恋愛に乗り気じゃないんです。

あーりん:なんで別れたんですか?

Yさん:長い話になるんですが……。彼女に秘密で、100万円の指輪を買ったんです。プロポーズしようと思って。

さちこ:ほう、100万円、そして指輪。耳に心地よい響きだわ。Yさんって、まさかのハイスペック? 前言撤回するから私と結婚してほしい。

Yさん:いやです。

あーりん:さちこのことは無視して続けてください。

Yさん:指輪を買った2日後に彼女と会ったんです。そのときプロポーズしようと思って。そしたら、彼女から「妊娠した」って言われたんですよね。

さちこ:すごいタイミングじゃないですか!

Yさん:僕の子どもだったらよかったんですけどね……。

あーりん:やだ! 今のひと言で死亡フラグが立ってしまった。相手の男性は誰なんですか?

Yさん:それがわからないの一点張りで。彼女は3カ月前にクラブでしこたまお酒を飲んで、気づいたらひとりでホテルにいたらしいんです。だから、相手の男性のことも覚えてないって言われて。

さちこ:さちこ、その状況まったく理解できない。それ嘘だよ、たぶん。

Yさん:いや、そんな嘘をついて何になるんですか? 彼女の言ってることは本当のことだと思います。とはいえ、知らない男性の子どもを産んで一緒に育てるのは、さすがに抵抗があって。でも彼女のことが好きだったし、結婚したい気持ちも揺るぎませんでした。だから「結婚して一緒に子どもを育てよう」って伝えたんです。

さちこ:菩薩かよ。親戚顔の菩薩さまかよ。

あーりん:結婚したい気持ちが揺るがないなんてすごい。Yさんできた人間だよ。さちこなんて、元カレがキャバクラ行っただけで阿修羅のごとく怒って、家出したというのに。

さちこ:あーりん、傷口に塩ゴリゴリ塗らないで。

Yさん:でも彼女に「ごめん。あなたとは結婚できない」って言われたんですよ。

あーりん:Yさんのやさしさを全力で踏みにじっていく。その彼女、善意という芝を刈る芝刈り機なの?

Yさん:そこから半年間は廃人でしたね。最近やっと遊びに行けるようになって。

さちこ:100万円の指輪はどうしたの? まだ手元にあるなら、ためしに私と結婚してみる? どう?

Yさん:ごめんなさい。本当に無理です。あと指輪はクーリングオフとして、返品しました。イニシャルを彫ってたから全額返金とまではいかなかったけど、半分くらいは戻ってきたかな。

さちこ:その彼女、相手の男性が誰か絶対にわかってますって。なんならワンナイトですらなくて、そっちが本命だったのかもしれない!!!

あーりん:あんたも人の傷口に塩を塗りすぎだよ。ここは夜の銀座。正論や真実が正義とは限らないってことよ。

さちこ:え、なんであーりん、いきなりクラブのママみたいになってるの?

Yさん:ひとつだけわかるのは、彼女にとって僕は結婚相手として力不足 だったってこと。だから正直、真相はなんでもいいんです。でも彼女には幸せになってほしいなあ。

さちこ:Yさん、あんたいい人すぎるよ……!!

ああ、また私は自分の浅はかさを知った。人は見かけによらない。Yさんを見た瞬間に、この人に話を聞いたって「おもしろい話」なんて出てこないんだろうと思った。同じ会社の2歳下の経理の女の子と2年付き合って、この春結婚予定で、埼玉あたりにマンションがほしいけど、今はとりあえず押上あたりの1LDKのマンションに彼女と住みはじめたところ。みたいな眠くなる話を聞かされると思ってたけど、ドラマよりドラマな恋愛してるじゃん。「“主演、坂口健太郎”あたりで全国ロードショー」じゃん。

一見普通に見える人の心の中には、秘めた情熱と忘れられない大恋愛があるってか。年末久しぶりに会う従兄弟も、もしかしたら禁断の愛に溺れているのかもしれない。聞いてみよっと。いや、ないな。

(文:マイナビウーマン編集部/イラスト:須山奈津希)

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