最近疲れていませんか。仕事などで疲れを感じても、つい頑張ってしまう女性は多いのではないでしょうか。なぜ、人は頑張りすぎてしまうのでしょう。また、頑張りすぎて疲れを感じたときは、どのように対処すればいいのかも知りたいところ。頑張りすぎる人の特徴や、頑張りすぎて疲れてしまったときの対処方法について、心理コーディネーターの織田隼人さんに教えてもらいました。
■あなたは大丈夫? 頑張りすぎる人の特徴
◇頑張りすぎって良くないの?
頑張りすぎることは、あまりいいことではありません。頑張るということは、少なからず精神的、もしくは肉体的に「無理をしている状態」。よって、頑張りすぎるということは、無理をたくさんしている状態とも言えるでしょう。無理をしすぎるとストレスがたまりますので、結果心身に悪影響を与えます。精神的に頑張りすぎているにしても、肉体的に頑張りすぎているにしても、ストレスがたまると結局は体が弱ってしまうもの。頑張りすぎないように注意したいですね。
◇頑張りすぎる人の特徴5つ
☆責任感が強い
責任感が強い人は最後までやりとげようとする気持ちが強く、つい頑張りすぎてしまいます。
☆諦める「ライン」を作っていない
「ここまでやって無理ならやめよう」という、諦める「ライン」を作っていない人。こうしたタイプは諦めるきっかけがないため、頑張り続けてしまうのです。
☆逃げるのが苦手
嫌なことがあったときに逃げずに立ち向かう性質の人は、どんなときにも頑張ろうとする傾向が強いでしょう。
☆ほかの環境を知らない
ほかの環境を知らなかったり、ほかの人がどのような環境にいるのかということに興味を持っていなかったりする人も頑張りすぎてしまうことが。自分のいる環境が当たり前のように感じているので、頑張ることに疑問を感じにくいからです。
☆体育会系の環境にいたことがある
体育会系の環境、特に集団競技をやる環境にいると、「自分の失敗は自分だけのミスではなく、全体のミスになる」という感覚に陥りやすいもの。「やりきらない」ということに対して、必要以上にネガティブになりやすいので、頑張りすぎる人が多い傾向にあります。
◇頑張りすぎ度をセルフチェック
*・締め切りや約束を破ることが大嫌いだ
・今の環境でやれないのであれば、ほかの環境でもやりきれないと考えている
・努力することはいいだと思っている
・気がつくとよく歯を食いしばっている
・転職をしたことがない
・あまり好きじゃない飲み会でも2次会まで付き合う
・リーダー役をやっていることが多い
・今日やるべきことが終わっていなければ、終わるまでやってから寝るタイプだ
・逃げることは悪いことだと思っている
・どんな内容でも、一度した約束は約束なので守るべきだと思う*
上の項目が5つ以上当てはまる人は要注意。頑張らなければならない環境になったとき、頑張りすぎて疲れきってしまうかもしれません。自分の性質はなかなか直せませんので、頑張りすぎないような環境にいることが大切です。
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仕事でもプライベートでも、頑張りが必要なシーンはいっぱい。でも、頑張り過ぎると疲れてしまいますよね。あなたの頑張り屋度を10の質問で診断します。
■頑張りすぎて疲れたときの対処法
◇頑張りすぎの原因って?
頑張る性質を持っている人が、頑張らなければならない環境にいると、つい頑張りすぎてしまいがち。頑張る性質というのは責任感や実行力があるという点では、むしろ長所と言えるでしょう。しかし、そういう人が頑張らなければならない環境に行ってしまうと、いわゆる「ブラック環境」になってしまいます。仕事で必要以上にやるべきことを詰め込まれていたり、権限以上の責任を押しつけられたりしても、頑張り続けてしまうのです。
◇頑張りすぎて疲れたときの対処法
☆環境を変える
一番いいのは環境を変えること。今いる環境から逃げ出して、さっさとちがうところに行くことがオススメです。たとえば、仕事であれば出社を拒否することで逃げ出してしまうのも方法のひとつ。当たり前ですが、自分が経営者でない限り、仕事をしなければ仕事を辞めることができるのです。会社同士の契約であれば「○○を最後までやり遂げること」というような契約になるかもしれませんが、労働者はそのような契約をする必要がないので守られています。よって、辞めたり逃げ出したりしてもいいのです。逃げ出してしまえば、頑張る必要がなくなりますね。
☆問題を小さくとらえる
問題を小さくとらえてしまうのも効果的。「これができなかったからといって人が死ぬような話ではない」というように考えると、かなり気が楽になりますよ。「謝ればいいんだから、とりあえず謝る準備だけしよう」というような考えもいいでしょう。問題を小さくとらえてしまえば責任感も少し薄れて、諦めたり辞めたりする勇気もわいてくるかもしれません。
☆ちがう環境の人に会う
今いる自分の環境と別の環境にいる人に会って、話をしてみるといいでしょう。そうすると頑張っている自分を客観的に見ることができ、それが「必要な頑張りか」「必要でない頑張りか」が見えてきます。実は必要な頑張りというのはそれほどなく、諦めていいことが大半。ちがう環境の人に会うとそれがわかりますので、客観的に頑張らなくてもいいことかどうかの判断がつきやすくなるでしょう。
■【番外編】「頑張りすぎないでね」は逆効果?
頑張りすぎている人に「頑張りすぎないでね」ということは逆効果になることも。なぜなら頑張っている人は、頑張っていることを自分で理解しているからです。理解した上で逃げ出せないのでいるので、「頑張りすぎないで」といわれるとムッとくることがあるかもしれません。それよりも、「何があっても味方でいるよ」「無職になっても守ってあげる」などのように、ものごとが上手くいかなかった場合のことを想定して声をかけましょう。「もしも」のときでも離れずに仲間でいることを伝えると、心の支えになりますよ。
■頑張りすぎて疲れを感じたら考え方や環境を変えてみよう
頑張りすぎて疲れているのに、それでも頑張り続けてしまう方もいるでしょう。そんなときは織田さんのアドバイスに従って、一度立ち止まって、問題を小さくとらえるようにしたり、ちがう環境の人に会って話をしたりしてみましょう。気持ちが楽になるかもしれません。また、ときには環境を変えるため、思い切って今いる環境から逃げ出してしまうのもありのようです。ストレスは万病のもと。特にセルフチェックで自分が頑張りすぎていると感じた方は、自分の心の声に耳を傾けてあげてくださいね。
(文:織田隼人、構成:Kaoru Sawa)
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