自分らしさに悩む人へ。専門家が教える「見つけ方」
「自分らしさ」の見つけ方
以下の1と2の質問を自分自身にして、深く掘り下げて考えてみましょう。さらに3の質問を近しい人に投げかけてみましょう。
(1)「好きなこと」から自分を見つける
1.あなたが好きなことはなんですか? 昔好きだったことはなんですか?
好きなことを思いつくだけ書き出してみましょう。そして、書き出したことのどんなところが好きなのか、その好きなことをしているときどんな気持ちになるのかを考えてみましょう。
たとえばドラマを見るのが好きで、「登場人物に感情移入しながら見ていると、人間関係についていろいろ考えさせられるのがおもしろい」と感じているとします。その場合、「人が好きで、人とどうかかわるのかに興味がある」というのが、その人の「自分らしさ」かもしれません。
また、食べ歩きが好きで「おいしいものを食べると幸せな気持ちになるのが好き」であれば、さらに「なぜおいしいものを食べると幸せに感じるか」を考えてみるといいでしょう。
お店の人のこだわりを感じ取れるのが幸せと感じるなら、「人が大切にしているものを敏感に感じられる」ことや「人に感謝できる」ことが自分らしさかもしれません。おいしいものを食べることで、普段がんばっている自分を承認できて幸せなのだとしたら、「がんばり屋さん」「人や自分のがんばりを認められる」のが自分らしさかもしれません。
好きなもの、好きなことは人それぞれ。たとえ同じものが好きでも、そこから感じることも人それぞれです。自分が好きなことから自分らしさを見つけてみましょう。
(2)「嫌なこと」から自分を見つける
2.あなたが日常で「これは嫌だ」と思うのはどんなことですか?
どんなことを嫌だと思っているのかを知るのも、自分を理解することにつながります。
できれば10個くらい書き出してみましょう。たとえば「人の悪口が嫌」「怒るのが嫌」「威圧的な人が嫌」など……。
次に、書き出した嫌なことと対になるように「自分が大事にしてきたこと」は何かを考えてみましょう。たとえば、「人の悪口が嫌だから人のいいところを見ようとしている」などです。そうすると「ほかの人の素晴らしさを見つけて伝えたい」のが自分らしさだと考えられます。
「怒るのが嫌だからたくさん我慢をしてきた」のだとしたら、自分が我慢することで誰かを守ることができたのかもしれません。そうすると、「誰かを守る強さ」が自分らしさである可能性があります。
同様に、威圧的な人が嫌で「自由であること」をとても大事に思っているのなら、それが自分らしさといえるでしょう。
(3)「客観的」に自分を見つける
3.「私のいいところはどこ?」と知人に聞いてみる
ほかの人からすると「すごいこと」でも、自分自身が「できて当然」と思っていれば自分らしさだと認識するのが難しくなります。
たとえば友だちが落ち込んでいたら毎回話を聞くのが当たり前、と思っているとします。その場合は、落ち込んでいる人を放っておけない優しさや面倒見のよさが「自分らしさ」だといえるでしょう。
しかし、当たり前だと思っていることは自分ではわかりにくいもの。
ですから、友だちなどに「私のいいところってなんだと思う? 外見ではなく内面的なところで教えて!」とお願いしてみましょう。友だちや家族、職場関係の人など10人以上に聞いてみるといいですね。そこで何人かから共通して出てきた言葉は、あなたらしさに認定していいでしょう。