声が震える。人前で話すのが苦手な人のための克服方法
こんにちは、心理カウンセラーの萩原かおりです。人前に立つと緊張してしまい、なかなかうまく話せない人からよく相談をいただきます。
人前で堂々と話せる人になるには、どうすればいいのでしょうか。今回はうまく話せない原因を紐解きながら、人前で話すのが苦手な人のための克服法をご紹介します。
仕事など人前で話すのが苦手になる原因
なぜ大勢の人の前ではうまく話せないの?
大勢の人の前でうまく話せない人は、人前で話すことに対して不安や怖れを強く感じています。不安や怖れがあると多かれ少なかれ緊張してしまい、判断能力が落ちるため、うまく話せなくなるのです。
「うまくしゃべれないんじゃないか」「失敗して自分の価値を下げたくない」などと思えば思うほど、言葉に詰まってしまいます。
声が震えるのはなぜ?
声が震えたり、足が震えたりするのは強い不安が原因です。
不安は「胸がどきどきする」「冷や汗をかく」「手足がしびれる」「息が苦しくなる」「体が震える」「トイレに行きたくなる」といったさまざまな身体症状を伴います。
なぜなら、人は不安を感じると「危険を回避しよう」という防衛本能が働き、感情が自律神経・交感神経に働きかけるからです。
人前で話すのが苦手な人の特徴
人前で話すのが苦手な人の特徴を解説します。
(1)心配性
「こうなったらどうしよう」
「もしかしたらこんなトラブルが起きるかもしれない」
といったあらゆる可能性を想定して、心配のあまり不安になっていませんか? 心配性の方は、人前で話すのも苦手な方が多いです。というのも、自分でどんどん先回りして悪い未来を予想するからです。
小さな不安が積み重なって「どうしよう、どうしよう」と慌ててしまい、頭が真っ白になります。そんな状態では冷静に話を組み立てることはできませんし、声もうわずってしまいます。うまく話せないのは当然です。
(2)プライドが高い
「絶対に失敗したくない」
「できる人間だと思われたい」
と考えがちなプライドが高い方も、人前で話すのが苦手な方が多いです。プライドが高いゆえに完璧主義になり、必要以上に自分に強いプレッシャーをかけてしまうのです。
その結果、しゃべっている途中にちょっと言いまちがえたり、少しセリフが飛んでしまったりするとパニックになります。小さなミスで一気に不安になるのです。そうすると、慌ててしまって正常な判断ができません。
プライドが高い方は、まだ人前で話すことに慣れていないうちは失敗しやすいタイプだと言えるでしょう。
人前で話すのが得意な人の特徴
では、人前で話すのが得意な人の特徴も併せて見ていきましょう。
(1)人に合わせることができる
話すのが得意な人は、会話の引き出しが豊富です。相手に合わせて話題を変えることができるため、誰と話しても「話を合わせることができる」「話題を提供できる」のです。臨機応変に対応できるのもポイントでしょう。
(2)ポジティブ
人前で話すことが得意な人はポジティブな傾向にあります。「失敗してもいいから相手とコミュニケーションを取ろう」という気持ちを持っています。
それは会話の中にも表れており、ネガティブな表現や言葉を使いません。相手が不快だと感じる言葉を使わないため、ポジティブに会話ができるのです。
check!話し上手な人の4つの特徴とは。会話で使える簡単テクニック集
人前で上手に話すトレーニング方法
(1)話す前に大きく深呼吸をする
声の震えを抑えるには、大きく深呼吸するのがおすすめです。
緊張したり不安になったりすると、知らず知らずのうちに呼吸を止めてしまったり、浅い呼吸になったりします。
すると酸素不足になり、気分が悪くなったり頭の回転が悪くなったりして、ますますうまく話ができなくなってしまうのです。
そのため、もし「声が震えているな」と思ったら大きく深呼吸を! その場ですぐにできますし、ひと呼吸おくだけでも少し冷静になれます。
(2)大きな声で話す
緊張や不安を吹き飛ばすためにも、大きな声で話すのもおすすめのテクニックです。
小さい声でぼそぼそ話すと、それだけで自信がなさそうに見えてしまって相手の反応が悪くなります。聞き手のパッとしない反応を見ると、自分自身もますます不安になり、どんどんうまく話せなくなってしまうでしょう。
とはいえ、単に声を張り上げるだけでは効果がありません。一番遠くにいる人に向かって声のボールをぽーんと投げるようなイメージで声を出してみてください。力み過ぎずに、よく通る声を目指しましょう。
そうすると、自然体でありながらしっかりと耳に入ってくる声になるので、聞いている人も耳を傾けやすくなります。
(3)姿勢をよくする
自信のあるポーズを「パワーポーズ」と言います。背筋をピンと張って、よい姿勢で話すだけで自信がつきやすくなり、相手にも好印象を与えることができます。
まずは形から入ってみましょう。行動心理学でも姿勢から入るのはとても大切だと言われています。
簡単に言うと、「自信のある振る舞いをすると、だんだん自信がついてくる」ということです。
話している途中は、ところどころで両手を大きく広げるといいでしょう。よくインタビュー写真に見られるポーズです。
自分を大きく見せることができるので権威性が感じられ、聞き手の反応も良くなり、自信がつきやすくなります。
(4)トーンを変えて抑揚をつける
緊張のあまり、早口でバーッと話してしまう人がいますが、そうすると聞き手はどこに注目して聞いたらいいのかわからず、集中力を欠いてしまいます。
ただ言葉を羅列するだけでは、聞き手を眠くさせてしまう話し方になってしまうでしょう。聞き手の心をグッと引き付けるには、あえて少しゆっくりしたペースで話します。
そして、大事なところは間をおいたり、ワントーン声を上げたり、あえて低い声にしたりして抑揚をつけることが大切。強調したい部分の前で一呼吸おくと、緊張も和らげることができて一石二鳥です。
(5)相手に近づいて一体感をつくる
聞き手を引き込むテクニックのひとつに「一体感」があります。「私」と「あなた」という1対1の構造だと、対立構造にもなりやすく、聞き手の心をつかめないことが多いです。
こうしたときに一体感をつくれば、「私たち」という意識をつくることができます。
壇上から一方的に話すのではなく、あえて壇上から降りて聞き手に近づいたり、質問を投げかけたりして一体感を醸成しましょう。
そうすれば相手は「この人は私と距離を縮めたいんだな」と感じ、好意を抱きやすくなります。一体感が生まれれば、話し手も緊張もしにくくなるので、流暢に言葉が出てくるようになるでしょう。
繰り返し練習して話し下手を克服しよう
今回ご紹介したテクニックやトレーニング方法を活用すれば、人前で話すのが苦手な方でも緊張しにくくなり、だんだんとうまく話せるようになります。
繰り返し練習して、体で覚えてしまいましょう。話し上手な人だって、何度も話す練習をしています。やればやるだけ上達するので、人前で緊張しないマインドを身につけてくださいね。
(萩原かおり)
※画像はイメージです
※この記事は2018年08月22日に公開されたものです