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出世したくない人が急増? その理由と昇進を回避するコツ

瀧本博史

三浦一紀

出世したくなければしなくてもいい?

では、「出世をしたくない」と思っている人はそのままでもいいの? 特に、20代女性の場合、今後の人生や仕事のことを考えると、ある程度は出世のことも考えたほうがいいのでしょうか。キャリアコンサルタントの見解を紹介します。

会社の状態と自分の人生をよく考えて決断を

出世という道を選択しない決断をしてもいいとは思いますが、その場合は自分が働く会社の状態と、その会社が進もうとしている方向、そして自分の人生をどのように送りたいかをよく考えてから決断したほうがいいでしょう。

たとえば現行の法律では、育児休暇中の給料については会社側に支払いの義務がないため、休んでいる間どうなるのかという扱いは、実質各会社に任されています。加えて、育児休暇の申し出があった場合には、会社側がこれを断ることは禁止されていますし、「あなたが休むと代わりの人がいない」などの理由で出産に伴う休暇や育児休暇を会社側が拒否することも禁止されています。そして、休暇が終わって本人が職場に戻ったときの待遇に不利がないようにすることも会社側に求められています。

ただし、ご自身が職場に戻ったときの状態を考えて、今の会社の姿勢をよく見極める必要性はあると思います。会社側には、子どもが生まれる予定の従業員などへ個別に育児休業などに関する制度を知らせることが努力義務化されるなど、法律も徐々に改正されている面はありますが、やはり自分で確認することは重要です。自分の会社のロールモデルとなる年代の方に育児休暇や時短勤務などの実績があれば安心できますし、休暇を終えて復帰した方の話を聞くことも役に立つでしょう。もし職場にそういう方がいない場合は、行政機関に問い合わせるのもいいでしょう。働き方を選べるようになりつつあるということは、会社に自分の待遇を委ねるのではなく、自分ことは自分で責任をもつ必要性が出てきたということでもあるのです。

「人生100年」時代を見据え、出世もひとつの選択肢と考える

出世をするということは、マネジメント能力を高め、それを「武器」にできるというメリットがあります。今後AI化が進んで現場での労働力の必要性が減少してくると、幅広い仕事を管理できる能力が必要となってきます。20代から管理能力を養っていけば、将来的にも必要とされる場面が増えていき、万が一自分の仕事がなくなった場合にでも、管理の仕事に就くことができる可能性が高まるでしょう。「今がよいからそれでよい」という考え方もありますが、「人生100年」ということを考えたら、もっといろいろなことを楽しめる選択をしてもよいのではないかと思います。

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