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出世したくない人が急増? その理由と昇進を回避するコツ

瀧本博史

三浦一紀

ひと昔前は、会社に就職して、係長、課長、部長というように出世をし、定年退職を迎えて余生を過ごす。そんなライフスタイルが当たり前とされてきました。

しかし最近は、会社に勤めているものの、自分の生活を最優先に考え、できれば出世をしたくないと考える人も増えてきています。一部では、このような人たちを「出世したくない症候群」と呼ぶこともあるのだとか。

考え方は人それぞれだし、出世をしたくないと考えるのも自由。特に20~30代の女性は、結婚や出産といったライフイベントの関係もあり、出世をしたいけれど諦めるといったケースも考えられます。

「出世をしない」という生き方を選択することは、将来的にどのような影響があるのでしょうか。そして、出世をしないと決めた場合、会社でどのように立ち回ればいいのでしょうか。キャリアコンサルタントの瀧本博史さんにアドバイスをもらいました。

出世したくない! その理由は?

そもそも、「出世したくない症候群」の人たちは、なぜ出世をしたくないのでしょうか。単なる怠け者であるというわけではなさそうです。

仕事内容の急な変化がストレスになる

出世をすると、自分の仕事だけをすればいいというわけではなく、部下や後輩の面倒を見る機会も増えます。自分が新しい役職となったときから、仕事内容には変化が増えるので、ストレスを受ける機会も増えます。そのため、出世をしたくないと思ってしまうのです。

周囲の目を気にする機会が増える

出世をすると、周囲の見る目が変わります。行動ひとつをとっても、本人は以前と変わらないことをしているつもりなのに「課長なのに休憩ばかり」というような見られ方の変化によってストレスを受けることもあります。これも出世はしたくないと感じる理由のひとつでしょう。

プライベートがなくなる

責任のある立場になると、たとえ休日であっても仕事上のトラブルなどが起こった場合、職場へ向かう必要があります。トラブルはいつ起こるか、いつ収束するか予測できないもの。自分の時間を自分でコントロールできないことは、ストレスにつながるため出世を拒むケースがあります。

仲間が仲間でなくなる

今まで同じ役職だった同僚と立場が変わることにより、心の距離を感じてしまう人も少なくありません。誘われていた飲み会に誘われなくなったり、休日のイベントに呼ばれなくなったりと、徐々に距離が開いていく寂しさを感じることもあるのです。

仕事の区切りがわからなくなる

「ここまでやったら今日の仕事は終わり」という場面が減り、「次やるべきことは?」と次の仕事を探すことが仕事に変わっていきます。出世をすると会社の発展を考えることも必要となるため、ひとつでも多くの仕事をこなすことで、会社の発展を実現していくことが要求されます。いつも何かに追われているような状態はストレスとなります。

家庭との両立が難しくなる

会社では役職者であっても、家庭では役職者ではありません。自分のパートナーは部下ではないので、自分の思うように動いてくれなかったり、自分の考えの範囲外の行動をとったりすることもあります。日常生活において仕事を優先させるべきか、家庭を優先させるべきか悩む機会が増えてしまいます。

以上のような理由から、出世をしたくないと考える人が増えているのではないでしょうか。

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