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結婚祝いの相場って? 好印象を与えるスマートな渡し方

松本繁美(マナーアドバイザー)

佐藤由衣

20代後半になると、職場の同僚や友人などの結婚式に行く機会が増えるもの。それだけに、「結婚祝いにいくら包もうか悩んでしまう」という人は多いのではないでしょうか? そこで今回は、マナーアドバイザーの松本繁美さんに、結婚祝いの相場やスマートな渡し方など、結婚祝いに関するマナーを教えてもらいました。

覚えておきたいご祝儀のマナー

まずは、ご祝儀の金額や包むときの注意事項について、解説してもらいました。

ご祝儀金額の目安

ご祝儀金額の目安は、相手との関係によって変わります。友だちや同僚の場合は3万円、親族や兄弟姉妹の場合は5万円が目安です。自分が妹ならば3万円でもよいと思いますが、兄弟姉妹の人生の一大イベントなので、ここは奮発すべき。自分がおばの立場であれば、やはり3万円から5万円が目安でしょう。いとこの場合は3万円が目安です。

ご祝儀を包む際の注意事項

祝儀袋の選び方

祝儀袋は、文具店やデパート、コンビニのほか、100円ショップでも売っています。選ぶときに気をつけたいのは、中身の金額と外装が釣り合っているかどうかです。

祝儀袋には、必ず紅白や金色の水引がついています。結婚祝いの場合は結び切りといって、解けない結びの物を選びます。これに対し、何度あってもいい慶事(入学祝いや出産祝いなど)に使う水引は、蝶結びなどを使います。

中身が3万円なのに、10万円用の祝儀袋では恥ずかしいと考えましょう。最近は、水引が変わり結びになっていたり、布製だったりするなど、種類が多く迷うことも多いはず。どれを選べばいいかわからない場合は、お店の人に聞きましょう。祝儀袋のセロファンの袋に、対応金額が印刷されている物もあるので、それを見ながら選ぶのもおすすめです。

祝儀袋は、結婚式からしばらくのあいだ、記録や思い出のためにとっておくカップルもいるので、心を込めて選んであげたいものですね。

祝儀袋の書き方

祝儀袋に名前を書くときは、筆ペンを使いますが、日ごろ使い慣れていない人には硬筆がおすすめです。かすれていてはいけないので、インクが十分か確認してから書きましょう。

表書きの書き方

水引を外し、中心部よりやや下にほどよい大きさとバランスで書きます。

中袋(中包)の書き方

祝儀袋の中には、中袋(中包)が入っています。その袋にお札を入れましょう。中袋の表側には金額を書きます。この金額は、下記のように漢字で表記します。

・1万円→壱萬円
・2万円→弐萬円
・3万円→参萬円
・5万円→伍萬円

袋の裏側には、住所、氏名を書きます。記載した住所と氏名は、新郎新婦2人の住所録に使われることもありますから、まちがえないように気をつけてくださいね。

万が一、中袋を書き損じた場合は、「懐紙」(二つ折りの和紙)で代用してもマナー上OKです。折りの部分が左側にくるように現金を包み、表書き、裏書は中袋と同様に書きます。懐紙がない場合は、無地の白い封筒を中袋の代わりに使ってもいいでしょう。

お札の選び方と袋に入れる方向

結婚祝いには新札を用意します。新札は銀行であらかじめ用意しましょう。新札とは、新しく発行された未使用のお札を意味します。新札が手に入らなければ、ピン札と呼ばれる、使用済みだけれど、シワや折り目のついていないキレイなお札でも大丈夫です。

お札を中袋に入れるときは、表書きの面を上にして、お札の右側にある肖像画が上になるように入れます。

会場での渡し方

祝儀袋の礼をつくした渡し方として、袱紗(ふくさ)に包んで持っていき、受付で袱紗を広げて相手側に読み取れる方向で出すのが、一番丁寧な方法です。慶事の場合、袱紗の色は、赤か紫を選びますが、多くの人が慶弔両用できる紫を選ぶ傾向があるようです。

袱紗をどうしても用意できなければ、ハンカチやクリアファイルでカバーして持っていきましょう。もちろん、祝儀袋を保護するためです。この場合、受付のカウンターで開くのではなく、直前に取り出してから手渡します。

いずれも、ご祝儀袋を相手から見て正面になるように両手で手渡し、その際「本日は誠におめでとうございます」などとひと言述べて、一礼します。

披露宴に出席しない場合の結婚祝いの渡し方

贈るタイミング

結婚式の前に直接会って渡せるのであれば、それがベストですが、そうでない場合は1カ月前を目安に送りましょう。遅くなったとしても、2週間前までがリミットです。

金額

披露宴に出た場合の2分の1または3分の1が目安とされています。3万円の場合、2分の1だと1万5千円と半端ですよね。この場合は、1万円をご祝儀とし、残りをウェディングギフトにするか、2万円にしてお祝いの気持ちを表わしてもいいでしょう。

のし袋の書き方、贈り方

のし袋の書き方は、式に出席する場合とまったく同じです。ただし、金額が少なめになるので、準じた袋を選びます。この場合、のし袋は郵便局の現金書留で送れるサイズにして送りましょう。直接渡すのがベストですが、「多忙のため」「遠距離のため」などさまざまな事情で実際には難しく、現金書留の方法をとる人も少なくはありません。

持っていく場合は、できれば、「仏滅」の日を避けて、お日柄がいい日を選びたいものです。相手の都合が何よりも優先されますが、気づかいを忘れないようにしましょう。

祝電を打つ

披露宴に招かれたのに欠席の場合は、祝電を打つのもいいでしょう。お祝いの席にふさわしい文言を選び、予約は早めに行います。文言に迷ったら、定型文も用意されているので安心です。台紙もさまざまなタイプがあるため、贈る相手のことを考えて選びましょう。

ご祝儀と一緒に結婚祝いの品物を渡す場合

品物の金額の目安

友人や同僚には1万~2万円、家族へは3万~5万円の品が多いとされていますが、金額よりも、新婚カップルが本当にほしい物や、必要な物を贈りたいですね。親しければ、ざっくばらんに「何がいい?」と聞くのがベストです。

また、友人や同僚には、何人かで金額をまとめてギフトを選ぶ場合もあります。この場合の金額は、特に決まっていません。

結婚祝いにおすすめの品物

食器やキッチン用品、時計のほか、写真立てなどのインテリア雑貨が人気です。ほかには、グリーン(鉢植え)なども人気があります。昔は割れる物、切れる物はタブーとされ、グラス類やはさみ、包丁などは避けていました。今は、新郎新婦の需要が優先されます。贈る相手の希望を上手にヒアリングして、喜んでもらえる品を贈りましょう。

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