お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

仕事のやる気が出ない! 原因とやる気スイッチの押し方

笹氣健治(心理カウンセラー)

やる気が起きない原因とは?

先ほど、やる気が出ないのは「仕事をがんばりたい」「成果を出したい」という気持ちの裏返しであると説明しました。しかし、ひと口に「やる気が出ない」といっても、今あなたがやろうとしている仕事の種類や取り巻く状況によってさまざまなケースがあるもの。

まずは「やる気が出ない原因」にはどんなものがあるのか、典型的なケースを分析していきたいと思います。

あなたにも当てはまる原因はないでしょうか? これらに心覚えがあるならば、それは「やる気が出なくても仕方ない状況」かもしれません。

原因1「仕事の種類」

ひとつ目は「仕事の種類」が原因となり、やる気がそがれているケースです。やる気を落とす仕事の種類の例をいくつか見ていきましょう。

手間がかかる仕事

はじめに考えられるのが、大量の資料整理や棚卸をする、膨大なアンケート集計をする、といった多くの時間や労力を要する仕事をやらなければならない場合。

その仕事量を前にすると「これは大変だな」「かなり面倒」と思ってしまい、すぐにとりかかろうという気持ちになれないことがあります。つまり手間がかかる仕事を前にすると、どうしてもやる気が出なくなってしまうことがあるのです。

頭を使う仕事

企画書を作成する、データ分析をしてレポートにまとめる、といった頭を使う仕事のときも、やる気の喪失が起こりがち。

そういう種類の仕事を日常的にこなしている人であれば特になんの抵抗もなく取りかかることができるかもしれません。しかし、やり慣れていない人の場合は億劫になって、なかなかやる気が出なくなるときがあります。

苦手な仕事

プレゼンが苦手な人が準備をしなければならなくなった、苦手な性格の同僚と協力して仕事をしなければならなくなった、このようなケースの場合も往々にしてやる気が出なくなります。

できれば避けたい、可能であれば免除してもらいたい、といった気持ちがやる気を減退させるのです。

原因2「自分を取り巻く状況」

2つ目はあなたを取り巻く環境が原因のケース。

仕事内容そのものではなく、今の心身の状態や仕事に対するモチベーションが理由でがんばれないこともあるのです。

心身が疲れている

・連日の残業続きで疲労がたまっている
・仕事や私生活においてストレスの多い環境下にある
・連休に遠出した
・遊びすぎて疲れた

といったように心身に疲労がたまっているときは、なかなかやる気が出ません。

この状態はいわばスマホの充電切れのようなもの。あなたのエネルギーが少なくなっているのです。だから、やる気が出なくても仕方がないのです。

理不尽な仕事

「この仕事、担当じゃないのに、なぜ私がやらなきゃいけないの?」

「いつも調子のいいことを言って雑務を押しつけてくる上司。私は残業してまでやっているのに、自分はさっさと帰るなんて信じられない!」

「暇な人がいるのに、なんで私ばっかり仕事がまわってくるの?」

こんな感情は誰しもが一度は抱いたことがあるかもしれません。このように人は理不尽を覚えたときも、やる気がなくなってしまいます。

終わらない仕事

人手が足りないにもかかわらず、仕事がいっぱいある。やってもやっても終わらず、次から次へと仕事が発生する。

このような忙しい環境で働いているとき、はじめのうちはがんばって仕事に取り組むことができても、次第に「なんのためにこんなにがんばっているのだろう」と虚しくなってくるもの。

やがてその虚しさが「もうこれ以上はムリだ」という自暴自棄に変わり、やる気が出なくなる事態が生じます。

成果の実感が得られない仕事

がんばって仕上げた仕事なのに「やっぱり必要なくなった」とあっさり言われてしまった。ベルトコンベアで流れ作業をしているかのような仕事(右からきたものを左に流すだけの単純作業のような仕事)をやり続けている。

このようなことが繰り返される状況下にあると、自分がその仕事をやっている意味がわからなくなり、仕事そのものにやる気が持てなくなります。

自分ががんばった分に相当する精神的報酬が得られないと、人はやる気が出なくなるのです。

以上のような状況(原因)が単独で生じる場合がある一方、複数同時に生じる場合や、連続して生じる場合はとても厄介。慢性的にやる気がなかなか出ない、という状態に陥ってしまう可能性があるからです。

次ページ:仕事のやる気が出ないときの対策とは?

SHARE