【妊娠出産のウソ&ホント】赤ちゃんの「へその形」は切り方で決まるってホント?
将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!
へその緒が無事取れたあと、赤ちゃんの成長とともに気になってくるのがおへその形。ふと見たときに「おへそが膨らんでいる気がする」「もしかして、出べそなんじゃ?」と不安になるママもいるようです。へその形は十人十色ですが、それは出産時のへその緒の切り方が関係するのでしょうか? 今回は、そんな赤ちゃんのへその形にまつわるウソ&ホントに迫りました! 産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいましょう。
本日の「ソボクな疑問」
Q.赤ちゃんの「へその形」は切り方で決まるってホント?
<読者の声>
・全然わからないが、下手な切り方だとその後の形が変わるのではないかと思う。(24歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)
・出べそはなんでできるのか。(25歳/医療・福祉/専門職)
・プロが切っているのだから関係ないと思う。(29歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)
・自然にへその緒が取れるので切り方は問題ではない。(29歳/ソフトウエア/技術職)
尾西先生のアンサーは!?
答えは……
「ウソ」です!
万が一、切り方でへその形が決まるとしたら、私たちは責任重大ですね。もちろん、へその形に切り方はまったく関係ありません。
まず、へその緒は赤ちゃんと胎盤をつないでいるもので、産まれてすぐに赤ちゃんの皮膚から2cmくらいのところをクリップで留め、その外側をパチンと切ります。よくそれが痛くないかを心配されるご両親がいらっしゃいますが、痛くないので安心してください。
そして、切って残ったへその緒は、最初はぷるぷるしているのですが、そのまま放置しておくと、次第に乾いて硬くなっていき、2~3週間もすればポロッと自然に取れます。ちなみに、なかなか取れないからと無理に引っぱってしまうお母さんもいらっしゃいますが、それはしないでくださいね。
へその緒が取れたあとは、少しだけ出べそ気味の赤ちゃんもいますが、月齢が進んでへそのまわりの筋肉が発達してくれば、自然に引っ込んでいきます。2歳くらいまでは様子見で大丈夫です。
ただ、中にはへそのまわりの筋肉が弱い子もいて、筋肉の隙間から腸などが押されて飛び出す「へそヘルニア」になってしまうこともあります。このへそヘルニアが、いわゆる“出べそ”だと判断されます。ですから2歳になっても出べそが気になるようでしたら、小児科や小児外科に一度相談してみてもいいでしょう。
そんなわけで、へその形は切り方では決まりません。またへそを切るのは医療行為ではありますが、最近はお父さんやお母さんにへその緒を切らせてくれる病院もあります。もし希望があれば聞いてみてください。
(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)
※一部画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2017年04月15日に公開されたものです