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【妊娠出産のウソ&ホント】バストが小さいママは母乳が出にくいってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

「子どもが産まれたら、母乳で育てたい」と思っている女性は多いもの。だけど「バストが小さいから」という理由で、「母乳が出ないのでは……」と心配している人もいるようです。だけど、本当にバストの大きさと母乳量は関係があるのでしょうか? 今回は、そんなバストの大きさと母乳量にまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.バストが小さいママは母乳が出にくい(量が少ない)ってホント?

<読者の声>

・バストが大きいぶんだけたくさん入ってると思うからそうじゃないかと思うし、母乳が止まらない人もいると聞いたことがある。(24歳/その他/営業職)
・バストが小さいと、母乳をためられる場所が小さい気がする(25歳/情報・IT/技術職)
・バストが小さい友達でも母乳は普通に出ているのでバストの大きさは関係ないと思う。(27歳/医療・福祉/専門職)
・大きさよりやわらかいかどうかだと思う(30歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ウソです!

バストの大きさと母乳の量は関係ありません。バストの大きさは、「脂肪」の量やつき具合で決まりますし、母乳を作るのはバストに網の目のように張り巡らされた「乳腺」で、その数や長さはバストの大小にかかわらずほとんど変わりません。そして、乳腺は妊娠していないときはしぼんでいますが、妊娠すると発達して大きくなりますから、バストが小さいからといって心配する必要はまったくないのです。

また、母乳の出に関しては、乳汁の分泌を促す「プロラクチン」というホルモンの分泌量に応じて変わりますので、これもバストの大きさとは関係ありません。

「大きさよりやわらかいかどうかだと思う」というコメントがありますが、やわらかさも脂肪の量によるものですので、やはり母乳の量とは関係ないです。ただし、乳頭はやわらかいほうが赤ちゃんはくわえやすく上手に母乳を吸えるので、“出産後からしっかり飲ませる”ためにも、妊娠したら乳房マッサージをしておくのは大切ですね。

実は、この“出産後からしっかり飲ませる”というのは、母乳の量を増加させるという意味でも非常に重要なことなんです。というのも、ちゃんと母乳を出しておかないと、体が必要ないと思ってしまい、母乳の量が減ってしまいます。もし、吸う力が弱い赤ちゃんの場合も、搾乳器を活用するなどしてしっかりと母乳を出してあげることが大切です。母乳は出せば出すほど作られますので、母乳育児をしたいと考えているなら、自分は出ないと思い込まずに、トライしましょう。

そういうわけで、繰り返すようですが、バストが小さいからといって「母乳が出ないのではないか」と悩むことはありません。逆に、大きい人も、「私は出るはずだ」と高を括らないようにしましょう。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※次回の更新は12月3日(土)です。お楽しみに!

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年11月26日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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