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見栄を張る人の心理とは? 特徴と直し方も解説

笹氣健治(心理カウンセラー)

見栄っ張りは直せる?

見栄を張るのは自分の身を守るため。ということは、見栄を張ることをやめたら、自分の身が危険にさらされることになります。そう考えると、何もすぐに見栄を張ることをやめる必要はない、ということになります。

ただ、身を守るための代償が小さくないことも再認識する必要があります。お金がかかったり、自分の時間を犠牲にしたりするなど、無理していることでのストレスがたまっていきます。

見栄を張るのもつらい、かといって、見栄を張らないのも怖い。では、どうすればいいか……? 結論としては、どちらが自分にとって深刻な問題なのかを比較して、深刻度が軽いほうを選べばいい、ということになります。

たとえば、高額ランチに付き合う場合、見栄を張って付き合うとしたら、お金と時間が犠牲になりますが、仲間外れにされるリスクは回避できます。

逆に、見栄を張らずに付き合わないとしたら、お金と時間は節約できますが、仲間外れにされるリスクが高まることになります。

このように、損得勘定で考えて、どちらを選択したほうが自分にとってベターなのかを考えてみてください。

問題が大きければ大きいほど、無傷での解決は難しくなるものです。そのため、自分にとって我慢できる損失を選ぶことは、賢い選択だといえます。

見栄っ張りを直す方法

ここまで読んでも、「見栄っ張りを直したい」という気持ちが変わらなかった人もいるでしょう。そこでここからは、見栄を張る自分を変える方法について紹介します。

(1)考えすぎない

「まわりから悪く思われたらどうしよう?」と不安や恐れを抱くから、つい見栄を張ってしまう。そんなときは、あまり深く考えすぎないようにしましょう。

また実際は、自分が想像するほど最悪の状況にはならないことも多いです。たまにランチや買い物に付き合わなかったくらいで、貧乏だとかケチだとか陰口を叩かれること稀ですよね。

もし否定的なことを言われるようであれば、その人とは生活レベルがちがうのですから、遅かれ早かれ付き合い続けることは難しくなる可能性が高いといえます。

だったら、いっそのこと今すぐ距離を置いてしまうというのも、ひとつの方法ではないでしょうか?

そうやって自分の今の交友関係を見直して、見栄を張らずに素の自分でいられる関係の友人を探すきっかけになると考えれば、いっそのこと無理して見栄を張るのをやめてみるのもいいかも、と思えてくるかもしれませんね。

(2)先行投資だと考える

後輩におごることで自分の株を上げる。高価な買い物をすることで自信をつける。このような見栄を張る行為は、金銭的代償を伴う代わりに、将来、何らかの形で自分に戻ってくる可能性があります。

自分が何か困ったときや助けがほしいときなど、かつてお世話をした相手からサポートが得られることもありますし、自分に自信がつくことで仕事のパフォーマンスが上がって、キャリアアップのチャンスがやってくるかもしれません。

さすがに借金してまで見栄を張る必要はありませんが、財政的に可能な範囲で見栄を張ることは、将来の自分のための先行投資だと考えることもできるでしょう。

その際に気をつけたいのが、これだけお金を使ったんだから元をとらなきゃ損だ、といったように打算的にならないこと。恩着せがましくおごったり、高価な買い物を自慢したりしていると、せっかくの先行投資が台なしになってしまいます。

どうせお金を使うなら「粋(いき)」な使い方をしたいものです。粋な生き方をしていると、人望も高まり、自分自身に対する自信も湧いてきます。

野暮な見栄っ張りではなく、粋な見栄っ張りを目指す。そういう生き方もあるということを考えてみてください。

見栄を張る自分をどう捉えるかが重要

最後にご紹介した、見栄を張る自分を直すための方法は、必ずしも見栄っ張りな性格を直すことではないとお気づきだと思います。

繰り返しますが、見栄っ張りであることは、それはそれで危険回避の役に立つ部分があるので、だからこそなかなか変えにくいところがありますし、そもそも全面的に直す必要もなかったりします。

要は、見栄っ張りな自分をどう捉えるかです。なぜ自分が見栄を張ってしまうのか、自分の深層心理を自覚し、その役に立つ部分を生かしつつ弊害となっている部分を減らすように心がけることで、より自分らしく生きていけるようになるでしょう。

(笹氣健治)

※画像はイメージです

※この記事は2016年10月26日に公開されたものです

笹氣健治(心理カウンセラー) (心理カウンセラー)

メンタルトレーナー・心理カウンセラー
1967年生まれ。国際基督教大学を卒業後、NTT(東京支社)に入社。その後、地元の仙台に戻り、スポーツクラブ「グラン・スポール」の経営に携わる。企業を経営する上で人間心理を理解する必要性を痛感して心理カウンセリングを学び、現在は、ストレスやコミュニケーション問題の解消をテーマにした講演やカウンセリング、目標達成のためのメンタルトレーニングを行っている。『「やる気」のある自分に出会える本』(スリーエーネットワーク)、『仕事の悩みを引きずらない技術』(PHP研究所)など、著書19冊。

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