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【妊娠出産のウソ&ホント】妊娠中にセックスをしちゃダメってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

母親モード全開になるせいか、産後セックスレスに陥る夫婦も多いとよく聞きますよね。ところで、妊娠中って本当にセックスをしても大丈夫なものなのでしょうか? おなかの赤ちゃんへの影響はもちろんのこと、セックスのない生活になってしまうのかと不安になる人は多いよう。そこで今回は、妊娠中のセックスにまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.妊娠中にセックスをしちゃダメってホント?

<読者の声>

・雑菌が入ったり、刺激されたりして流産する危険がある。(30歳/生保・損保/技術職)
・妊娠中もセックスをすることで女性ホルモンが出たり骨盤がゆるんだりとよい影響があると聞いたことがある。(26歳/医薬品・化粧品/技術職)
・妊娠中のセックスは産道ができるのでいいと聞いた。(31歳/金融・証券/事務系専門職)
・妊娠中期はセックスをしてもいいが、それ以外の時期は避けたほうがいい。(28歳/ソフトウェア/技術職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ウソです!

実は、「絶対にセックスをしてはダメ」という期間はありません。ただ、お母さんや赤ちゃんの状況を考えると、妊娠中期=16週~28週にするのがオススメとされています。一般的に16週になると「胎盤がしっかりできて、つわりもおさまってくる」こと、28週以降は「おなかが大きくなってきてあおむけだと苦しく、また破水もしやすくなってしまう」ことが、その理由です。ちなみに、医師から安静を指示されている人は全期間を通じてセックスは控えてください。

セックスをする際に気をつけてほしいのは、「コンドームを必ずつける」ということ。読者の声にもあるように、腟から雑菌が入ってしまうからです。また精液にも、子宮を収縮させたり、子宮の入り口をやわらかくするホルモンが入っていますので、コンドームは必須です。「セックスは産道ができるのでいい」という声もありましたが、もしかするとこのホルモンの作用から派生した話なのかもしれませんね。

実際には、セックス自体で産道ができることも「骨盤がゆるむ」こともありません。骨盤をゆるめるホルモンは、セックスをしてもしていなくても、妊娠3カ月くらいから出産に向けて出てきますよ。

妊娠中のセックスに不安を持つ女性は多いと思いますが、性欲が減退するとは限りません。逆に妊娠中に性欲が高まる女性もいます。それに、セックスはメンタルにいい影響を及ぼすとも言われています。スキンシップによって出るオキシトシンというホルモンが、精神的な安定をもたらしたり、パートナーとの絆を強くしたりする効果があるんです。そういう意味では、セックスする・しないに限らず、パートナーとのスキンシップは大切にしたいですね。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年06月11日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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ヨダヒロコ/六識

女性向けライフスタイル情報誌&Webサイトの編集者を経て、 2013年に制作プロダクション「六識」をスタート。「働く女性が笑顔でいられる生き方を応援したい」という想いで、グルメや美容、マネー、恋愛・結婚をテーマにした記事の構成~執筆を行う。2児の母として、時短グッズの情報収集に余念がない。仕事・家事・育児に追われる日々の中、月に一度のネイルが癒しに。

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